「家なき子」の旅

  • 平凡社 (1987年6月15日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784582333022

作品紹介・あらすじ

『家なき子』が時間や空間を越えて名作になっていく過程は、各時代の大人たちの「子供観」を浮き彫りにする。気鋭の新人渾身の処女作。

感想・レビュー・書評

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  • 外国児童文学の再話・・・翻訳・翻案・抄訳・改変。
    主に雑誌「赤い鳥」に掲載された作品を通して“再話”を読み解く。
    ・鈴木三重吉が、教育者として子ども読者を意識したことから、
     外国児童文学の翻訳は、遂字訳から意訳(省略・補筆)への変容。
    ・同時代の雑誌「赤い鳥」「童話」「おとぎの世界」
    「金の船(金の星)」の“再話”の比較。
    ・戦後の名作全集での“訳”ではない“文”の“再話”の傾向。
    ・副読本や教科書における“再話”の問題。
    ・フランスで同時期に教育をキーワードに生まれた2つの
     子どもの旅物語について。
    ・「家なき子」と鈴木三重吉。
    ・「家なき子」の再話いろいろ。
    たまたま「家なき子」を読み始めて、その旅の行程を知りたいと
    手を取ったら・・・“再話”の評論でした(^^;
    でも読んで良かった。
    “再話”について改めて考えさせられました。
    根本に潜むのは、子ども向けの配慮とそれに伴う教育的な配慮。
    “再話”と翻訳との違いは単に省略だけでなく、翻訳に無い描写や
    心情までも盛り込まれていることもある。
    かつて“再話”の世界名作全集で育ち、それが翻訳本・完訳本への
    読書のきっかけになりましたが、“再話”だけで終わり、
    本当のその本の内容や良さを知らずにいる人もいるんだろうなぁと、
    思いました。

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著者プロフィール

1955年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。千葉大学教授。『「家なき子」の旅』(平凡社)、『自分なりの読み方をしよう』(ポプラ社)、『〈現代児童文学〉をふりかえる』(久山社)など。

「2002年 『児童文学批評・事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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