むかし〈都立高校〉があった

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 17
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582452297

作品紹介・あらすじ

1967年の学校群制度の導入によって、どうして都立高校の自由で個性的な気風は消えたのだろうか?失われた学校の個性と文化。

感想・レビュー・書評

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  • 烏兎の庭 第五部 書評 11.8.15
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/toritu.html

  • この著者も小野民樹氏と同じく1965年に新宿高校を卒業した団塊の世代。日比谷・西・戸山・新宿などの名門都立高校の没落を招いた学校群制度を導入した小尾乕雄(おびとらお、通称オビトラ)・東京都教育長の訃報記事(2003年3月)から始めて、37年前の導入の誤り、そしてその後の見直しの怠慢などの責任を厳しく追及している。名門の凋落は確かに東大合格者数という数字で象徴されるが、凋落とは決して東大への入学者数という入試成績だけではない、各学校の独特の校風があり、それが失われていったことを訴えているのです。そうでなければ、鼻持ちならないエリート主義でしかないのですから。そしてこの本が単なる過去の都立高校へのノスタルディだけではなく、「平等の実現」という高邁な理想に燃えて行った改革がいかに近視眼的であったのか、それが今も繰り返されているのではないか、と私たちに問いかけているのです。正に戦後の教育改革の分水嶺だったと思います。いうまでもなく、都立高校は個性を亡くし、平等化したかも知れないものの私立高校がそこから隆盛し、むしろ以前にもまして受験重視の不平等社会が実現したのですから。紹介されている庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」の世界は現実の庄司薫氏が12年歳若い「庄司薫君」主人公(日比谷高校の学校群1期生)として描いているということは始めて知りました。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。70年早稲田大学政治経済学部卒業後、毎日新聞社入社。学芸部長、論説副委員長などを経て退職。2003~17年、法政大学社会学部・大学院社会学研究科教授。現在、法政大学名誉教授、毎日新聞客員編集委員。著書に『蓮門教衰亡史』(現代企画室)、『文明開化と民衆』(新評論)、『スキャンダルの明治』(ちくま新書)、『大衆新聞と国民国家』『むかし〈都立高校〉があった』(ともに平凡社)、『熟慮ジャーナリズム──「論壇記者」の体験から』(平凡社新書)、『増補 論壇の戦後史』(平凡社ライブラリー)、『ジョン・レディ・ブラック──近代日本ジャーナリズムの先駆者』(岩波書店)、『幕末明治 新聞ことはじめ』(朝日選書)、『黒岩涙香──断じて利の為には非ざるなり』(ミネルヴァ書房)などがある。


「2020年 『感染症と民衆 明治日本のコレラ体験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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