韓洪九の韓国現代史 韓国とはどういう国か

  • 平凡社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582454291

作品紹介・あらすじ

韓国でベストセラーになった注目の現代史。圧倒的な支持を集める新しい歴史家の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 韓国とはどういう歴史を持った国かを知りたくて購入した本だったが、現代史は本当に現代史で、戦後のことばかり書かれた本だったのと、何が起こったという歴史について書かれた本ではなく、韓国人の意識を問う、というような本だった。

    そういう意味では何も知らない人が読むような本ではなく、既に十分韓国の現代を知った人が読む本だと思う。まぁもともと韓国人に向けた雑誌の連載を集めた本らしいので、日本人向けに書かれている本ではないのは事実。

    しかし、それなりに歴史を知っている人ならば、今の韓国で親日派、兵役、米軍など、どういうことが問題視されているのかが分かって、そういう点では面白い本ではあった。

  • 韓国のいわゆる左寄りの媒体に連載されたコラムを集めたもの。捉えようによっては、韓国版〝自虐史観〟とも言えるかもしれない。十年ほど前に出版された本だが、韓国が抱えている本質的な問題に突っ込んでいる。韓国には保守が存在せず、いるのは〝守旧派〟だけという指摘にも首肯させられた。

  • 日本人の知らない現代の韓国

  • 韓国人が韓国国内向けに書いた韓国現代史。
    時間軸や事件ごとに整理されているわけではなく、様々なテーマごとの比較的短い章によって構成されている。
    「ですます」調のやわらかめの調子で書かれているので、堅すぎず難しすぎず読みやすい文章になっている。しかしもともとが韓国向けであるため、歴史的な事件を「知っていること前提」で書かれているので、まったくの韓国初心者には難しいかもしれない。かといって、論理的な文章でもなく「韓国歴史についての読み物」という感じ。

    この本から学ぶべきことは、韓国の歴史ではない。
    「バランス感覚」と「想像力」である。
    右にも左にも偏らないための努力、自国ではあたりまえと思われていることに対する疑問提議、想像力を働かせることによっての他者の理解に対する努力。

    著者は様々な疑問を韓国国民に提議している。それらは日本に提議しなければならない問題とも合致することがある。韓国の歴史についての読み物ではあれ、「じゃあ日本ではどうか」という柔軟性を持って読むことに意味があるように思われる。

  • 良心的兵役拒否の運動、平和博物館建設運動等、市民運動に参加する韓国の歴史学者が書いた韓国現代史。

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著者プロフィール

한홍구 ハン・ホング
1959年、ソウル生まれ。聖公会大学教養学部教授。
ソウル大学国史学科卒業、米国ワシントン大学で博士号取得。
国家情報院過去事委員会民間委員、平和博物館建立推進委員会常任理事、
良心的兵役拒否権の実現と代替服務制度への改善のための
連帯会議共同実行委員長を経て現職。
著書(邦訳のあるもの)に、
『韓洪九の韓国現代史 韓国とはどういう国か』
(韓洪九 著、高崎宗司 監訳、平凡社、2003年)、
『韓洪九の韓国現代史 2』(韓洪九 著、高崎宗司 監訳、
 平凡社、2005年)、
『法と暴力の記憶 東アジアの歴史経験』(「朴正煕の法による殺人」
〈韓洪九 著〉所収、高橋哲哉、北川東子、中島隆博 編、
 東京大学出版会、2007年)、
『歴史と責任  「慰安婦」問題と一九九〇年代』
(「世界の過去克服への取り組みから 韓国現代史と過去清算の展開」
〈韓洪九 著、金栄 訳〉所収、金富子、中野敏男 編著、青弓社、2008年)、
『倒れゆく韓国 韓洪九の韓国「現在史」講座』
(韓洪九 著、米津篤八 訳、朝日新聞出版、2010年)、
『フクシマ以後の思想をもとめて 日韓の原発・基地・歴史を歩く』
(徐京植,、高橋哲哉、韓洪九 著、李昤京、金英丸、趙真慧 訳、
 平凡社、2014年)、
『韓国・独裁のための時代 朴正煕「維新」が今よみがえる』
(韓洪九 著、李泳采 監訳・解説、佐相洋子 訳、彩流社、2015年)、
『性奴隷とは何か シンポジウム全記録
 Fight for Justiceブックレット2』
(「3分メッセージ シンシア・エンロー、韓洪九、キャロル・グラッグ 述」
  所収、日本軍「慰安婦」問題webサイト制作委員会 編、
 御茶の水書房、2015年)、
『Q&A 朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任 あなたの疑問に答えます
 増補版 Fight for Justiceブックレット3 』
(「韓洪九さんに聞く 自国の加害の歴史とむきあう~
  事実認定と謝罪なき「和解」はない」所収、
 日本軍「慰安婦」問題webサイト制作委員会 編、金富子、板垣竜太
  責任編集、御茶の水書房、2018年)、
『沖縄から問う東アジア共同体 「軍事のかなめ」から「平和のかなめ」へ』
「啐啄同時の朝鮮半島と新しい東アジア」〈韓洪九 著、李昤京 訳〉所収、
 木村朗 編著、花伝社、2019年)などがある。日本人ファンも多い。



「2020年 『韓国スタディーツアー・ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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