昭和史 1926-1945

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582454307

感想・レビュー・書評

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  • ●第二次世界大戦は負けるべくして負けたのだなと実感した。奇しくも日露戦争で手に入れた満州というものが、昭和史において非常に大きな意味を持っていたが、それは当時の日本において手に余るものだったのだろうかという疑問がわいた。

  • 2007.7.3.22刷.カバスレ、帯付。
    2012.12.19.松阪BF

  • 元出版社編集長&歴史作家による昭和初年~20年までの講演録。30万部以上売れているらしい。
    学者とは違い、ジャーナリストらしく当事者への取材を通じた生の下地があり、御年80歳ながらも語り口も軽妙で読みやすい。満州事変から敗戦まで、明治・大正と坂の上を駆け上がった後でいかに転落していったかを描くが、近年続々と発表されている当事者の語録や当事者への取材、英米露で戦後明らかになった記録など、事実関係のみに着目すればよく整理されていて参考にはなる。
    ただ、なにぶん終戦後に青春期を迎えた反動世代ゆえに、当時の指導層に対して必要以上に辛らつで自虐的であり、伝統文化的には深みはないと言わざるをえず、「戦後歴史観」の見本として割り切って読む必要がありそう。
    これから歴史を学ぶ学生や子どもにはまったく持ってオススメできず、最も売れている通史ゆえにかなり心配ではある。ある程度物のわかった大人が苦笑しながら読むには良いのかもしれない。

  • 僕は歴史モノが苦手であるがスラスラと読める一冊でした。

  • つまみ読み。今興味があるのは、パールハーバーから敗戦までの戦史。
    つまり、永遠の零で書かれていた世界は実際にはどうだったのかということ。東日本大震災でもそうだが、責任逃れの判断というのはこの国の個性なのか。

  • 太平洋戦争にいたるまでの過程を、日本の満州支配から解説していく。
    破綻は、初期からあった。

    軍部の横行からはじまる。
    「統帥権干渉」という用語を発明したことで、天皇が軍部の暴走をとめられなくなった。
    勝てるという根拠が「精神力」に基づいた説が定着した。

    いまの視点からふりかえってみると、まったくもって馬鹿らしい。
    しかし、当時の人たちが悪いと責めることができない。

    自分がその場にいても、おそらく時代の空気に乗ってしまったんだろう。
    いったん決心したことに対して、人は理由をほしがる。少なくとも自分は欲しい。

    だから、悪い情報がはいってきても遮断してしまう気がする。
    「だって、もうやっちゃったんだもん。なんとかなるでしょ」
    なんて思いながら、楽観して、自分の行動を自分に納得させるんだと思う。
    だから、軽率だとバカにすることができない。



    以下、抜粋。

    山本五十六のことば
    『内乱で国は滅びない。戦争では国が滅びる。内乱を避けるために、戦争に賭けるとは、主客顚倒もはなはだしい』
     この言葉を読んで、ハッとした。内部の問題を、外部にうつして対処しても、解決にならない。
    『自分が命令できない作戦は行ってはならないのである』
     これも自戒をこめて。


    失敗の原因
    1.時の勢いに駆り立てられた
    2.具体的な理性的な方法論をまったく検討しようとしない
    3.日本型の小集団主義(権力の絶対化)
    4.国際的常識の欠如(ポツダム宣言について)
    5.対症療法的な発想で、急場を乗り切ろうとした。(大局観がない)

  • 日本の近代史の勉強 その?
    いろいろな視点がありますね。4冊目。
    一つ言えるのは、
    義務教育で習ってきた近代史がいかに薄かったかということ。

  • 2007年〜未読。
    サムライ塾の指定図書にも関わらず、見た目の分厚さに圧倒されて未読。
    08年3月の指定図書なので、頑張って読みます。

  • ひょんなことから関わることになった一冊。日本政治史は僕の専門ではないけれど、ロシアとの関連で捉えるとまた別の側面を見出すことができる。。。と思う。

  • 明治以降40年で近代国家を作り、昭和初期までの40年で軍事国家として壊滅し、平成までの40年で高度経済成長を遂げた日本。歴史を繰り返してはいけない、歴史から学べ的な本。

著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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