ダーウィン先生地球航海記〈5〉しずむ南海島のなぞをとくの巻

制作 : 荒俣 宏 
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582541359

感想・レビュー・書評

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  • (2010.06.22読了)(2010.06.15借入)
    「ビーグル号航海記」第5巻、最終巻です。長年の宿題がやっと終わりました。
    30年ほど前に新潮文庫の「ビーグル号航海記」を読もうとしたのですが、挫折してしまいました。荒俣宏訳のこのシリーズの第1巻が出てからも15年経ってしまいました。

    第18章、タヒチからニュージーランドへ
    ニュージーランドのマオリ人について書いています。
    第19章、ニュージーランドからオーストラリアへ
    オーストラリアのイギリス人、原住民のアボリジニー、タスマニア島について書いています。
    第20章、オーストラリアからキーリング諸島へ
    サンゴ礁にたどり着く植物、動物、昆虫、について考察し、さらに沈みゆくサンゴ礁についても考察しています。チリでは、海岸から続く段丘を観察しながら隆起する大陸について考察していました。
    終章、モーリシャスからイギリスへ
    マダガスカルから東方のモーリシャス島を経て、喜望峰を回り、セントヘレナ島、アセンシオン島、経緯して、再びブラジルのバイア、ペルナンブコを経由してイギリスに戻りました。1831年12月27日に出発し、1836年10月2日に帰りつきました。5年間の大航海でした。
    「ダーウィン先生伝」荒俣宏、最後に荒俣さんの26頁ほどのダーウィン伝が掲載されています。

    ●好戦的部族(16頁)
    私は、ニュージーランドの人々以上に好戦的な部族はこの世にいないと考える。キャプテン・クックが報告したように、西洋の船を初めて見た時にニュージーランド人がとった行動は、とてもよい見本になる。こんなに大きくて見なれない物体に向かって、一斉に石を投げつけたり「岸に上がって来い、片っ端から殺して食ってやるぞ」と挑みかかったり、どの行為も素晴らしい勇敢さを示している。
    ●常緑樹(46頁)
    葉は季節ごとに散ることがない。これは南半球全体、つまり南アフリカ、オーストラリア、喜望峰に共通する特色のようだ。この半球の熱帯域にすむ人は、裸の木々に木の葉が芽吹き、一斉に繁り出す光景―この世で一番素晴らしい見もの―を眺められない。
    ●アボリジニーズ(48頁)
    アボリジニーズは、顔つきも愛嬌があり、好感が持てた。一般に言われているような全く下等な人類というイメージからは、随分遠かった。けれども、彼ら自身の持つ技芸には、目を見張らせるすごさがあった。
    アボリジニーズは土地を耕さず、家を建てて定住することもせず、羊の群れを与えても、これを飼おうという考えがない。ただ、全体としてはフエゴ島の人々の文化水準よりも、ずっと高いようだ。
    ●原住民の激減(53頁)
    J.ウィリアムズ氏は著作の中で、原住民とヨーロッパ人との初接触について「必ず熱病、赤痢その他の疾病が持ち込まれ、多くの人命が失われる」と記している。
    ●モーリシャス島(167頁)
    とてもきれいな小劇場があって、素晴らしいオペラが上演されている。棚に本がぎっしり詰まった、随分大きな書店を見た時も、びっくりした―音楽と読書、これこそは私たちが文明化した古い世界に接近した証拠だ。
    ●セントヘレナ(180頁)
    昔貧民たちは海岸の岩場に育つ植物を燃やし、その灰から得られるソーダを輸出していた。ところがこの習慣を禁じる時限条例が出された。その理由は、植物を燃やすとヤマウズラの巣が作れなくなる、というものだった!
    (ヤマウズラは、イギリス人の狩猟用の鳥です。)
    ●奴隷制(199頁)
    リオ・デ・ジャネイロでは、向かいに老夫人の住む家を借りたことがあった。彼女はいつも、女の奴隷の指をつぶすための締めネジを手放さなかった。わたしが一時期、寄宿した家では、若い混血の小間使いが、毎日毎時間、ののしられ、叩かれ、最下等の動物の魂さえ捻じ曲げてしまうほどの迫害を加えられていた。
    (ダーウィンは、自分の見聞したことをもとに、奴隷制のひどさを情熱をこめて記しています。)
    ●ダーウィンが旅の中で印象に残ったこと(212頁)
    南十字星、マゼラン星雲、そのほか南半球の星座、海へと落ちかかる氷河、珊瑚の作り上げた礁湖の島、活火山、地震が生み出す圧倒的な破壊力。

    ☆ダーウィンと進化に関する本(既読)
    「進化とはなにか」J.ハクスリー著・長野敬訳、ブルー・バックス、1968.05.25
    「進化と精神」J.ハックスリー著・若林千鶴子訳、思索社、1973.04.25
    「進化とはなにか」今西錦司著、講談社学術文庫、1976.06.30
    「ダーウィン論」今西錦司著、中公新書、1977.09.25
    「進化論 東と西」今西錦司・飯島衛著、第三文明社、1978.10.25
    「ダーウィンを超えて」今西錦司・吉本隆明著、朝日出版社、1978.12.10
    「主体性の進化論」今西錦司著、中公新書、1980.07.25
    「今西進化論批判試論」柴谷篤弘著、朝日出版社、1981.07.10
    「進化論も進化する」今西錦司・柴谷篤弘著、リブロポート、1984.07.15
    「今西進化論批判の旅」ホールステッド著、築地書館、1988.02.01
    「ダーウィンの憂鬱 ヒトはどこまで進化するのか」金子隆一著、祥伝社、1997.03.01
    「進化とはなんだろうか」長谷川眞理子著、岩波ジュニア新書、1999.06.21
    「ダーウィンの足跡を訪ねて」長谷川眞理子著、集英社新書、2006.08.17
    「ダーウィンの夢」渡辺政隆著、光文社新書、2010.03.20
    (2010年6月24日・記)

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著者プロフィール

チャールズ・ロバート・ダーウィン(Charles Robert Darwin)
1809年2月12日 - 1882年4月19日
イギリスの自然科学者。ビーグル号による航海で訪れたガラパゴス諸島での観察に着想を得て「自然淘汰」による進化論を提唱。代表作は、『種の起源』、『ビーグル号航海記』、および『人間の由来』。

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