新訳 ビーグル号航海記 上

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582541380

感想・レビュー・書評

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  • 突然入院することとなり再度読もうと持ち込んだ。
    上下巻のうち上巻は、南米東海岸と内陸の旅、それにフエゴ島、フォークランド諸島、マゼラン海峡における地質や生物相、インディオなどの原住民の様子が語られている。フエゴ族など南米最南端の原住民の描写は特に印象に残る。
    当たり前だがダーウィンの博物学の知識の広さに驚くとともに、進化論につながる旅を一緒にさせてもらっていると思うとワクワクさせてくれる一冊だ。

  • 測量目的の英軍艦ビーグル号に、唯一人の科学者として便乗し、いわば「剣に守られたペン」として未知の世界に冒険に出かけた若きチャールズ。弱冠二十歳余の科学者
    の世界道中、その意外なヒューマニズムも散見できる。
    リベラルアーツ:kawakita

    https://bit.ly/366xqXi

  • 読みづらくて断念。。

  • 20代のダーウィンを世界的な科学者にした5年間にわたる世界一周航海の記録。帰国して8か月で書かれた初版には進化論的な内容はないが、8年後に書かれた第2版(翻訳もこちらの版から)にはすでに進化論的な記述がある。
    (選定年度:2016~)

  • とても読みにくい。というか、馴染みのない地名や生物名が次々に出てくるのでイメージが持ちにくい。ダーウィンが地質学や博物学にかなり造詣が深く、かつ、この航海で広く深い観察を続けていることがよくわかる。こうした知識の蓄積が進化論につながっていくんだと理解できた。

  • 進化論を発見した、チャールズ・ダーウィンがそのヒントを得たビーグル号に乗ってフィッツロイ船長らとともに行った調査の記録です。

    調査の記録、ということで、描写自体はかなり淡々と書かれます。しかしところどころに、ダーウィン自身の偉大なる自然、動植物の美しさ、そしてそこに住む人々への敬意、などを通じた感動も表現されています。
    ダーウィン自身の知識・分析は決して動物学にとどまらず、植物学・地質学などにも精通していることがよく理解できます。
    この本を読むと、ダーウィンが単に「すごい発見した人」でなく、類まれなる好奇心と観察力、分析力と知識を兼ね備えた人物、として捉えられると思います。

  • 1959年に岩波文庫からビーグル号航海記の翻訳が上中下巻3部作で発売され、筆者はこれらを過去に読んだことがある。昨年6月平凡社から新訳の上下巻が同時発売され、読み直した。
    単行本は税別で上巻2300円、下巻2400円と少々値段がお高いのが難点だが、航海記の和訳コレクションとしてはそれだけの価値があるというのが読後の感想である。
    新訳の特徴を岩波文庫版と比較していくつか列記してみると、
    1)ビーグル号の世界一周の航路(Tracking Chart)が、1831年12月27日のプリマス出港から1836年10月2日のファルマス帰港まで、滞在先の年月日も含めて訳されている。
    2)ダーウィンが行った南米大陸内陸部の調査について、日程と調査経路の図が訳されている。
    3)原注訳に加えて、訳者による注記が充実しており、この訳者注記だけ読んでも楽しい。訳者は博物学研究家。
    4)挿絵は、訳者あとがき「ダーウィン初期の出版事情」によると、1890年に発刊された「種の起原、イラストレーテッド・エディション」の挿絵を大部分転載したと
    のことである。因みに、ビーグル号のイラストは少ないが(数えてみると、上巻で6、下巻で3)、船底の補修のために浜辺に乗り上げた姿や、イギリスへの帰還を急
    ぐために、スタンスルを全て張り出した姿のイラストが含まれている。
    5)ダーウィン関連の略年表が、日本と世界の出来事を並記して一覧させている。
    6)索引が充実している。生物名、人名、地名に分かれており、後で必要箇所を読み直すのに大変便利なものになっている。
    この航海記は、進化論へとつながる自然誌や探検というよりは、地質学や博物学の記述である。ビーグル号の航海の本来の目的は、生物学などの研究ではなく、南アメ
    リカ大陸の海岸の測量や世界各地の緯度の測定であった。ダーウィンは、この測量航海に同行する博物学者兼フィッツロイ船長の客人としてビーグル号に乗船した。
    観察と蒐集に熱中し、南米各地を調査し、ガラパゴスでフィンチの嘴などから進化論のヒントを得るといったところを記述している。因みに進化論が発表されたのは、
    5年間の大航海を終えてから23年後となる。
    ビーグル号航海記では、ダーウィンがチリ内陸部を歩き、地震や津波に遭遇した体験を記述している。筆者は、2006年~2009年に二度目のチリ駐在を行い、この期間に、サンティアゴ日本人学校で小中学生を前に「日本・チリ・太平洋」と題して講話を行い、この中でダーウィンのチリにおける探索やビーグル号の航海を紹介したことがある。1960年に史上最大規模の地震がチリ南部のバルディヴィアで発生し、地震発生のメカニズムや、津波はジェット旅客機並みのスピードで太平洋上に伝わり、日本の三陸海岸に1日で到達し大被害を及ぼしたことなども話した。ダーウィンがチリを歩き回ったのは1834年の7月から1835年の7月までの1年間で、アンデス山脈の生成などの様子の観察の記述は多いが、地震と津波の記述
    は被害状況にとどまっている。それから二百年も満たぬ間に、学問が発展し今日の地震や津波の豊富な知識や太平洋の警報ネットワークを思うと、自然現象を科学的に解明し、自然災害の歴史に謙虚に向き合おうとする人類に対して、多少ならず誇りすら感じさせる航海記でもある。

  • 進化論を樹立したことで有名なチャールズ・ダーウィンは,学生時代は成績が悪くて学業に専念せず,狩猟や昆虫採集にのめり込む青年でした。好きな科目は植物学や地質学のような野外調査でした。彼が英国海軍測量船ビーグル号に艦長の話し相手として足掛け5年におよぶ世界一周航海に乗船した時の航海記録です。この航海で自然を詳細に観察する体験が,彼を一人前の生物学者そして地質学者として育て上げました。荒俣宏氏による完全新訳です。

    *推薦者(農教)Y.A.
    *所蔵情報
    http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00330778&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 書店で、荒俣宏による新訳である本書を見つけ、この有名な本をまだ読んだことがないこと、そして、本書の装丁が上品で趣味が良いことから、それなりの値段だったが、思い切って購入した。
    ようやく上巻を読み終わったが、主にブラジル以南の南米の大西洋岸の航海や上陸してのダーウィンの見聞や研究が記録されている。博学なダーウィンらしく、気候、地理、地質、動植物、ヨーロッパからの移民やその社会、現地土着民の生活ぶりなど幅広い分野について記載されていて、面白いといえば面白いが、現場を知らない者には少々退屈にも感じられた。それでも、図版が少ないにも関わらず、描写されている文物や風景がイメージできるという点で、ダーウィンの記載や訳者の翻訳が的確なのだろう。
    冗長な部分もあるが、読み進むにつれ、こちらにも知識が増え、ダーウィンの見たものがよりリアルに感じられるようになってきた。下巻も長いが、楽しみだ。

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