独裁者のデザイン: ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東の手法

著者 :
  • 平凡社
3.52
  • (1)
  • (13)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 202
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582620689

作品紹介・あらすじ

20世紀を代表する独裁的支配者、スターリン、ヒトラー、毛沢東の3人が行った宣伝とプロパガンダのデザインを紹介。独裁のなんたるかを知るための最良のテキスト。図版多数。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • プロパガンダ
    という言葉をひさしぶりに思い出した

    この本に取り上げらているのは
    ヒトラー、ムッソリーニ、
    スターリン、毛沢東
    言わずと知れた「独裁者」たち
    その者たちが
    政治的に扇動の手段として
    使ったデザインを
    取りまとめた 一冊

    むろん
    その時代を俯瞰して
    見ることのできる私たちだから
    ふむふむ と 
    見られる、考えられる
    のであるが、

    これらの「手法」は
    確かに
    「今」のこの世の中にも あるぞ!
    と 読み替えていくと
    なかなか ぞっとする
    一冊にも なっている気がする

  • 11
    スターリンは周囲を粛清し過ぎて、自分もいつ殺されてもおかしくない状態になり、疑心暗鬼になりすぎて、悲惨な死に方をした。医者が粛清を恐れるあまり治療を拒んだ、という説もある。人徳のなさがあらわれている。

    フランコ、毛沢東、カストロ、アミンのように長生きした独裁者もいるが
    ヒトラー、チャウシェスク、フセイン、カダフィのように悲惨な最後を遂げた独裁者も多い。

    30
    18世紀末、社会にとっての効用を重視した功利主義者ジェリミー・ベンサムの発案による独房監視システム、パノプティコンというものがある。
    中心に監視塔があり、そこから放射状に伸びたところに囚人棟を置く円形の建物のこと。
    監視塔の監視窓は小さく、そこに看守がいるかどうか
    は囚人棟からは確認できない。
    囚人は、看守がいるいないにかかわらず、常に見られている感じを抱く。
    さしずめ、今は、その中心の監視塔が、監視カメラ情報も含めたビッグデータなのだろう。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/634257

  • ヒトラーのメリハリの効いた演説の裏には、内緒でオペラ歌手に抑揚等のレクチャーを受けていた事が印象的だった。
    内容はそれほど難しくないのに抑揚をつける事によって人々を魅了する演説が出来ていた。
    話し方って大事なんだな。

  • ★分析フレームの進化を見たかった★小口の部分に現れる人の顔が前からと後ろからで違って見えるなど、本自体のデザインが凝っていて面白い。独裁者がどのようにデザインを活用したかという視点もうまい。
    ただ、分析の仕方が古いというか学生好みというか。ベンサムのパノプティコンを初めて知って喜ぶ30年前の大学生が好きそうな雰囲気といったらよいだろうか。もしかしたら学術書らしくしようとしたためなのか。何だかもったない。

  • プロパガンダのデザインに関する本。ある意味、デザインの暗黒史とも言うべきか。豊富な図版と造本のポップさが相俟って、独特の佇まいを持っている1冊。
    ロシア・アヴァンギャルドの例を挙げるまでもなく、プロパガンダのデザインというものには奇妙な魅力があるのも事実。面白かった。
    ところで本書は三部作のうちの1冊だったらしい。残りの2冊も買ったので、読むのが楽しみだ。

  • 6種類の〇〇の視線というタイトルでカテゴリー分け。正直良く分かりませんでしたが、独裁者になったら、試してみたいと思います!!

  • <学生コメント>
    ヒトラーやムッソリーニ・スターリンなどの独裁者たちがどのようにして独裁者となったのか。デザインという新しい切り口から紹介する作品。

  •  なるほど、独裁者のプロパガンダの手法をここまであぶり出した本はないだろうな。グラフィックデザイナーである著者の視点が面白い。
     この本も図書館の新着コーナーに配架されていたものを手に取った。
     現在ではSNSで情報が得られる時代、ただしフェイクもある、いつの時代でも国が発信する情報をどう捉えるかは受け取る側の感性と知性に頼るしかないのだろう。
     感性と知性、でも、これほど脆弱なものはない。自分の生活に余裕がないのであれば足元を固めるための自国ファースト、ナショナリズムに進むしかない。
     とにかく、為政者は自分の権力とその維持のため、為政者が発信する情報は操作されているることを前提に、我々は受け取ることが必要だ。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

松田行正
本のデザインを中心としたグラフィック・デザイナー。自称デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37 回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。著書に、『デザインってなんだろ?』(紀伊國屋書店)、『デザインの作法』(平凡社)、『にほん的』(河出書房新社)、『独裁者のデザイン』(河出文庫)、『眼の冒険』『線の冒険』(ちくま文庫)、『RED』『HATE !』『急がば廻れ』『デザイン偉人伝』『アート& デザイン表現史』『戦争とデザイン』『宗教とデザイン』(左右社)などがある。

「2023年 『グラフィック・ビートルズ(3,600円+税、牛若丸・Book&Design)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松田行正の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×