木村伊兵衛の眼(レンズ) (コロナ・ブックス)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 129
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582634280

感想・レビュー・書評

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  • 木村伊兵衛。
    私は名前も知らなかったけど、ここで知ることができて良かった。
    そして、そこに写る泉鏡花や永井荷風、志賀直哉。
    彼らをきちんと写真で見るのは初めてかもしれない。
    一気にイメージがリアルになった。

  • 写真の撮り方の本

  • Camera

  • 木村伊兵衛さんのお写真、実はそこまで関心がなかったのですが、この本を読んで見方が変わるました。

    そっか。決定的瞬間と決定的瞬間の間のショットなんだ。
    間の美学ってなんだろうと考えを深めたくなりました。

  • 作品しか見たことのなかった
    木村伊兵衛氏の人間味あふれる
    ユーモラスで厳しい人となりに
    近づけたような読後感。

    研究し、研究し、得た技術を
    訊かれることをよしとしなかった。
    どんなに親しい人にも、そこは
    譲らなかった。
    一流の人は、やはり人なみはずれた努力を重ね、
    孤高であるのだな、と。
    当たり前のことを、当たり前のように
    感動し、改めて作品を眺めた。

  • 木村伊兵衛という写真家のことはお聞きになったことがあろうかと思います。
    土門拳と並び称される日本写真家の大家、双璧です。
    ある時、彼は女優高峰秀子の写真を撮るため、宅を訪れました。
    その時のいきさつを彼女はこう書いています。
    「約束の時間ぴったりに玄関のチャイムが鳴って、私が出てゆくと、
    ドアの外に木村さんがポツンと一人立っていた。」
    「とにかくフラリと家に入っていきたのは
    カメラを持たぬ背広姿の木村さんだけだった。
    私は黒無地の結城の着物で、顔もふだん着のスッピンだった。」
    木村氏の聞き取りにくい話に相槌をうっていたら、
    「と、木村氏の右手がソロリと上衣のポケットに手を入れたと思ったら、
    その手に吊り上げられるようにしてライカが現れた。」
    彼女はあわてて、身繕いなどなど問うと
    「なんにもしなくていいです。そこに自然にいてくれればいいです。」
    「撮影は三十分足らずで終わり、木村さんはぬるくなったお茶を
    スーと喉に流し込むと、『お邪魔しましたね、じゃ、ごめんください』
    と、ふらりと玄関を出て行ったのである。
    後日、「アサヒグラフ」に掲載された自分の写真を見て、彼女は
    「木村伊兵衛、こういう人を『女蕩(たら)し』というのだな、
    と、私はおもった。」
    粋ですね~、この時ばかりは、私も「女蕩し」になりたいと思った。

  • 居合術のように。。。

    特別な場面なら誰でも良い写真を撮れるが、「ふつう」の日常を切り取って誰の眼にも良い写真と映る作品を撮るのは難しいと思う。彼は身体の一部のようにライカを使って、まるで「居合術」のようにスナップショットを撮ったそうだ。

  • 2013/6/8読了。木村伊兵衛の写業を振り返るコンパクトな写真集。ゆかりの人々が寄せるコラムが面白い。中でも高峰秀子のポートレート撮影時の思い出話に唸った。
    カメラバッグとか持ってこない。助手とかも連れてこない。背広のポケットから取り出したライカで、薄暗い部屋でフラッシュも焚かずにすっぴんの女優を三十分だけ写して、お茶を飲んで帰る。後に本人に「私とは似ても似つかぬ美女」と言わしめる一枚を得る。
    写真そのものはもちろん、こうしたエピソードを多くの人に語らせる人柄にも主な業績があったのではないかと思わせるほどだ。

  • 木村伊兵衛、生涯最後の撮影となった上野・寛永寺の桜が撮られたのは、偶然にも僕の誕生日だった。満開の桜の下で遊ぶ子供たちの平和で穏やかな光景。こんな日にこの世界に僕は生まれてきたのだなと思うと感慨ひとしお。あらためて写真っていいなって思った。

  • 「ふつうのなかにいちばん大切なことがある。」
    生活を写真にとっている感覚。
    自分の目線でそこに広がっている印象を受ける。

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