- Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582634341
作品紹介・あらすじ
終生山陰の地に留まり、砂丘を舞台に数々の名作を生み出した世界的写真家・植田正治。「写真すること」に幸せを感じ、ひとりの「アマチュア」として撮り続けた、その自由自在な人生と作品-。
感想・レビュー・書評
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植田正治の写真と、植田正治の身近にいた人・関わりがあった人による植田正治回顧録、のような。
とっても作為的な写真なのだけど、嫌らしくない。愛が満ち溢れている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
陳腐な表現ではあるが、
懐かしいのに、新しい。
昭和の日本人が、オブジェのようにならんだ
モノクロの世界は、
懐かしいのに、見たことのないクールな世界。
晩年、ファッション誌に掲載された
砂丘、モノクロの写真は、
古くならない、新鮮なかっこよさ。
本物のすごさを愉しめる一冊。 -
植田正治について、アマチュア写真家としての生涯がまとめられている。
巻末には写真集・図録・著作の情報が画像付きで載っており参考になった。
収録されている写真の中には、以前見た写真集にないものもあり新鮮だった。
あの時は合成やオブジェ写真をこき下ろしてしまったが、氏の自宅写真を見ると持ち物のセンスはかなり洗練されていて感心した。
フクロウグッズが多い気がするけど好きなのかな。
晩年のファッション写真では氏の持ち味「植田調」が如何なく発揮され、ここで初めて見た自分はしばらく見とれてしまった。
新しく面白いものを追求した結果だというが、こんなに独創的でハイセンスな写真を撮り続けていたのに、ずっと自信(確信?)なく活動していたなんて意外だ。
植田に対して、関係人のコラムが十名程度載っている。
一番参考になったのはやはり息子の亨氏の証言だった。
後に載っている植田本人の対談を読むと全く言葉通りで、父をよく見、理解しているんだなと絆を感じた。
第三者として荒木経惟はラフな語り口だが一番面白く、作品の分析も的を射ており共感した。
なぜか草森紳一だけやたらと長い。一人だけ10ページも使って、いかに氏の写真が"はかない"か綴っている。
植田に対して有用な情報もなく、本当に個人的な感想で無駄に水増ししている内容だったため不快になった。
あれがなければ★5の満足度であった。
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「写真する」シュルレアリスト植田正治を様々な視点から紐解く一冊。気になるワードが至る所に散りばめられている。
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東京の垢にまみれず、戦前〜戦後にかけて始終出雲・鳥取に根をかまえ、”呑気”に撮り続ける純粋な写真家。
多角的にその人物像を読み解く。 -
懐かしいけど新しくて、どこか少しニヤニヤしちゃう植田さんの写真が大好きです。『写真、楽し〜っ』って声が聞こえてきそう。
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参考になる言葉が散らばっていた。
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「砂丘」を舞台としたスタイリッシュでユーモラスな作品の数々。そして山陰の地に留まり、「アマチュア」として撮り続けた、その自在な生き方。初公開の自宅や家族の証言と共に、稀有の写真家の魅力を伝える。
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とても良い。この人の写真は引き込まれる。
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「写真する」ということが一番の趣味という、生涯アマチュア写真家であり続けた植田正治。
旅行に行っても、そこでは決して写真を撮らずに、むしろ早く山陰へ帰りたくなるという愛郷心。気取ってなくて、それでもどこかお洒落でシュールで、カッコイイ。「ふわっと前に行って撮っただけです」という口癖もいい。
砂丘に対する印象が変わった。
そして、この土地が、また少し好きになった。
心筋梗塞を起こしていても「ニトログリセリンの錠剤を粋な革ジャンの内ポケットに」入れて、颯爽と撮影した植田正治の面影を探しに、もう一度、鳥取砂丘へ行ってみよう。