スロ-・イズ・ビュ-ティフル: 遅さとしての文化

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 244
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582702330

作品紹介・あらすじ

スピードに象徴され、環境を破壊しつづける現代社会は、誰にとっても生きにくい。それとは異なるライフ・スタイルを求めて、さまざまな場所で模索し、考える人々の言葉に耳を澄ます。「遅さ」という大切なものを再発見するユニークな試み。

感想・レビュー・書評

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  • 都会のど真ん中で高い家賃と生活水準にしがみつくように働くより、静かなところでゆったり過ごすことを求めるようになった自分の考え方の変遷に合うような一冊でとても気持ちよく読めました。本の大きさも手にすっぽり収まるサイズで、持ち歩いて読みたくなるように考えられていたのかも。焦らずに、歩みを止めずに進んでいけるといいなとか思いました。

  • 文化人類学者であり環境保護活動家でもある、辻信一さんの生きかた見直し本。

    環境守ろう!節約しよう!
    ではなく、スピードと効率を求める中で失ったものを、仕事、食、住居、余暇などを通して見ていきます。
    人がもともと送っていた、スローで豊かな暮らしを見直しませんか?と呼びかける本。
    15年近く経ってますが、新鮮です。

    ぼくなんかは、豊かな読書ってなんだろうな、ってことを考えました。
    読んで記事あげるのが目的になったらダメだよなぁ。

  • 将来のために今を犠牲にするのは馬鹿げている。今さえ良ければそれでいい、という刹那主義ではない。現代は準備社会。常に将来のために準備している。

    歴史的に見ると、かつて生産力を力ずくで奪った支配者が、生産者に労働の尊厳という道徳を押し付けた。その結果、一所懸命働くことは尊いこと、となった。

    スローフード協会=イタリアのブラ。食を楽しむ
    世界のへそ=中心
    ホルモン剤の影響か?成長が早い。巨乳。サケが6倍で成長するフランケンサーモン

    全粒穀物、旬の土地の野菜、自然海塩、海草、の4つがあれば生きていける。

    長野県駒ヶ根 ダグラスのデモハウス。

    オーストラリア南部の空とぶ豚。藁の家。ストローベイルハウス。

    クリアベール。
    ぜんまいラジオ。

    パラリンピックは健常者社会の競走主義的な価値観がある。ほとんどは中途障害者。

    ロサンゼルスは1920年代まで、有数の通勤電車のある街だった。それを自動車会社が買収し不便なものにして、廃止した。アメリカ中で鉄道や路面電車を買収した。

  • 「ゆっくり」は美しい。

    なんで私たちはこんなに急いで生きているんだろう。
    誰に決められたことなんだろう
    ゆっくり生きちゃいけないの?

    環境を守る生き方
    それは自分を守る生き方でもある
    様々な視点から、様々な人を訪ねながらスローライフを模索し、読む人に問いかける。

    Slow is Beautiful
    もっとゆっくり、今を。

  • 東京にもどるといつもこの本を思う。
    社会のスピード、地球のスピード、人生のスピード。
    流されて流されて
    でも大切なことはちゃんと心に止めておきたい。
    自分の単純な生活に自信がなくなったら是非この本を。

  • 文化人類学者による身体論というよりも、現代社会の主流と違った価値観の提示

    文化や環境といったものに対する価値観が揺さぶられ、心地よい混乱を味わえる。
    読んでみたい本がまたまたたくさん増える。

  • ファッションとはかなり縁遠い世界を生きてきたが、2~3ヶ月に一度程度ふと思いついた時にスマホでVOGUE Japanを読むことがある。かなりの確率で興味深い記事に遭遇する。
    今回、2024年3月8日付の『ただゆっくり暮らすだけ。せっかちな人と地球のための一冊』という記事に出会った。その記事で紹介されている「スロー・イズ・ビューティフル」とい本をさっそく予約し、読んでみた。
     ネタバレとなるのでこちらには記載しないが、日ごろ疑問に感じていることを鋭く、でも分かり易く記述している。
     多くの方に手に取って頂きたい一冊。

  • 環境危機の世界を救う方法。スローダウン。減速すること。ゆっくり歩くと道端の花の香りを嗅ぐことができる。生活のペースを落と忘れていた自分のカラダを感じ始める。ゆっくりやるということはハイテク機器に必要な大量のエネルギーを消費せずに済ませること。スローに進めればたくさんの失敗ややり直しもなくなる。ところでハイテク機器が約束してくれたはずの時間はみんなどこに行ってしまったのか?大急ぎで生きることは命のムダ使い。我々は将来の準備に忙しくて、今を犠牲にし続けてきた。そろそろ今を犠牲にするのはやめよう。

  • 今の私は仕事を週3にして、ゆったりすごせている。成長を強いるお金と切り離した生活にこそ豊かさを感じることが多くなった。そんなタイミングだから共感するところが多く、もっと「暮らし」に向き合いたいと思わされた。

    ・私たちがゆったりとした生き方をしていたのなら、「世界を危機から救え」と私たちが言う、その「危機」なんてそもそも起こらずにすんでいたのじゃないか。
    ・現代社会は「準備社会」だ。そこでは、人々がいつも将来のための準備に忙しい。
    ・環境危機とは、ふたつの相違なる時間軸のぶつかり合いだと解釈できる。ひとつは近代的な時間、もうひとつは生命や地球を司る時間。
    ・我々現代人は、自然のペースがあまりにもスローなので、我慢できないと、生き物に産業のペースを押しつける。
    ・疲れとは、最も自然で、力強く、高貴な感覚だ。
    ・動物においては、エネルギーを使えば使うほど時間が速く進む。つまりネズミではエネルギーをたくさん使い、時間が速い。一方ゾウでは時間はゆっくり進む。我々現代人はますます膨大なエネルギーを消費して時間の速度を速めているのだ。
    ・人の身の丈にふさわしいスピードやペースがあるように、文化にはそれにふさわしい遅さがある。
    ・愛とは、遅さそのものが本質。

  • ☆☆☆2019年11月☆☆☆


    図書館で借りた本なので、手元にないが
    素晴らしい本だった。
    「スロー」に生きたい、心からそう思う。

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著者プロフィール

福岡女子大学国際文理学部教授

「2024年 『捕鯨史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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