思想のドラマトゥルギー (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 296
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582760026

作品紹介・あらすじ

ヨーロッパ精神史研究の大先達、つねにアクチュアルな思想家=レトリシアン、次々新しくスタートラインを引き直す方法的アマチュア…。よき対話者を得て自在に語り出されたの形成・遍歴・方法。

感想・レビュー・書評

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  • 実践:自分でも、手書きで格言ノートをつくるか?

  • サイズがでかい。
    それが不満。
    平凡社の本は意外と面白い本があるんだけど
    文庫(?)サイズなのにデカすぎる。
    河出文庫あたりがだしてくれたら星5だな。

  • 外交官の家庭で少年時代を欧米で過ごした林、京大哲学左派として戦前に治安維持法で投獄された久野。両者を単純に「左翼」で括れない。同じく終戦まで投獄されて子女もそれぞれ左翼活動の羽仁五郎(死に先んじたスターリン批判により日本共産党と決別の栄誉ももつ)のアジテーション講演が盛況となる左翼への期待(資本主義への不満)が60年安保に沸騰した余韻が残っていた時代。当時、林が大学の講義で「羽仁五郎について」と言うと学生は耳をそばだてた、「雀百まで踊り忘れず」「馬鹿の一つ覚え」「だがこれは褒め言葉なんだ」五郎は聞いて欣喜

  • 【由来】
    ・読書猿

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 著者:林 達夫[はやし・たつお]
    著者:久野 収[くの・おさむ]
    解説:池澤 夏樹[いけざわ・なつき]

    【版元】
    価格:1,437円+税
    出版年月日:1993/06/01
    ISBN:9784582760026
    版型:B6変
    http://www.heibonsha.co.jp/smp/book/b160193.html

    【目次】
    書物のはじめに――ヨーロッパ研究の先達、林達夫について(一九七四年十月 久野収) [005-009]
    目次 [011-013]

    一 「洋学事始め」――ひとつのヴァリアンテ 015
      林達夫精神史の学風
      エピキュリアンのめばえ――福井師範付属小学校時代 
      ‎英語日記をつける――京都第一中学校時代
      ‎精神の放蕩――第一高等学校代
      ‎今様歌舞伎細見
      ‎セルフ・ガヴァメント――森外三郎さんのこと
      ‎深田康算先生の個人授業
      ‎思想的ドラマの演出――穴埋め仕事
      ‎パトスとロゴスの弁証――波多野精一先生の影響

    二 わが遍歴時代 061
      大学での初講義――宗教学とフランス哲学
      ‎西洋書誌学の講義
      ‎ナチュラル・ヒストリーの重要性
      ‎文章の学校「オベリスク」
      ‎歌のわかれ「歌舞伎劇に関するあの考察」
      ‎和辻哲郎『尊皇思想とその伝統』
      「演劇青年」和辻哲郎 
      中学生にもわかる『方法叙説』
      「ブルジョア文献」の巧みな利用
      「ヘーゲル読みのヘーゲル知らず」

    三 精神史のポリフォニー的発想 108
      革命前後のロシア芸術
      モンマルトルにおける知識人の交流
      大密林と大岩石の都=ヴェネチア
      ラスキン『ストーンズ・オヴ・ヴェニス』
      西洋研究の方法叙説『イタリア紀行』
      無表情の名文家=カッシーラ
      プラトンにまつわる村山槐多の思い出

    四 わが学問の前哨基地 150
      上田敏さんに憧れる
      テレビ映画『レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯』
      発見されたレオナルドの「ミラノ手記」
      近代の原点=アトリエ・アカデミー・マニュファクチュア
      ルネサンス期の雰囲気をつかむヴァザーリ
      シャルル・ド・トルネーのミケランジェロ研究
      羽仁五郎『ミケルアンヂェロ』のもつダブル・イメージ
      ブルクハルトの奏でる通奏低音「自由の擁護」
      下村寅太郎の科学史的思想史研究

    五 聖フランチェスコ周辺 186
      学生時代の聖フランシス・ブーム
      大震災被災の中でフランチェスコを読む
      キリスト教民話に流れるフランチェスコ精神
      トルバドールとジョングルール

    六 われらが交遊録 211
      西洋かぶれの「かぶき者」
      “藤むら”の饅頭――田辺元のこと
      岩波茂雄氏との“二枚舌”論争
      ヴィーコとの出会い・原勝郎さんとの出会い
      演説類型学――数珠つなぎ型と懸河型
      志賀直哉を知らぬ現代学生
      ものを書かなくした沈黙の壁
      『世界』の運命をきめた鶴の二声

    七 五百年目のマキアヴェリ 254
      “愛する神は細部に宿り給う”
      ラス・カサス『西インド地域の劫掠についての簡潔な報告』
      マキアヴェリ――政治におけるレトリシャン
      聖者型政治家とボス型政治家の解離
      左翼体験――「ソヴィートの友の会」
      左翼体験――「唯物論研究会」
      左翼体験――「内外社」

    八 平衡感覚としての「俗」 288
      和讃? フーガ?
      作家に必要な三つのチセイ
      “あなたも俗ね”
      平衡感覚としての「俗」
      笑いのある芸術、その最初にして最後なる民話劇

    九 顔のない今日の世界――グロテスクについて 316
      ジャンルの侵犯――悲喜劇の成立
      グロテスク――現代世界の特徴
      ビジネスとしての政治、ビジネスとしての犯罪
      口誦コミュニケーション
      世界を変えるカタコト・コミュニケーション
      人間に課された機械との共棲

    十 演劇変相之図――現代演劇の位相 344
      演劇のネオ・バロック時代
      大道芸の伝統とその重要性
      現代演劇を解く鍵=メイエルホリド、ピスカートル、ブレヒト
      わが愛誦のブレヒトの詩
      表現主義と社会主義リアリズム
      インターナショナルなマイム言語
      翻訳とは裏切りなり

    十一 世界把握のキイ・メタファーとしてのドラマ 379
      ドラマとしての哲学
      うそからでたまこと『聖ジュネ』
      世界は舞台……、人はみな役者

    十二 教養派? 鍛錬派? 395
      自らに課した肉体の鍛練
      名誉回復のための精神の鍛練
      遅れてきた青年の思想と文芸への開眼
      第一高等学校におけるアゴラ

    十三 レトリック・イン・アクション 421
      説得術としてのレトリック
      西洋思想史におけるレトリック
      レトリックとディアロゴス
      教育としての「対話」
      「術」から「学」へ
      アゴラと法廷が生んだレトリック

    十四 わがヨーロッパ研修旅行 450
      レキシコグラファーの必要
      エリカの花
      民際コミュニケーションの発達
      民際コミュニケーションを支える観光ガイド
      コルドバ――宗教の三つ巴の地
      地中海文化の基礎――レバノン・シーダー

    増補 クラルテからアンビギュイテへ 486
      大塚金之助型秀才と河野與一型秀才
      「明晰かつ判明」とは……
      アンビギュイテの起源はエラスムス
      各国ヘーゲル研究模様
      「一億総白痴化」と「一億総聡明化」

    あとがき(一九七四年十一月一日 林達夫) [517-519]
    解説――陽気な哲学者(池澤夏樹) [520-526]
    作品名索引 [528-538]
    人名索引 [539-552]

  • 自由闊達。

  • 336夜

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