ミミズと土 (平凡社ライブラリー)

制作 : Charles Darwin  渡辺 弘之 
  • 平凡社
3.75
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本棚登録 : 105
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582760569

作品紹介・あらすじ

土壌を改良し、景観をかたちづくるミミズの働き・生態を初めて明らかにしたダーウィンの古典的名著。

感想・レビュー・書評

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  • 愛は感じる。

    ミミズに対する愛は感じる。
    だけど、素晴らしく読みにくい。
    愛が溢れすぎてもう読者のことは一切無視。
    こっちは悪いけれどそこまでミミズ好きじゃないのね。
    ただ、「チャールズ・ダーウィン」という名前で、ブランドで読んじゃってるのね。
    読み方が悪いのはわかってる。
    どちらかと言えば私の方に非があるの。

    でもね。
    でもね。

    やっぱりどうしてもつまんない。

    ごめんなさいね、チャールズ・ダーウィン。

    • barworldさん
      確かに愛が溢れまくってますね。よくもまあこれだけ手を変え品を変え...
      子供の写真入り年賀状が今年もまた届きましたみたいな感じ。
      書いてある...
      確かに愛が溢れまくってますね。よくもまあこれだけ手を変え品を変え...
      子供の写真入り年賀状が今年もまた届きましたみたいな感じ。
      書いてある発見の数々より本人に驚き。
      2010/04/30
  •  進化論で知られるダーウィンの遺作で,表面上は「ミミズの生態の研究」.しかし,背後に潜むテーマはたいへん深い.

     ミミズのような,我々が普段とるに足らないと考えているようなもの(生物)の働きでも,数万〜数百万年といったスケールで作用し続けると,想像を絶する結果をもたらす.例えば,古代の遺跡を地中深くに沈めてしまい,丘陵を平坦な地形にならして景観をも変えてしまう.

     我々は,ミミズたちの何万年にも及ぶ働きによって形成された大地の上に住んでいるというわけなのだが,そのことに全く気がつかない.あるいは,想像すらしない.我々人間にとって,長大な時間スケールでの物事の成り行きを考えることが,いかに難しいことであるかを暗に指摘している.なにしろ,自然選択説やこの「ミミズと土」の真のテーマの価値が,未だ多くの人に理解されていないのだから・・.

     本の内容は詳細・多岐に渡っており,個々のトピックも面白いが,全体像がつかみにくい.そこで,巻末の解説(スティーブン・J・グールドによる)から読んでみるのがお奨め.

  • ダーウィンがミミズに関して書いているなんて知らなかったけど、これがダーウィンが亡くなる1年前に出版された最後の著作、すなわち集大成の書物であるという。

    主題はミミズがつくる「土」についてである。

    ミミズ1匹1匹は小さきものなれど、寄り集まって1エーカー(0.4ha)あたり1年に10トンもの「肥沃土」を作り出す、という。

    いわゆる肥沃土というのはミミズの排泄物なのであり、ミミズがその土を何度も何度も体を通過させることによって、イギリスのいい土の大半を作り出しているくらいの勢いなのである。

    しかしさすがダーウィン。ミミズと土についての細密を極めた観察と実験と考察には目を瞠る。なるほど天才というのは天才的なひらめきだけではなくて、こういう地道な毎日の積み重ねの産物なのね、と唸りたくなる内容なのであった。

  • 欲しくて親父にもらった本

    小さな変化が膨大な時間をかけて、壮大な変化を遂げる、これは、進化論など、ダーウィンの関心の全てに通じる光景

    ミミズが、土をのみ、排泄し、を何十年も何百年も繰り返すことで、岩だらけの土地が、平らな草原へと変わっていく、岩が、古代の遺跡が、土の中に沈んでいく

    そして、肥沃な土地が表れる

    これは、一つの生き物が成し遂げることの出来る極北であって、風や海や川や地震にもならべられる仕事を、数センチの生き物が成し遂げる、という美し過ぎる光景

    そしてそれを数十年を超えて観察する、というこれまた1人の人間に出来る事の極北のような仕事

    フールオンザヒルが聞こえるぜ

  • ダーウィンの亡くなる1年前に出版された,彼の最後の書である.40年にわたるミミズの研究は一般にはまったく知られていない.彼のきめ細かく丁寧な実験や,発掘調査には読み進めながら固唾を呑む思いがする.

    ほんの小さなミミズが長い年月で土壌へ多大な影響を与える結論は,ほんの小さな変化の積み重ねが生物界を変えていく進化論にもつながる.

    巻末のグールドの解説もすばらしい.

  • 「進化論」で、その名を知らない人はいない、チャールズ・ダーウィンが、生涯の最後にまとめた一冊です。

    テーマはミミズの生態と、それが土壌浸食に及ぼす影響。

    なんでこのテーマ?と思いますが、読んでみると非常に緻密な実験と、野外での果てしなく根気のいると思われる観察結果がまとめられております。
    自然科学の基礎の基礎を、ダーウィンほどの人物がこの年齢まで行っていた、という事実に脱帽させられます。

    また些細なことに思えても、それが我々人類、エンジニアの世界にとっても大きな影響を及ぼすという事実を定量的に示しております。

    読みやすい内容ではありませんが、「科学の基礎」というものを実感させられます。
    そして、ミミズを大切にしようと思いました。

  • カテゴリー的に,関連するテーマの本ですが『進化論』よりもおもしろかったです。ミミズというミクロな生き物が,何年もかけてマクロな土壌を変えていくさまを,何年間もかけてダーウィンが綿密に調べたことを詳細すぎるぐらいに説明しています。
    これを読んだら知能をもっている(であろう)ミミズを踏みつけないように,注意しながら歩いてしまう感じになりそうです。
    ダーウィン最後の著作ということで,本書の最後にグールドが書いているように,ダーウィンが『種の起原』執筆以前から考えてきたことが,最後に全体を凝縮した形でミミズに全てをこめて書き上げた本だということがひしひしと伝わってきます。

  • 内容(「MARC」データベースより)
    ミミズによる土壌の侵食をていねいに観察し、ミミズが土を耕耘・改良に大きな役割を果たしてくれていることを客観的に、量的に実証する。生態学の古典的名著、偉大なダーウィンの最後の著作。

  • ダーウィンの最後の著作。
    石を砕き草を運び肉をかじり土を飲み込んで地面を耕していく、ミミズたちのささやかで壮大な営みの話。
    無駄なく土掘りに特化された体の説明をみると、気色悪かったミミズが美しく見えてくるから不思議だ。

    なんかいいなあ。
    観察して見つけたことを延々と書き連ねてあるだけ(に見える)んだけど、それが炎天下の道に座り込んで夢中でアリをみつめる夏休みの子供みたいに真っすぐな熱意で気持ちいい。
    それでいて実は計算された構成なのが心憎い。
    順番に読んでいったものを最後にさかのぼるまとめで、「あ、これ、そういえば主題があったんだ」と思い出す。

    「道理」とか「ルール」とか「基準」とか、なんという言葉で表せばいいのかよくわからないんだけど、ものさしがちゃんとある。
    自分の正しさを持ってる。それを自分の中だけに収めずに、筋が通っているかどうかを確かめて、順々に道理を説いて、伝えようとしてる。それがいい。

    改行を多用しない昔風の段組がよく似合ういい文章。
    気持ちよく読めた。

  • ミミズのことなどどうでもいい、という生き方もあります。けれどもミミズがすこし気になる、という人生もあります。ミミズを気にかける人は、とるにたらないことのなかから、神秘をさぐる感性を秘めているのです。

    本書はダーウィン畢生の大作です。弘之の訳もこなれています。観察をくりかえし、事実の集積に努め、推論を深める、という科学者らしいプロセスがよく伝わってきます。けれんみなどありません。読者へのサービスもありません。淡々と叙述するその姿勢に波長をあわせ、過去からの問いかけを静かにうけとめるのが、この本の味わい方だといえます。

    本文に退屈を感じるのであれば、スティーヴンの解説から読むのもいいでしょう。ダーウィンと真剣に格闘してきた人の矜持を感じてください。ミミズについて学ぶというよりも、ミミズがダーウィンの遺作としてふさわしいものであったことの含蓄を、想像力を駆使して味わいましょう。

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著者プロフィール

チャールズ・ロバート・ダーウィン(Charles Robert Darwin)
1809年2月12日 - 1882年4月19日
イギリスの自然科学者。ビーグル号による航海で訪れたガラパゴス諸島での観察に着想を得て「自然淘汰」による進化論を提唱。代表作は、『種の起源』、『ビーグル号航海記』、および『人間の由来』。

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