精神現象学下 (平凡社ライブラリー)

制作 : Georg Wilhelm Friedrich Hegel  樫山 欽四郎 
  • 平凡社
3.24
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本棚登録 : 166
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582762068

作品紹介・あらすじ

現代哲学の源流と言われるヘーゲルによる哲学史上最もすぐれた作品の一つ。人間の意識の展開が、同時に人類の歴史というかたちで叙述される。意識、自己意識、理性、精神、宗教、絶対知という過程を辿る思索と洞察の書。

感想・レビュー・書評

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  • 『精神現象学』のうち、精神、宗教、絶対知の各部を収める。理性にまで達した人間の意識は、それからも遍歴を続ける。精神においては、人倫、教養、道徳が問題とされる。しかし道徳に至ってなお、精神と対象の分裂が終わったわけではない。そこで宗教へと精神は展開されるが、そこでもまた分裂は終わらない。最終的に、意識ないし精神と対象との和解がもたらされるのは、絶対知すなわち学の境地においてであるとされる。人類の知の展開と自己の意識の展開とをパラレルなものとして把握しながら、自己の知を歴史のもとに把握する、というのは卑俗な概括かもしれないが、ヘーゲルの目指した学の何たるかを理解しようとするのであれば、この書は非常な重要性を持っているだろう。

  • 再読。
    しかしヘーゲルは苦手である。何度読んでもやっぱり苦手だなと思った。
    西洋哲学史上最も重要な代表作の一つとして尊重されている本書、最初の方は、「どうしてわざわざここでこんな概念を持ち出さなくちゃならないんだろう」と腑に落ちないながらも、まあ、すこぶる複雑な論理に知的興味を惹き付けられないでもなかった。しかし、ヘーゲルの言う「精神」は実体化し、いつのまにか共同体や果ては「国家」をも支える原理となってしまう。このへん、ルソーの「一般意志」とも共通点があるのかもしれないが、それと同様に危険な思想でもある。本書を読んでいると、あの「エーテル」というヘンテコな(誤った)当時の科学的常識が思い出される。
    最後の方は、人類の宗教(インド、エジプト、ギリシャ、キリスト教)を発展史的に解読してゆくのだが、ここではあの「歴史哲学」の西洋至上主義的傲慢さが顔を覗かせる。このくだりはかなり恣意的なのではないかという気がした。
    苦手とはいえ、ヘーゲルくんはあくまでも西洋哲学の巨人なのだし、本当はもっと違った読解が可能なのだろう。今回の再読でもまた、私はその「真の価値」をとらえることができなかった。
    いつかまた読み返して、あっと思い至ることができるだろうか?

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)3
    宗教・哲学についての知識で、人間の本質を探究する
    …弁証法…努力して真理をつかんだと思っても、その限界が直ちに明らかになる。…ヘーゲル哲学の魅力が本書に凝縮されている。

  • 読み通すだけで一年三ヶ月かかった。
    キリストの死と再生と三位一体、ギリシャ悲劇「アンティゴネー」の解読(というのか?)などまで飲み込んでしまう破格の展開にびっくり。

  • さすがヘーゲルだ。

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著者プロフィール

(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)
1770年、南ドイツのシュトゥットガルトで生まれ、テュービンゲンの神学校で哲学と神学を学んだのち、イエナ大学講師、ハイデルベルク大学教授、ベルリン大学教授となる。発表した本は6点、翻訳『カル親書』(1798年)、小著『差異論文』(1801年)、主著『精神現象学』(1807年)、大著『論理学』(1812–16年)、教科書『エンチクロペディー』(1817年、1827年、1830年)、教科書『法哲学綱要』(1821年)である。1831年にコレラで急死。その後、全18巻のベルリン版『ヘーゲル全集』(1832–45年)が出版される。前半は著作集で、後半は歴史・芸術・宗教・哲学の講義録である。大学での講義を通して「学問の体系」を構築し、ドイツ観念論の頂点に立って西洋の哲学を完成した。

「2017年 『美学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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