精神現象学下 (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582762068

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    しかしヘーゲルは苦手である。何度読んでもやっぱり苦手だなと思った。
    西洋哲学史上最も重要な代表作の一つとして尊重されている本書、最初の方は、「どうしてわざわざここでこんな概念を持ち出さなくちゃならないんだろう」と腑に落ちないながらも、まあ、すこぶる複雑な論理に知的興味を惹き付けられないでもなかった。しかし、ヘーゲルの言う「精神」は実体化し、いつのまにか共同体や果ては「国家」をも支える原理となってしまう。このへん、ルソーの「一般意志」とも共通点があるのかもしれないが、それと同様に危険な思想でもある。本書を読んでいると、あの「エーテル」というヘンテコな(誤った)当時の科学的常識が思い出される。
    最後の方は、人類の宗教(インド、エジプト、ギリシャ、キリスト教)を発展史的に解読してゆくのだが、ここではあの「歴史哲学」の西洋至上主義的傲慢さが顔を覗かせる。このくだりはかなり恣意的なのではないかという気がした。
    苦手とはいえ、ヘーゲルくんはあくまでも西洋哲学の巨人なのだし、本当はもっと違った読解が可能なのだろう。今回の再読でもまた、私はその「真の価値」をとらえることができなかった。
    いつかまた読み返して、あっと思い至ることができるだろうか?

  • さすがヘーゲルだ。

著者プロフィール

(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)
1770年、南ドイツのシュトゥットガルトで生まれ、テュービンゲンの神学校で哲学と神学を学んだのち、イエナ大学講師、ハイデルベルク大学教授、ベルリン大学教授となる。発表した本は6点、翻訳『カル親書』(1798年)、小著『差異論文』(1801年)、主著『精神現象学』(1807年)、大著『論理学』(1812–16年)、教科書『エンチクロペディー』(1817年、1827年、1830年)、教科書『法哲学綱要』(1821年)である。1831年にコレラで急死。その後、全18巻のベルリン版『ヘーゲル全集』(1832–45年)が出版される。前半は著作集で、後半は歴史・芸術・宗教・哲学の講義録である。大学での講義を通して「学問の体系」を構築し、ドイツ観念論の頂点に立って西洋の哲学を完成した。

「2017年 『美学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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