音楽社会学序説 (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582762921

感想・レビュー・書評

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  • 本が行方不明になった。

  • アドルノの著作については、『マーラー音楽観相学』の一部を読んで、その難解さに辟易して以来、敬して近づかぬようにしていたのだが、「音楽社会学」という耳慣れぬ言葉に興味を持って、よせばいいのにこの本を購入してしまった。
    しかし、この本に限っては、相当に訳者の力が大きく与っているらしく、なんとか最後まで読み終えることができた(どれだけ内容を理解しているかというのはまた別の話)。
    音楽が社会からどのような影響を受けているのかということについての考察は、どこにその手がかりを求めるかということから始めなくてはならず、かなり困難な考察になるであろうことは想像に難くない。例えば消費社会との関わりとか、時代精神の反映等々、間口を広げればいくらでも広がるように思う。この著作では、それらの「間口」についてアドルノなりの示唆が示されていると言えようか。
    それにしても、なんと言い回しの難解なことか。「訳者あとがき」によれば、これはどうやらアドルノ自身のドイツ語の記述そのものが難渋であることに由来しているらしい。そんなドイツ語をなんとか読める日本語に訳してくれた訳者に敬意を表したい。

  • 2-2-1 クラシック音楽論

  • アドルノの音楽批評を久々に読んだ。
    この本は1962年のものだが、著者らしい厳格さで芸術音楽(特にシェーンベルク以降のドイツ音楽)を擁護しつつ、ジャズを含めた「軽音楽」や、過ぎ去ったものとしての「オペラ」には容赦ない。
    ムッとする人もいるだろうが、この厳しい軽音楽批判にまともに反論しようとするのは、なかなかむずかしいのではないだろうか。
    現代音楽の動向への観察など、鋭いセンスが光っており、私にはとてもおもしろく読めた。
    ただ、やはり結局はマルクス主義者なんだなと思う。階級とかイデオロギーとか、どうしてもそういう視座の方に戻ってしまう。ドイツ付近の歴代作曲家を各階級で分けて考えるという視点は、初めて読んだけれども、これはやっぱり、時代の限界を感じさせるのではないだろうか。

  • これをきっかけにアドルノにはまった。

  • 新角未

  • 音楽社会学としての、音楽の類型学など収録。

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著者プロフィール

(Theodor W. Adorno)
1903年生まれ。フランクフルトでワイン商を営むユダヤ系の父オスカー・ヴィーゼングルント、歌手でイタリア系の母マリア・アドルノ、その妹で同じく歌手のアガーテのもとで経済的、音楽的に恵まれた幼年期を過ごす。1923年頃からヴァルター・ベンヤミンと親交を結ぶ。1924年フランクフルト大学で哲学博士号を取得。翌年からウィーンでアルバン・ベルクに師事。戦後を知ることなく世を去ったこの二人が哲学と音楽において終生アドルノの導きの糸となる。ナチスに追われ、主としてアメリカで過ごした亡命生活を経て戦後に帰国してからは、フランクフルト大学教授。またそれと並行して本書でも話題に上るクラニヒシュタインの音楽祭に参加し、ピエール・ブーレーズ、カールハインツ・シュトックハウゼン、ジョン・ケージらの作品に触発されつつアクチュアルな音楽批評を展開する。1969年没。主著に『新音楽の哲学』(1949年)、『否定弁証法』(1966年)などがある。

「2018年 『アドルノ音楽論集 幻想曲風に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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