日本の近代化と民衆思想 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582763065

作品紹介・あらすじ

近代の思想史的系譜を探る。幕末から明治期の百姓一揆や新興宗教の史料を博捜し、日本の近代化を追究した画期的労作。

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  • 著者:安丸良夫(1934-2016)

    【書誌情報】
    1,700円+税
    出版年月日:1999/10/01
    ISBN:9784582763065
    版型:B6変 496ページ
    幕末から明治期の新興宗教や百姓一揆の史料をさぐることにより、民衆の生き方と意識の在り方を歴史的にとらえ直す。著者一流の歴史探求から日本の近代化を追究した名著。解説=タカシ・フジタニ
    http://www.heibonsha.co.jp/smp/book/b160497.html

    【目次】
    目次 [005-009]
    題辞 [010]

      第一篇 民衆思想の展開 011
    第一章 日本の近代化と民衆思想 012
    はじめに 012
    一 思想形成をうながすもの 025
    二 荒村の精神状況 035
    三 「心」の哲学の意味 051
    四 「心」の哲学の人間的基礎 064
    五 精神主義の限界 074
    六 変革への立脚点 083

    第二章 民衆道徳とイデオロギー編成 093
    はじめに 093
    一 民衆道徳とイデオロギー支配 099
    二 人民の道徳と人民の秩序 118

    第三章 「世直し」の論理の系譜――丸山教を中心に 141
    はじめに 141
    一 「ミロクの世」観念の伝統 149
    二 富士信仰の発展 156
    三 丸山教の成立 174
    四 丸山教の世直し思想 193
    おわりに 225

      第二篇 民衆闘争の思想 233
    第四章 民衆蜂起の世界像――百姓一揆の思想史的意味その1 234
    はじめに 234
    一 幕藩制的抑圧状況 238
    二 蜂起の意識構造 251
    三 蜂起の意識構造 263
    四 高揚と鬱屈 283

    第五章 民衆蜂起の意識過程――百姓一揆の思想史的意味その2 301
    はじめに 301
    一 “悪”を措定するもの 308
    二 結集様式 339
    三 打ちこわしとオージー 372
    四 あらたな可能意識について 406

    あとがき(一九七四年七月十七日 安丸良夫) [453-463]
    平凡社ライブラリー版 あとがき [464-468]
    解説――オリエンタリズム批判としての民衆史と安丸良夫(タカシ フジタニ/米山リサ 訳) [469-489]
      歴史の主体
      マルクス主義・近代主義・近代化論
      〈自己形成的・自己鍛練的〉主体
      オリエンタリズムを越えて



    【抜き書き】
    ・461-462頁、単行本ver.の「あとがき」より、初出について。

     “本書は、この十年足らずのあいだに書いた民衆思想史関係の論文のなかから、主要なものを選んで編んだものである。
     本書第一章は、『日本史研究』七八・七九号(一九六五年)にのせたもので、私のあたらしい課題への出発点となったものである。第二章は、『歴史学研究』三四一号(一九六八年)にのせたもので、右の論文の補論というほどの気持で書いた。私のはじめの計画では、この二論文を基礎にして、一冊の書きおろしの著作を発表するはずであり、そのために若干の史料も集めたのだが、この計画は実現しなかった。この計画が実現しなかったのは、二、三の個別的事情をべつとすれば、その後、問題関心の焦点がすこしずつ移動したからである。第三章は、ひろた・まさき氏との共同研究で、『日本史研究』八五・八六号(一九六六年)にのせたものである。内容的には、第一篇と第二篇とのつなぎ目にあたるテーマを追求したものといえよう。他人との共同研究の成果を個人の著作のなかに収載することは奇妙なことであるが、とくに許可をえて本書に収めた。ひろた氏の御好意に深謝するとともに、本章にかぎっては今後も二人の共同研究の成果として取りあつかっていただくよう読者に要望する。第四章は、『思想』五八六号(一九七三年)にのせたもの、第五章は、今回はじめて発表するものである。この二つは、下書の段階ではかなり長い一論文だったのであるが、その一部を『思想」編集者の要請にもとづいて、べつに発表したのである。これよりさき、庄司吉之助。林基両氏と私との共編で『民衆運動の思想』(一九七○年、岩波書店)が刊行され、そこに私は「民衆運動の思想」という解説論文を書いたが、これが百姓一揆などの民衆闘争をとりあげた私の最初のまとまった論稿である。本書第二篇は、この解説論文のほぼ前半部分を、史料をあつめなおし、理論的にも考えなおして、あたらしい次元へ発展させようとしたものである。最近、『日本庶民生活史料集成』をはじめとして、一揆関係のすぐれた史料集があいついで刊行されたために、本書第二篇のような分析もようやく可能になったのであり、これら史料集の編者たちや史料の発掘者たちの学恩に感謝している。”

  • 本書の初版は1975年であり65年からの10年間において書かれた民衆思想史関係の論文から主要なものを選び編んだものである。
    黒船来航以前から存在していた民衆の新たな思想、中山みき・出口なお・百姓一揆や困民党の指導者などを踏まえ新たな民衆思想の芽生えと様子を見事に体言化している。
    江戸末期から生まれ始めた新たな民衆思想と民衆生活、社会規範と道徳観念の実態を具体化させた名著だろう

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