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- Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764055
作品紹介・あらすじ
東大新人会時代から社会主義運動に身を投じ、三・一五事件での検挙、入獄、転向。柳田国男、尾崎秀実ら様々な知識人との交流を経、満鉄調査部での仕事と敗戦後の引揚げ活動。激動の時代を自らに忠実に生きようとした、二十世紀知識人の回想記。
感想・レビュー・書評
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戦前から戦中にかけ社会主義運動に携わった人の自伝。
小説ではないので文章はわりに平板だし、社会主義運動に関わる人名が特に説明なく出てきたりして読みやすくはない。が、時代の雰囲気を感じることはできた。人や物を壊したりしなくても、ただ社会主義運動をやっているだけで非合法だった時代。その中で、学生→社会主義活動家→出版社→満鉄→収監→敗戦で引き揚げ、という波乱に富む人生を過ごした著者。
満鉄調査部時代の話が知りたくてこの本を読んだのだが、思ったよりわずかしか書いていなかった。p278~。
・『満鉄資料彙報』の発行
・ハルビンと奉天の図書館(館長は衛藤利夫)を一本化して学術的価値のある蔵書を大連へ、大連図書館の一般図書は小村候記念図書館へ譲って、大連を研究図書館とするプラン。
・ハルビン図書館のアジア文庫。シベリア出兵の際に略奪したもので、帝政ロシア期の中国研究の資料が多かった。
・敗戦直後、一般中国人のソ連に対する感情が良くなかったというくだりで「私たちが苦心して蒐集した東亜の典籍まで北へもっていったのである(p411)」としている。この本はその後どうなったのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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