日本音楽の再発見 (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582764130

作品紹介・あらすじ

日本の伝統音楽の本質はどこにあるのか?日本人にとって、人間にとって、音楽とは何なのか?世界各地のフィールドワークを通して、独自の「民族音楽学」を確立した音楽学者・小泉文夫。かたや、西洋音楽と創造的な格闘を終生続けた、作曲家・団伊玖磨。誰よりも幅広く、そして深く、日本の音楽を思考し続けた二人が、縦横無尽に語り合った「日本音楽」の未来とは。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の音楽教育がいかに西洋中心であり、国際的に見ても異質に変容していると説く対談形式の一冊。
    文化には、それぞれの環境に適した発声法(音節の違い)や、リズム感、そして音楽そのものに対する捉え方の違いが存在する。
    これらを無視して、安易に西洋に追いつき追い越そうとし、日本固有の音楽文化が軽視されている状況に警鐘を鳴らす。
    文学と密接な関係にあった日本の音楽文化を、アジアという括りにおける「内と外」で認識する必要があり、こうした固有文化の再確認が建設的な音楽文化を構築するという論調。

    何故日本でバイエルを教える必要があるのか?
    日本における主流の発声法とは、西洋由来であり、これは「西洋の音楽を歌うため」に適したものである。
    など、固有の文化と輸入文化とのギャップに対する指摘に目から鱗であった。
    音楽文化に興味がある方にお勧めしたい一冊。

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