友よ映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌 増補 (平凡社ライブラリー や 9-2)

著者 :
  • 平凡社
3.81
  • (17)
  • (8)
  • (27)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 150
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582764338

作品紹介・あらすじ

ゴダール、トリュフォー、アンナ・カリーナ、フランソワーズ・ドルレアック…。60年代、『カイエ・デュ・シネマ』誌同人として交友した、「ヌーヴェル・ヴァーグ」の仲間たちの熱気を瑞々しく伝える、映画評論家・山田宏一の代表作。今、なお新しくあり続ける「ヌーヴェル・ヴァーグ」を知るために欠かせない古典的名著。完全版「ヌーヴェル・ヴァーグ年譜」付。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ヌーヴェルヴァーグを縦横無尽に。
    あまり知らない監督や関係者も多く、流してしまった部分もあるが、ヌーヴェルヴァーグ代表格たちの相関が見えて面白い。

  • 遅読ということもあり、基本的に本を一気に読んだりしないのだが、この本は自分の結婚式の前日に暇つぶしに読み始めたら止まらなくなってしまった。さすがに翌日に影響が出る前にはやめたのだが、成り行きで挙式とセットで自分の記憶の中に格納されることになった。
    監督本人たちのインタビューや当時の雑誌の記事なども貴重で素晴らしいのだが、やはり著者自身が直接・間接に関わった人とのちょっとしたエピソードなんかが生々しくてよい。決してヌーヴェルヴァーグの作品そのものを好きでない自分でさえも映画への情熱を持て余した無名の若者たちが映画館で出会い、意気投合し、その情熱をやがて映画製作に昇華し、観客として批評家としてお互いの映画を擁護し合う様子はわがままで青臭いながらも微笑ましい。
    1968年の5月にほとんど何の前触れもなく唐突に彼らとの関係が終わってしまう場面など青春映画そのものであり、胸の苦しさを覚えるほどであった。
    巻末の小西康陽氏の解説も自分語りを含みながら本書の瑞々しい感動をうまく伝えていてとてもよい。

  • あの時代を理解するための必読書の一つでしょう。著者の独特の立場と批評との微妙なバランスを失わず、かつ、戦後フランス映画ファンであれば、誰でも楽しめる本になっています。

  • ヌーヴェルヴァーグのパリに身をおいた著者が、運動の中心となったカイエドゥシネマ誌周辺の監督や映画について、あるいはそもそもヌーヴェルヴァーグがなんだったかについて書いている。と書くととりとめもないようだが、最後の章を読み終えるとやはり一冊の本を読んだなあという感触。ここでは、トリュフォーとゴダールが袂を分かつきっかけとなった、などの形でそれまですこしずつ触れられていた1968年5月(と中止されたカンヌ映画祭)についてジャック・ステルンベールのパンフレットをひきながら語られている。最後の文章が良い。

  • 当時のヌーヴェル・ヴァーグの熱狂の中に著者はいた

  • たぶんずっと本棚にあるだろう本。

  • この本を独り占めはさせじ。

  • たぶん一番好きな本だ

  • 著者がカイエ・デュ・シネマの同人であった時代から親交の深かったヌーヴェル・ヴァーグを代表する面々と過ごした幸福な時間から始まり、1968年5月のカンヌ映画祭で起こった出来事と、それを通じて著者が気が付いた"ある事実"までを、時には記録、時には回顧形式で綴られている一冊。単なるヌーヴェル・ヴァーグについての解説書、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画・映画人に関する副読書などには留まらず、ある一人の映画狂青年の個人的映画体験記とも言える悲喜交々の感情溢れる自伝的小説のようでもあり、この本を読む度にまるで個人的な私映画を見ているような感覚にさせられる。読む行為そのものが映画を見る行為に変わる、いわば幸福な映画的体験である。例えゴダールやトリュフォーの映画を2、3本しか見たことがなく、例えロメールやジャック・リヴェット、ルイ・マルの映画をマトモに見たことがなく、例えクロード・シャブロルやアラン・レネと名前を言われても、ハァ・・・としか答えられない程度の知識しかなくても、本当に映画が好きな人なら楽しめるであろう自信を持って薦められる一冊。

  • ヌーヴェル・ヴァーグの現場を生き生きと描いた書物

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

映画評論家。1938年、ジャカルタ生まれ。
東京外国語大学フランス語学科卒業。1964~67年、パリ在住。その間「カイエ・デュ・シネマ」同人。著書に『増補 友よ映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌 』『増補 トリュフォー、ある映画的人生』(平凡社ライブラリー)、『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』(ワイズ出版)、『フランソワ・トリュフォー映画読本』(平凡社)、『トリュフォーの手紙』(平凡社)、『トリュフォー、最後のインタビュー』(蓮實重彦と共著、平凡社)、『ヒッチコックに進路を取れ』(和田誠と共著、草思社)ほか多数。訳書に『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』(蓮實重彦と共訳、晶文社)ほか多数。近刊に『ハワード・ホークス映画読本』(国書刊行会)。



「2022年 『増補新版 フランソワ・トリュフォーの映画誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田宏一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャン ジュネ
三島由紀夫
蓮實 重彦
ポール・オースタ...
フランツ・カフカ
J.P.サルトル
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×