- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764703
作品紹介・あらすじ
漢字はどのようにして生まれたのか。甲骨文字・金文資料を駆使して、「神話」「呪詛」「戦争」「宗教」「歌舞」などの主題ごとに、漢字のもつ意味を体系的に語る。古代人の思考に深くわけ入り、漢字誕生のプロセスを鮮やかに描出した、白川文学の真骨頂。
感想・レビュー・書評
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漢字研究の碩学、白川静先生の研究成果をまとめた素晴らしい本なのだと思う。
しかし、私には難しかった。読んだというより、書かれている字を目で追っただけである。
具体的な例が大変多く収録されている。「どの字がどういう成り立ちで、この部首を使う字もどうで、出典はどうだが云々…」といった文字の解釈が延々と続く。興味深くはあるが、古代の人々がどう言葉や文字をとらえていたか、神話や宗教、思想がどうなっていたかということを漢字からひも解くような内容がメインかと期待していたので、多少退屈だったうえに、素人にはその解釈が正しいのか分かりかねた。
数式が分からない人に物理理論の説明をするのが難しいように、1つ1つの漢字が分からない人に文化的、思想的背景を伝えるのも難しいのだとは思う。だから文字たちの細かな解説で埋められているのだろう。
本書はシリーズで刊行されているが、2をすぐに買う気にならない。次はより一般向けの本を読んでみたいと思う。難しい数式を使わずに相対性理論の解説を試みる本や真理を探究する過程を追った科学史に関する本はたくさんあるが、漢字研究の分野にもそのようなものがあるのだろうか。この分野はアウトリーチできる人材が不足しているのかもしれないと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漢字はどのようにして生まれたのか。甲骨文字・金文資料を駆使して、神話・呪詛・戦争・宗教・歌舞などの主題ごとに、漢字のもつ意味を体系的に語る。古代人の思考に深くわけ入り、漢字誕生のプロセスを鮮やかに描出。
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987夜