- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764925
作品紹介・あらすじ
"家族"という共同体の構造と関係からその空間装置としての住居の役割を提示する。世界各地の集落のフィールドワークや思索と実践より形成された画期的な住居論。
感想・レビュー・書評
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住居という形を成すものから家族形態、社会制度、社会構造へと分析が広がっていく。
建築の知識がなくても、人類学や社会学の書として優れているため興味深く読める。
建築の材質についての人類の(あるいは日本人の)「記憶」、社会制度の強化装置としての建築、認識と<行為の仕方>の分析を通して見る住居や町の構造といった、深く広範な人間生活への射程を持つ論文集。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(101215)
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名著
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とても勉強になった★
建築やってる人は一度は読んでみては★ -
理想化された家族像という閉じられたユニットに対する疑問。家族という幻想は建築の持つ力、仮説であるものを建築としてできあがったときにそれが本当のように実証されているように思えてしまうという力によって成り立っている。この幻想は取り払わなければいけない。幻想と現実は常に乖離しているのだ。大衆に対する供給のための家族像ではなく、そのひとつの共同体における内と外との繋がりにおいて空間を考えるべきだ。何をひとつのユニットとして考えるべきか。建築が制度や秩序をその圧倒的な力によってつくってしまうものなのであれば、今ある現実と乖離したそれを少しでも近づけるべく設計を考えていくべきだ。今の制度を変えるためのきっかけとして、建築の主体性は存在している。