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- Amazon.co.jp ・本 (626ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582765984
感想・レビュー・書評
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「一人の人間の厳粛な死が一つの時代の終焉を象徴し、そしてつぎに訪れる時代を予告するということ自体、不幸なことにはちがいない」政治と歴史がマヤコフスキーを詩に駆り立て死に至らしめた。二月革命から十月革命に至る詩人の高揚は「ロスタの窓」における扇動詩で最高潮を迎える。その後も革命と芸術の一体を目指しロシア・アヴァンギャルドを牽引していくマヤコフスキーは、レーニンのネップからスターリン体制への過程における革命の停滞と粛清の中で孤立しゆく。もう一つのよすがであった愛にも打ち破れ、詩人はピストルを己に向ける。
詩には背景がある。詩人の悲劇と叛骨を踏まえて、現在刊行中のマヤコフスキー叢書をゆっくりとじっくりと読んでいる。言葉は刃物、武器であると同時に返り血を浴びる詩人の痛みがひしひしと伝わってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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