青年マルクス論 (平凡社ライブラリー ひ 3-2)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766547

作品紹介・あらすじ

青年マルクスの思想的形成のゲシュタルトを輪郭づけ、その稜線を辿り直すことによって、初期マルクスの思想像を対自化する-物象化論に立つマルクス主義思想家であり、この国では稀な哲学する哲学者であった著者が、マルクス二十代半ばまでの生と思想の変容を追い、『経済学・哲学手稿』の思考とその限界を、テキストの厳密な読みを通して見さだめる。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は1971年に単行本で出版されたが、1980年の第五刷を最後に絶版になっていた。著者の没後1997年に『廣松渉著作集』第八巻に収録され、その後平凡社ライブラリーの一冊として甦ったことは、一読者として誠に喜ばしい。
    廣松によれば、マルクスは初期の疎外論を止揚して物象化論に到達した。となれば、初期マルクスの代表作である『経済学・哲学草稿』と対質し、疎外論の論理的限界を画定する作業が不可欠だ。そしてその作業を本格的に行った論稿こそが本書にほかならない。
    このような見解に対しては、疎外論の論理的・実践的価値を称揚する立場からの批判も多い。例えば、山之内靖『受苦者のまなざし』は、随所で廣松に言及し後期マルクスを初期マルクスからの後退として論難する。或いは両書を併読することで公正を期することができるのかも知れない。

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