昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 1453
レビュー : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (614ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766721

作品紹介・あらすじ

授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ完結篇。焼け跡からの復興、講和条約、高度経済成長、そしてバブル崩壊の予兆を詳細にたどる。世界的な金融危機で先の見えない混沌のなか、現代日本のルーツを知り、世界の中の日本の役割、そして明日を考えるために。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「昭和天皇・マッカーサー会談秘話」を増補。

感想・レビュー・書評

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  • 象徴天皇と 平和主義の意味が 少し理解できた

    ビキニ水爆実験と 映画ゴジラが 平和メッセージで つながるとは 知らなかった

    平和主義憲法が出来たばかりの戦後復興に貢献したのが、朝鮮戦争というのが皮肉

    人が中心に描かれた史実だから、面白いんだと思う。戦前昭和史は 違和感だらけでしたが、戦後昭和史は 紆余曲折ありながら、平和に向かっているので、ホッとする

  • 昭和史の戦後編
    語り口調でわかりやすい!

    戦後の復興、国つくりがわかりやすく語られていて、今の日本の基礎が理解できる本です。そういうことだったのかっていうのが多かったです。

    当然、学校で習っているはずですが、知りたいと思って読むのと、学校で詰め込まれるのではやはり理解度が違います。
    学校で学ぶのはそのとき起きた事象。本書では、その背景も語られていることから理解が進むのでしょう

    GHQの時代の施策から新しい日本を作られていくわけですが、このスキームはやはり日本だからできたのだろうなと思います。
    日本以外ではうまくいっていないですよね。

    また、占領下の中の話では
    天皇とマッカーサーとの関係
    軍隊の放棄と平和憲法制定
    としながらも、自衛隊を持つことになった理由
    天皇をシンボルとして作る新しい日本
    といったことが行われてきますが、反日感情もある意味GHQが作ったものだと感じました

    また、占領後の施策の中で、外交よりも経済優先で復興を目指した日本。そうしたことが今の日本の外交下手のベースとなっているということも理解できました。

    さらには、なんだかんだありながらもこの立ち上げ時期の首相のバイタリティ!
    それぞれの首相が成し遂げてきたことやその政策の意味するところが理解できました。
    さらにはそれが、今の政治にもつながってきている(あたり前ですが)ということで、なるほどと思うことばかりです。

    現代日本のルーツを知る必読の一冊と思います!!

  • 地域史

  • 政治動向を中心に、当時の世相も織り交ぜて、戦後の昭和が鮮やかに語られる。

    戦後占領期において、天皇が日本国民にとって極めて大きな意味を持っていたことが、計11回にも及ぶ天皇・マッカーサー会談や、東京裁判をめぐる動向等からよく分かった。

    また、佐藤栄作内閣頃までは、各首相が、善かれ悪しかれ明確な'大事業'を目標として掲げ、それを達成してきたが、それ以降は官僚システムが主導的役割を果たすようになって今に至っている。
    昔のように優れた人材もいない現状、日本の国づくりは、これまでどうあってきたのか、これからどうあるべきか、改めて根本的に問い直される必要がある。

    教科書では分からない、「生きた歴史」を教えてくれる。
    読み終わってしまうのが勿体無いほどに、歴史の妙味を感じることができた。

  • 半藤一利による日本昭和史の語り下ろしシリーズの戦後篇。

    GHQによる占領政策、新たな日本国憲法制定の裏側、東京裁判の実態、朝鮮戦争特需による経済復興と高度経済成長等、戦後史の流れを一挙に追うことができる。

    こうして通史を眺めたときに感じるのは、戦後の佐藤栄作内閣までは、常にその内閣で成し遂げるべきことを明確にし、その達成と共に身を引くという目的意識の強さである。それは吉田茂であれば講和条約の締結、岸信介であれば安保条約の改正、佐藤栄作であれば沖縄返還(半藤一利はこの沖縄返還が日本戦後史の一つのメルクマールであると指摘している)など、そこにはその目的を何としてでもやり遂げなければ、という強いリーダーシップを感じることができる。

    600ページにも及ぶ大著でありながら、そのわかりやすい語り口により、あっという間に読めてしまう。日本の戦後史の概観を掴むのに最適な一冊。

  • 歴史の本は好きなれど、思い返してみれば昭和の歴史をどれだけ理解しているのか、前からまずいなと感じていた。
    高校時代は日本史よりも世界史に走ったので、授業でも受けたことなかったし(もっともそこまで進まないってのが常識みたいだが)、一度は通史として目を通す必要があるだろうとも考えていた。

    戦前編の焦眉は、何故日本が戦争へと進んでしまったのか、を著者ならではの視点で書いている。
    様々な本や記事に書いてあるのを読むと、昭和天皇は戦争には反対だったというのだが、なぜ開戦を止められなかったのかというのは前から疑問に思っていたこと。
    半藤氏は昭和史のスタートとして重要な事件があったとしている。
    張作霖爆殺事件が起きた後、昭和天皇は責任を取らせて時の総理、田中義一を辞めさせるのだが、その後すぐに田中は亡くなってしまう。(一説では自殺とも)
    これを反省した天皇は、その後「君臨せずとも統治せず」こそが立憲君主制の在り方と信じて貫いていく。
    これが後に続く戦争への道に大きな影響を与えていると言う。
    その後、軍内部での派閥争いなどで良識派が次々と排除されていき、盧溝橋、ノモンハンなど、謀略・偶発混ぜこぜで起きた幾つもの事件が日本の行末を絞り込んでいってしまう流れは読んでいて悲しくなる。

    戦後編は占領政策に始まり、方針の違いが際立つ首相ごとの時代の色には興味をそそられる。
    まずは戦後の復興を再優先に考え、余計な負担が掛からないように安保条約締結に向けて進んだ吉田茂。
    安保・憲法改正にかけた岸信介。
    吉田を引継ぎ、所得倍増計画で日本の戦後復興を確かなものにした池田勇人。
    沖縄返還を最大の目標とした佐藤栄作。

    天皇が果たそうと思って出来なかった沖縄訪問の裏には、自身が米国に提案した沖縄軍事占領があったこと、などは今の辺野古や安保を考えると日本人が必ずや知っていなくてはならないことのはず。

    強く感じたのは、やはり今の日本の歴史教育の拙さ。
    縄文、弥生と言った古代よりも、現代を生きていくのに遥かに重要な昭和の時代の教育がなぜ、しっかりと出来てないのか。
    最近の政治的、社会的問題の殆どが、昭和史の中に源があると言っても過言がないと感じさせてくれる必読書である。

  • 戦前編よりやや偏りが見える気がするけど、まあ十分面白い。戦後、岸信夫路線が日本に対して成した功績とはなんだろう。岸信夫自体はまあ安保改定が功績だとは思うけど、ああいう自主外交・自主憲法路線は…

  • 2014.8.6読了。

  • 8月は私にとって、戦争とその前後について考える強化月間。

    自分が体験してあれこれ思っていた昭和(戦争よりずっと後だけど)も、今まで雰囲気として感じていただけなんだな。これ読んでようやく、あれはこういう経緯からこうなってああなって、そういうことだったんだ、と納得する。

    しかしいくら腑に落ちても、歴史は必ず1個人の見解だけでなく複数の目で見なければならないと思うので、ほかの人の見解も読んでみようと思う。ぼちほちね。

  • 半藤さんの本を評価するなんておこがましいので星は付けないけど、やっぱり面白かった。明治維新や戦時中は語られることが多いけど、今の日本の根本の国造りは戦後の占領時代になされたものだ。仮にマッカーサーという神の手がかかっていたとしても。もっともっとこの時代を振り返り、なぜその時、こういう憲法が作られたのかなどをよくよく勉強し直すべきだと思う。こういうことは学校では教えてくれないからな。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう かずとし)
1930年、東京府東京市向島区(現在の東京都墨田区)生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、文藝春秋新社に入社。編集者として活動しながら匿名記事も記す。1965年に大宅壮一の名義を借りて『日本のいちばん長い日』を執筆、発行。『漫画読本』『増刊文藝春秋』『週刊文春』『文藝春秋』編集長を歴任。1995年に文藝春秋を退社してから作家・評論活動専任となる。
1993年『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、1998年『ノモンハンの夏』で山本七平賞、2006年『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞をそれぞれ受賞。2009年の語りおろし『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』はベストセラーとなった。
妻の半藤末利子は、松岡譲と、夏目漱石の長女・筆子の四女で、夏目漱石が義祖父にあたる。

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