昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
4.12
  • (138)
  • (165)
  • (70)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 1452
レビュー : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (614ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766721

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 戦後から1960年までが長い。もうちょい60-70年代を詳しく書いて欲しかった。

  • 戦後の分かりづらい歴史がとてもよくまとまっている1冊。今に通じる安保闘争、そしてマッカーサーが来日した戦後の混乱期の天皇の立ち位置など、その時代の世俗を通じてある程度の流れが理解できる。ただ、戦後を学ぶのであれば複数の本を読む必要も感じた。どうしても本だと作者の考えが強く反映されてしまうので。

  • 昭和史を一気に読み自分の昭和を振り返った。夏が終わった気がした。これを読んで改めて、私は静かに安保法案に反対する。

  • 昭和史の後編。今の政治につながる背景を理解することができた。前編と併せておすすめする。

  • 戦争から占領時代にかけての依然として消えない“傷跡”のようなものが、社会の至る所に残っていました。見れども見ず、まあできるだけ見えないようにしていても、ちゃんとあったのです。混血児、引き揚げーシベリアにはまだたくさんの抑留者が残っていましたー、それに基地問題です。安保条約で、日本のの方々に残る基地問題ですをそのまま認めることになりましたが、そこで起こるアメリカ兵の犯罪などの刑事裁判権は日本にはありません。さらに大きな問題として、沖縄と奄美諸島、小笠原諸島がそっくり占領されたままでした。基地問題はこの後、住民の反抗や左翼勢力の厳重抗議など、あらゆる地域で紛争として表れます。(p.358)

    今は、「昭和」を懐かしがっている若い人たちは自分たちの今の生活の原点をそこに見ている。電気釜や冷蔵庫の古い型を見て、ああいました使っているあれこれは、この時代はこんなにチャチだったのか、と。私たちの戦前を知っているロートルたちには、昭和30年代の暮らしなど懐かしくもなんともありませんが、若い人たちの話を聞いていると、そこに自分のたちの生活の原点を見出して素晴らしい、懐かしいと思っているようにも見えるわけです。日本人の(意識じゃありませんよ)生活としては昭和20年代の戦後史とはここでいったん切れて、昭和30年代以後の戦後史がはじまった。いや、それこそが「戦後史」なんですね。と考えると、今のああいった映画(*Always3丁目の夕陽)がはやっている理由がよくわかるのです。(pp.476-7)

    昭和62年(1987)5月3日の憲法記念日、朝日新聞の阪神支局が襲われて記者の方 亡くなった事件も、今もって犯人が捕まりません。暴力のもとにジャーナリズムは必ずしも強くないのです。戦前、軍の暴力のもとにジャーナリズムがまったく弱かったのと同様で、それは残念ながら、しっかりと認識しておかなくてはいけません。表現の自由を断固たる態度で守らねばならないというのはその通りですが、断固たる態度を必ずしもとれないところがジャーナリズムにはある、それは反省といいますか、情けないくらいの私の現実認識でもあるのです。(p.482)

    ところがこれがかえってよかったのです(*オイルショックでの挫折)。反省する機会を得たのです。われわれは永遠に右肩上がりで走り続けられると思うのは間違いで、外部的な条件でたちまち窮地に立たされることを知った。現在も、日本が自力で生活していこうとすればおそらく6千万人くらいしか食えず、つまり半分の人はあの世へ行って頂かなくてはなりません。ともかくそんなにいい気になっていてはいけないというわけで、ここはもう一度しっかりと自分たちの生活を見直して、暴走せず、節約し、貯蓄に励み、贅肉をそぎ落とす、そして高度成長 水ぶくれ体質を引き締めたほうがいいのではないかと、この時、日本人は実に一生懸命ガマンしました。そしてそれによって、世界的な石油ショックからいち早く脱したのです。このへんが日本人の面白さで、たちまち皆が気持ちを持ち合わせてあれよという間に窮地を退け出すのです。(pp.550-1)

    今の日本人に必要なのは何か?一つは、無私になれるか。マジメさを取り戻せるか。日本人皆が私を捨てて、もう一度国を新しくつくるために努力と知恵を絞ることができるか。その覚悟を固められるか。二つめに、小さな箱から出る勇気。自分たちの組織だけを守るとか、組織の論理た慣習に従うとか、小さなところで威張っているのではなく、そこから出ていく勇気があるか。三つめとして、大局的な展望能力。ものごとを世界的に、地球規模で展望する力があるか。そのために大いに勉強することが大事でしょう。四つめに、他人様に頼らないで、世界に通用する知識や情報をもてるか。さらに言えば五つめ、「君は功を成せ、われは大事を成す」(吉田松陰) という悠然たる風格をもつことができるかー現在の日本に足りないものはそういったものであって、決して軍事力ではないと私は思います。
    日本よ、いつまでも平和で穏やかな国であれ。(pp.561-2)

    それにしても歴史を語るということはつくづく難しいと思うのは。結局、わたくしの狭い体験をとおして理解できたものしか話していない。が、経験したからといって、ものが明確にみえるわけではない。取捨選択して記憶する。それを語ったにすぎないのかもしれない。読者は、本書とは違う見方からする自分の「昭和史」をきっとおつくりになることであろう。
    語り終わっていま考えることは、幅広く語ったつもりでも、歴史とは政治的な主題に終始するもんだな、ということである。人間がいかに生くべきかを思うことは、文学的な命題である。政治的とは、人間がいかに動かされるか、動かされたか、を考えるとことであろう。せんぜんの昭和史はまさしく政治的な、いや軍事が人間をいかに強引に動かしたかの物語である。しかし、これからの日本にまた、むりに人間を動かさねば……という時代がくるやもしれない。そんな予感がする。(pp.608-9)

  • 2015/8/22読了

  • やっと読み終わりました。
    占領期のあれこれが興味深いです。

  • お次は戦後史。通史として非常にわかりやすいし読みやすかった。目的もなく右往左往する現在の日本はたしかにそう。新たな国家目標のもとアクションしていかなければダメなのかもしれない。それは経済ではなく。

  • 教科書で習った日本史、祖父母から聞いた話などを思い出しながら読んだ。とても面白い。歴史を勉強している高校生はこれを読んだらいいのではないだろうか。終戦後の問題って現在に直接繋がっているよなぁ。

  • 戦争で全てを失った日本がGHQの占領、政治的闘争、経済発展、バブル崩壊の道筋を体系的に理解することが出来た。
    昭和史(1929〜1945)と合わせて感じたことは「歴史のつながり」である。
    年表などで見る歴史的な出来事というのは、遠い世界の出来事のようだが、わずか数十年前にはこの本に書いてあった出来事がこの日本で実際に起きていたのである。
    歴史は繰り返すという言葉があるし、日本人は時間が経ってしまうと過去の過ちを忘れてしまうのかもしれない。
    でもそれは歴史を知らないからであるとも思う。
    私を含め、多くの日本人が歴史を知ること。学校のテストの勉強ではない。自分たちの国・生活の礎にあるものを理解することが、未来を創っていく上でどれだけ大事なことか。
    この本からはしばしば学ばせてもらった。
    歴史関連の本はたくさんあるが、私のような歴史に疎い人間でも、楽しんで読むことが出来た。
    昭和の歴史を一貫して理解するには、最適な本である。

全111件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

半藤 一利(はんどう かずとし)
1930年、東京府東京市向島区(現在の東京都墨田区)生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、文藝春秋新社に入社。編集者として活動しながら匿名記事も記す。1965年に大宅壮一の名義を借りて『日本のいちばん長い日』を執筆、発行。『漫画読本』『増刊文藝春秋』『週刊文春』『文藝春秋』編集長を歴任。1995年に文藝春秋を退社してから作家・評論活動専任となる。
1993年『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、1998年『ノモンハンの夏』で山本七平賞、2006年『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞をそれぞれ受賞。2009年の語りおろし『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』はベストセラーとなった。
妻の半藤末利子は、松岡譲と、夏目漱石の長女・筆子の四女で、夏目漱石が義祖父にあたる。

昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)のその他の作品

半藤一利の作品

ツイートする