科学的精神の形成―対象認識の精神分析のために (平凡社ライブラリー は 29-1)

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582767605

作品紹介・あらすじ

電気を帯びた物体にはほこりがくっつく。ゆえに電気は糊である-十七、十八世紀の厖大な科学文献を渉猟して、抱腹絶倒の誤謬へとなぜ人は突き進むのかを検証する。最初の経験への過信、過度な一般化、一元化、実体化、イメージや類推への依存、アニミスム的物体観、…いまもなお私たちに働く「認識論的障害」を乗り越えつづけ、本当の科学的精神に向かうために。科学哲学の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は科学哲学に属するものだが、主に18世紀頃までの前-近代科学的な、誤謬に満ちた言説をとりあげ、いかにして科学的思考は障害を受けてきたかを分析する。
    著者の考える<真正の>科学的思考とは何かというと、最初の方に明記されている。
    「科学的精神は自然にさからって形成されなければならない。・・・科学的精神はわれわれの内面と外界にある自然の衝動や自然の教えにさからい、色のついた多様な事実にさからって、形成されるべきである。つまり科学的精神はみずからを作りかえることによって形成されなければならないのである。」(P.42)
    科学的精神がさからわねばならない諸々の自然/障害については、目次を眺めればそのままリストとして読み取れる。
    「科学的認識の障害となる一般的認識」
    「身近なイマージュの過度の拡大」
    「科学的認識の障害としての一元的かつプラグマティックな認識」
    「実体論的障害」
    「アニミスムの障害」
    うんぬん。
    読み進めていくと、これは自然科学に限らず、ひろく学問一般、さらには世界観、人生観、芸術作法等、あらゆることに敷衍できる論旨だと気づき、納得させられる。なぜなら、結局あらゆる面で、「認識」が問題だからである。
    たとえば音楽の創作に関して振り返ってみると、バシュラールの言うように(悪い意味での)文学的コンテクストの網にひっかかると、余計な泥沼にはまったり、純粋な探究がさまたげられたりする。「認識」をいかに純化させ、磨き上げていくかが、芸術の創作においても重要だと思う。
    そういうふうに、こと自然科学に限定しない読み方で、この本はとても興味深く楽しめた。

  • 興味範囲からそれてきた。

  • 1-1 科学論・科学史

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