上村松園随筆集 (934;934) (平凡社ライブラリー 934)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582769340

作品紹介・あらすじ

美人画の大家として知られ、気品あふれる女性像を数多く描いた日本画家・上村松園の画家人生を綴った随筆集。付録に鏑木清方や井上靖ら同時代人による松園評も収録。

感想・レビュー・書評

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  •  美人画で高名な上村松園が、画業に一生をかけた自らの修行人生について、折節に語った文章をまとめたもの。

     女性が画をやるというのが珍しかったころ、新たな道を切り拓いていった苦労や、その道を支えてくれた母親への愛情などが沁み沁みと感じられる。

     あらゆる艱難と闘い通し、それを克服して、絵筆三昧、芸術三昧の境地に徹することができるようになった、との文章があるが、そこに至るまでにいかほどの努力があったのか。声を大にして主張するような文章こそないものの、一つの作品を仕上げるまでの精進がしのばれる。

     《序の舞》、《母子》がとても好きだ。


     本書にはまた、清方や長谷川時雨、井上靖、円地文子などの松園を語った文章が収められている。こうした人たちが松園をどう見たか、それもまた面白い。

  • 「その苦悩を自分で切り開いて行くのでなければ、画にせよ学問にせよ修行の道は果たされないのではないかと思います。今になって、この頃の苦しみが本当に役に立って来ていることを感じるのです」。

    本の中には、とにかく模写したことや、画を描くときはいつでも本気で、力を抜かない、ということが書かれていた。

    また、力を抜かないからといって、常に最高のものができるとは限らず、出来、不出来があるというのも、それもまた常に修行なんだろうなと思いました。

    時間をかけてすごく高い場所へと至るというのが、伝わってきた。

  • 画家の思いに触れることができる。絵は上手くても文章は上手くないらしい。

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