新版 昭和史 戦前篇 1926-1945 (979) (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社 (2025年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (568ページ) / ISBN・EAN: 9784582769791

作品紹介・あらすじ

授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した半藤一利さんの「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。
日本人はなぜ戦争を繰り返したのか――。
すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。
国民的熱狂の危険、抽象的な観念論への戒めなど、本書に記された警鐘は、現在もなお生きている。
折しも2025年は戦後80年、「昭和100年」という節目の年。
日本が同じ過ちを繰り返さないために、今こそ読み直すべき一冊。
毎日出版文化賞特別賞受賞のシリーズ二冊、待望の新版に!
新版は解説と詳細な索引を新たに付す。


【目次】
はじめの章 昭和史の根底には“赤い夕陽の満洲”があった
第一章 昭和は“陰謀”と“魔法の杖”で開幕した
第二章 昭和がダメになったスタートの満洲事変
第三章 満洲国は日本を“栄光ある孤立”に導いた
第四章 軍国主義への道はかく整備されていく
第五章 二・二六事件の眼目は「宮城占拠計画」にあった
第六章 日中戦争・旗行列提灯行列の波は続いたが……
第七章 政府も軍部も強気一点張り、そしてノモンハン
第八章 第二次大戦の勃発があらゆる問題を吹き飛ばした
第九章 なぜ海軍は三国同盟をイエスと言ったか
第十章 独ソの政略に振り回されるなか、南進論の大合唱
第十一章 四つの御前会議、かくて戦争は決断された
第十二章 栄光から悲惨へ、その逆転はあまりにも早かった
第十三章 大日本帝国にもはや勝機がなくなって……
第十四章 日本降伏を前に、駈け引きに狂奔する米国とソ連
第十五章 「堪ヘ難キヲ堪ヘ、忍ビ難キヲ忍ビ……」
むすびの章 三百十万の死者が語りかけてくれるものは?
こぼればなし ノモンハン事件から学ぶもの

関連年表
あとがき
平凡社ライブラリー版 あとがき
解説  山本明子
参考文献
索引


【著者】
半藤一利(はんどう・かずとし)
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家。著書は『日本のいちばん長い日』『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『「真珠湾」の日』(以上、文藝春秋)、『幕末史』(新潮社)、『B面昭和史 1926-1945』『世界史のなかの昭和史』(以上、平凡社)など多数。『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』(平凡社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。2015年、菊池寛賞を受賞。2021年1月12日逝去。

みんなの感想まとめ

歴史を通じて日本の戦前の動乱を深く掘り下げる本書は、読者にとって新たな視点を提供します。1926年から1945年までの出来事を通じて、軍部の暴走や政治の不在、そしてそれがもたらした歴史的な影響を明らか...

感想・レビュー・書評

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  • 1926年から満州・上海での一連の事件・戦争は前線陸軍の単独行動と暴走(天皇・元帥の命令なしで行動「統師権干犯」)軍の陰謀から満州事変へと発展、更に分派(統制派と皇道派)との争いから、皇道派による2.26事件(政治腐敗や農村貧困を訴えた)により国政は軍事一色へと大きく傾いた。結局、現在でも置かれた環境の機運で事が悪くても進めざるを得なくなる政治体質は変わっていないと感じた。史実で昭和天皇への報告は偽りが多く、当初内閣、軍隊官僚が事件発端の軍人行動を軍律で押さえ付けられなかった怠慢責任は重大で且つ致命傷で、その後の第2次世界大戦への火蓋は、近衛文麿首相など強力なリーダーシップのない人物が祭り上げられ米国の戦争への引き金(日米の最終交渉に望みを捨てた行動)を許したことは決して許されるものでは無い。歴史から学べることは多く、戦前の二の舞を踏まないように近隣諸国との交渉を持ち、米国頼りからの脱皮が必須とされる時期が来たと感じる。
    本書の歴史から学べる事柄:
    1、時の勢いに駆り立てられてはいけない(周りから判断し慎重に行動するべし、選択・判断力)
    2、過剰な自信とエゴは方向を見誤る(思い上がり、うのぼれなどエゴと自信過剰に注意)
    3、課題・問題対処を先送りせず、責任の所在等を明確に、対処する(問題処理と説明責任)
    4、最新・近代化へ目配りから先を読む努力と時の政策を打ち出す(最新情報の収集と予測・展開)

  • 幕末史から続いて読んだ。

    学生時代に覚えた人名や出来事が、どんな背景で起きたか、それが後の歴史にどのような影響を与えたかが分かってとても面白かった。暗記のみしてしまっていた膨大な点が繋がってページが止まらんかった

    個別にいろんな学ぶことはあるが、歴史を学ぶと自ずと視座は上がると思う。あと、都合の良い解釈のもと意思決定を曲げないことの危険性は、個人レベルでも教訓になる

  • 2025/04/07「昭和史戦前篇」半藤一利
    戦前をまとめるには最適の書だが、掘り下げは浅い。
    1. 日本国はガバナンス不在 天皇・元老体制が権限・責任を喪失
    一番は昭和天皇の中途半端な政治姿勢
    形式的には天皇が絶対的トップだが共和制運営へ逃げる
    軍部の引き起こした数々の事件、特に重臣暗殺は大きな影
    2. 軍部の暴走 統帥権干犯といいつつ独走・暴走
    軍人の視野は狭く、「己の業績と勲章狙い」がせいぜい
    国家を論じられたのは、石原莞爾と永田鉄山 対中観は真逆
    3. 近衛文麿の施策は国家犯罪
    問題の多い政策を立案しては、退任で敵前逃亡
    己の栄達のみで国家を滅亡させた それも彼の確信
    本書では彼の一貫した想いには触れられていない
    彼の実績と、最後、昭和天皇の評価は整理してほしかった
    4. マスコミの共犯
    この間、マスコミは戦争を煽った 国民を煽り、陸海軍を煽った
    教育界とマスコミは罪が重い 人間の思考を縛った
    5. 責任は問わず
    結局、連合国による戦争犯罪裁判しか機能しなかった
    日本人は自らを律することは難しい

  • 昭和を知るには必読の書です。戦後史とともにお読みくださいませ。

  • 『歴史探偵』の異名を持つ作家・半藤一利氏による「昭和史」シリーズ戦前・戦中編です。授業形式の語り下ろしというスタイルで、分厚い内容ながら非常に分かりやすく、最初から最後まで一気に読むことができました。




    半藤氏と同じく昭和史を研究している作家の保坂正康氏に曰く、
    「昭和というのは、日本の歴史のなかで稀有な時代といえます。貧困と贅沢、テロやクーデター、敗戦と平和など、人類史のなかで人間が体験したあらゆることがこの時代に含まれている。」
    (『講師に聞く 「新視点・昭和史」 保阪正康氏』http://www.asahiculture.com/shinjuku/topics/post_47.html)
    という言葉をかつて聞いた事がありまして、そうした上で本書を読んでいくと、まさしくその通りだな、という思いを新たにしました。

    本書は『歴史探偵』の異名を持つ作家。半藤一利氏が授業形式の語り下ろしで綴った『昭和史』二部作の戦前・戦中編です。実のところを申しますと、ぼくは本書の存在を前々から知ってはいたのですが、その量のお陰で今の今まで敬遠していたわけですが、そうそうそんな姿勢がいつまでもそれが通じるわけではない、と決意して読んでみる事に致しました。

    結果としては大正解で、「語り下ろし」という形式であるということと、これがある程度サクサク読むことが出来たということは自分の近現代史に関する知識がまださび付いていないな、ということが再確認できて、そこは大きな収穫でございました。

    ここでは戦前、戦中の昭和史が描かれ、『昭和』という時代が始まり、大日本帝国が大東亜戦争(太平洋戦争)に敗れ去っていく1945年までの出来事が綴られております。国民的熱狂が国家および国民をいかに危険な方向へと持っていくのか。抽象的観念論への傾倒によって日本全体の世論がマイナスの意味で一つにまとまり、戦争へと突き進んでいく…。

    肝心の戦争も、緒戦こそ勢いがあったものの、やがて徐々に劣勢に経たされ、敗北への道へと進んでいく…。ここには日本人の「欠点」というものが浮き彫りにされ、この時代の『教訓』は時を経ても少しも色あせないものなのだ、ということを認識するに至りました。

    なお、「こぼればなし」として毎日出版文化賞特別賞受賞の講演録である「ノモンハン事件から学ぶもの」が増補されており、作家の司馬遷太郎が執筆を挫折したといわれる『ノモンハン事件』のあらましと、それがどのような影響を日本に与えたのか、ということが語られており、とても面白かったです。

    昭和史は現在に至るまで『謎』の多い部分や、未だに明らかになっていない部分が多いわけですが、それを踏まえたうえでも日本人の一人ひとりが向き合わなければ、と思っているのです。

    ※追記
    本書は2025年1月8日、平凡社より『新版 昭和史 戦前篇 1926-1945 (979) (平凡社ライブラリー 979)』として再販されました。半藤一利氏は2021年1月12日、老衰のため東京都世田谷区の自宅で死去しました。90歳でした。この場をお借りしてご冥福を申し上げます。

  • ◆昭和100年。昭和史をわかりやすく再認識できる、今こそ読みたい本。

    自称「歴史探偵」、主に昭和史に関する著作を多数残し、
    2021年に90歳で亡くなった半藤一利さん。
    保阪正康さんとともに、編集者出身の在野の歴史家として、
    昭和100年を迎えた今、その存在は、ますます大きくなっていると感じます。

    資料を緻密に調べ上げ、多くの関係者に丹念に取材する姿勢も、2人に共通しています。
    それだけに本書でも、当時の政治家や軍人たちの会話や性格も、生き生きと再現され、
    500ページを越す厚さはありますが、飽きさせません。

    そもそも、寺子屋として17回に渡って語られた音声をもとにしているため、
    文章としても、楽しくわかりやすく、歴史がちょっと苦手な人にも、勧められます。

    内容としては、軍部の暴走と国民のナショナリズムに加え、
    さまざまな偶然や事件が積み重なり、
    無謀な戦争に突入していった軌跡が丁寧にたどられています。

    特筆すべきは、「むすびの章」として最後に、歴史にどう学べばいいのか、
    昭和史の20年がどういう教訓を私たち示してくれたかを、
    半藤さんなりに5つ提示していること。

    国民的熱狂をつくってはいけない、日本型タコツボ社会における小集団主義の弊害、
    対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想などなど。

    世界的にも、むしろ戦争が拡大し、戦後80年の平和も持続可能ではなくなってきたからこそ、
    その言葉をかみしめ、私たちのあり方を再考するきっかけとしたいものです。
    ちなみに、続編として『昭和史 戦後編 1945→1989』も出ています。

  • とてもおもしろかった!!半藤さんの語り口と歴史観がとてもすき。

  • 最近、政治に興味をもち、日本がどんどん腐っていっていることに気づきました。そして、これではいけない、何かできないかと考えました。まずは自分が知らないことには何もできない為、まず今の日本がどのような歩みでここまできたかを知ろうかと...。これを読むと、色々なものが見えてきます。
    日本人は、必ず知っておかねばならないことだと思います。多くの方に読んでほしいです。

  • よくまとまっていて、客観性の高い主張だと思いました。

  • 戦前の昭和史を生き生きとしたものとして概観できる素晴らしい本。特に、時々の人物の考えや感情が伝わってくる。著者の講義録であり、語り部としても調子も軽快。
    またいずれ読み直したい。

  • とても読み応えがあった。

    歴史から学ぶということで、熱狂を作ってはいけない、というのがとても大切な教訓だと、昨今の社会を見て感じる。

  • <閲覧スタッフより>

    --------------------------------------
    所在記号:210.7||ハン||1
    資料番号:10279800/10279799
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  • この本から学べること、感じることは沢山ありますが、特に強く思ったことは「リーダーがいかに大事か」ということでした。

  • 半藤一利が、若者に実際に語って聞かせた昭和史の話を文字起こししたもの。よって厚い本ではあるけれど一回の2時間くらいの講義が章立てになっているので読みやすい。基本的に軍部と昭和天皇の話が中心(まあもちろんとは思うが)。
    予想が外れたときのことを考えない、過去の成功体験にしがみつく、責任をとらない、云々は今までも色々なところで言われてきたけれど、日本って変わらないんだな。

  • 最初から最後まで、ひたすら戦争!戦争!戦争!という感じなので、ちゃんと知っておくべきとは思いつつも読むのがとてもつらく、読了までえらく時間がかかってしまった。そして、感想を書くのもめっちゃ遅い……。戦意を煽りまくったメディアは最悪。今の日本でジャーナリズムがほぼほぼ死に体なところを見るにつけ、先の敗戦からなにも学ばなかったんですかね? と思わざるをえない。
    ところどころにさしはさまれる荷風日記が味わい深く、ちょっとだけ和んだ。渡辺一夫の『敗戦日記』も読まなきゃ。

  • 少し時間がかかったが読み切った。戦前の昭和史の分厚い大作である。ちなみに戦後編もある。
    半藤氏の著作で以前「日本の一番長い日」を読んだ。重なる部分も多いが、15章に分けて段階を追って日本が敗戦へ向かった経緯が書かれている。第2次世界大戦の記録本はたくさん読んできたが、本書はとても分かりやすい。たまたま日清・日露戦争が上手くいったのでつい楽観的に考えて失敗した、という敗戦の原因が分析されている。
    「日本の一番…」の書評でも書いたが、天皇陛下がどの程度節目で決断にかかわっていたのかが分かってとても興味深い。はっきり言って想像以上だ。彼は本当に国民を思い、平和を希求していたのだ。
    リアルタイムに戦争を経験した人がどんどんいなくなっていく現在、極めて貴重な記録である。時々顧みるべきだろう。

  • 戦後80年のタイミングで読んでおきたいと思って。
    読んでよかった!語り口調が読みやすかった。
    起きなくていい戦争だったんだなぁ
    戦後版も楽しみ

  • 新版が出たので、久しぶりに読み直し。ノモンハンのこぼればなしと年表が追加されたのは読みやすくなって良い感じ。
    さらっとした記載に、当時の雰囲気や様子が伝わってきて内容に重みが増しています。
    実際に体験した人が残した昭和史であるからこそ、合間に挟まる感想がすっと入ってきて読みやすい。

  • 戦前、戦中の様子を知ることができました。
    一部の無責任な軍人や政治家等により戦争となったことがわかりました。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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