トーラーの名において シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史 (983) (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社 (2025年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784582769838

作品紹介・あらすじ

シオニズムが十九世紀末に誕生して以来、イスラエルをユダヤ教国と見る過ちは後を絶たない。
だが、侵略と暴力に訴えるシオニストの行ないはユダヤ教の伝統を否定するものにほかならなかった――。
ユダヤ教徒たちのシオニズムへの闘争の歴史を冷静なまなざしで論じ、世界中で読まれる現代の名著。
詳細な語彙集と人物紹介を付したパレスチナ問題理解のための必読書。

【目次】
平凡社ライブラリー版の読者へ

ヨセフ・アガシ教授による序文

プロローグ

第一章 いくつかの指標
非宗教化と同化/歴史──闘争の舞台/反シオニストと非シオニスト

第二章 新しいアイデンティティー
メシア主義から民族主義へ/「非宗教的ユダヤ人」の誕生/不完全な転身/ユダヤ人、ヘブライ人、イスラエル人?/現代ヘブライ語と非宗教的なアイデンティティー

第三章 〈イスラエルの地〉、流謫と帰還のはざまで
戒律の侵犯と流謫/メシアに対する用心深さ/シオニズムの理念/シオニズムの企図

第四章 武力行使
成文化された平和主義/ロシアのユダヤ人──苛立ちと暴力/矜恃と自衛/解放と植民地化──民族主義の二つの顔/度重なるイスラエルの勝利/テロリズムの起源に

第五章 協調路線の限界
〈聖地〉におけるシオニズムへの抵抗/ディアスポラの地におけるシオニズムの拒絶/国家との関係/国家とユダヤ教

第六章 シオニズム、ショアー、イスラエル国
大災厄の原因/ショアーに対するシオニストたちの姿勢/奇跡的再生か、継続的破壊か?

第七章 破壊の予言と存続のための戦略
ユダヤの連続性のなかにイスラエル国が占める位置/公的な議論とその限界/約束か、脅威か?

エピローグ

原注
訳注
語彙集
人物紹介
平凡社ライブラリー版?訳者あとがき
人名索引

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

この作品は、シオニズムとユダヤ教の関係を深く掘り下げ、ユダヤ人のアイデンティティの変遷や宗教的価値観との葛藤を描いています。著者は、シオニズムがユダヤ教の教えと相容れず、むしろ宗教から遠ざけるものであ...

感想・レビュー・書評

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  • 書評「トーラーの名において」(9/9) |桜井真樹子(2023年5月12日)
    https://note.com/sakuraimaklko/n/nabc780178552

    『トーラーの名において』 ヤコヴ・M・ラヴキン(著) | 宗教情報センター(2010/08/26)
    https://www.circam.jp/book/detail/id=2032

    「ユダヤ人の起源」書評 内部から公然とシオニズム批判|好書好日(評者:柄谷行人 / 朝日新聞掲載:2010年05月16日)
    https://book.asahi.com/article/11645565

    Yakov Rabkin, historian and author | Index
    https://yakovrabkin.ca/

    トーラーの名において - 平凡社
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b657002.html
    (単行本)
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b159945.html

  • ガザでのジェノサイドが続く中で、ユダヤ人がシオニストについて書いた本を読んでみた。2010年発刊。
    宗教としてのユダヤ教の立場からシオニズムを批判する。サイズが大きい本で350ページのボリュームで、多少飛ばしながら読んだが、要点はこれ。
    ・シオニズムは政治的イデオロギーでありユダヤ教とは相容れないばかりか宗教から遠ざける
    ・長年ユダヤ教徒は平和にアラブ人と共存してきたのであり、パレスチナの侵略や戦闘は、教えと全く反するものである
    どの宗教も平和と人類愛を尊ぶはずで、悪用するのは政治。イスラエルからアラブ人を殲滅し土地を奪いたいのは、現政権の意向であり、シオニスト=ユダヤ人でもユダヤ教徒でもない。それは納得。
    知らなこともあった。「ディアスポラの運命にあったユダヤの民が神の恩寵によりイスラエル国に集う」のはキリスト教にとっての「キリストの再臨」くらい「宗教的なイメージ」だったこと。ショア(ホロコースト)の時代に、シオニストは「イスラエル建国で若者には来てほしいが老人は死んでも仕方ない」「犠牲が多い方が同情を買って建国しやすくなる」などといって亡命などの救済を積極的に阻んでいた、反シオニストの態度を明確にしているユダヤ教徒コミュニティは世界中にある、など。
    あくまで、ユダヤ教徒の立場から「そのような考えや行いはトーラーに反している」という議論であり、パレスチナ人にとってのナクバや人道問題については議論の外ではある。パレスチナ人による自爆テロによるイスラエル人の犠牲については「シオニストが神に背く行いをしている罰である」というスタンス。
    シオニズムが宗教に背いていても、いや世俗的・政治的だからこそ、社会的なインパクトが否定できないほど大きくなったという懸念はある。本書は多言語に翻訳されたそうだが、現在ガザで大規模な殺人、餓死などの人道問題が起きていることについて、ユダヤ教徒からの、次のメッセージとアクションが求められるのではないか。

  • 227.9||Ra

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著者プロフィール

1962年、岩手県に生まれる。東京理科大学教養教育研究院教授。
パリ第10(ナンテール)大学博士課程修了。専門は、フランス語、ユダヤ研究。
主な著書に、『「命のヴィザ」言説の虚構』(共和国、2021)、『フランス・ユダヤの歴史』(上下、慶應義塾大学出版会、2016)、『ドレフュス事件のなかの科学』(青土社、2002)がある。
主な訳書に、アーノルド・ゼイブル『カフェ・シェヘラザード』(共和国、2020)、ヤコヴ・ラブキン『トーラーの名において』(平凡社、2010)、レオン・ポリアコフ『反ユダヤ主義の歴史』(共訳、全5巻、筑摩書房、2005~07)がある。

「2023年 『「命のヴィザ」の考古学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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