- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582807738
作品紹介・あらすじ
陶淵明、李白、白楽天を中心として、周代から唐代までの多くの詩人の作品から、傑作を選りすぐって滋味豊かな訳と注を施した無類の名著。稀代の中国文学者による、愛酒家必読必携の書。
感想・レビュー・書評
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お酒について詠まれている詩集です。
著者の青木さんはお酒好きであるため、その方が選ぶお酒の詩は
どれも今の時代でも十分通用し、共感を得るような内容のものとなっています。
むしろ、古今東西、いずれの酒飲みも同じというべきでしょうか。
飲酒の喜び、楽しみを始め、そこに侘び寂びや友人との別離、哀愁など
様々な感情が込められて詠われているところが、趣深く感じます。
”あー、お酒美味しい!”と一言で済みそうな内容が、
情緒豊かに語られるのもまた著名な方々なればこそ。
陶淵明、李白、杜甫、王維、孟浩然、白居易ほか様々な有名人が
独自の解釈と視点でお酒について詠んでいるので
人によってこうも違うのかとしみじみ感じさせてくれる一冊です。
個人的に李白の「山中與幽人對酌」が好きなので、
ここでもしっかり載っていて嬉しかったです。
この詩は一杯、一杯また一杯のフレーズがとても心地よく、
のんびりうつらうつらしている感じを出していてたまりません。
ちなみに、三国志関係者からは曹植の「箜篌引」が載っています。
なお李白と杜甫については、
高島俊夫さん著『本が好き、悪口言うのはもっと好き』内にある
「ネアカ李白とネクラ杜甫」がお勧めです。
李白と杜甫について非常にわかりやすく書かれており、
二人の得意な詩、不得意な詩も分かるのでとても面白いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは「酒徒が酔余の朗詠に供する」のを目的として「周代から唐代までの飲酒の詩を選んだ」(同書の「凡例」による)アンソロジーで、総数何篇か数えたことはありませんが、ゆうに百を超える詩のそれぞれに原文・訓み下し・意訳と簡単な注が添えられています。
本書を味読しながら呑むほどに酔うほどにホロリまたニヤリ、それからさらに進むと悲歌涕泣(ていきゅう)あるいは放吟哄笑…まあそこまで行ってしまったら、翌日は間違いなく単なるだめな人になってますが。
詳細は⇒ http://hoch.jugem.jp/?eid=123