完訳 日本奥地紀行1―横浜―日光―会津―越後 (東洋文庫)

制作 : 金坂清則 
  • 平凡社
3.50
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本棚登録 : 52
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582808193

作品紹介・あらすじ

イザベラ・バードの明治日本への旅の真実に鋭く迫る初版からの完訳決定版。正確を期した翻訳と丹念な調査に基づく巨細を究めた徹底的な注で、初めてわかる諸発見多数。

感想・レビュー・書評

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  • これは130年以上前の明治時代の日本を、日本人従者ひとりだけ連れて旅した英国のおばさん探検家が妹に書き送った日記である。
    概略を一言で言ってしまえば、終始歯に衣着せぬ物言いで日本を誉めまくっては貶しまくる大変正直で実用的な日本探検ガイドブックだ。
    日本の景色・日本人の気質・日本の建物や風物などは非常に高く評価していて誉めまくっている。逆に日本の衛生面・道路事情・迷信的習慣については悪態をついてつきまくる。しかしこの本からは先入観や差別感情は排除されているし、そうするように努めたとの記述もある。それは彼女の旅行が学術的な使命を帯びたものであることを彼女自身が自負していたからであろうし、また彼女が外国人未踏の地であった明治時代の北日本に(従者付ではあるが)単身で乗り込むような女傑だったという性格も無意識的に作用していたことだろう。
    また褒貶どちらの場合にもその様子については挿絵入りでたいへん細かく描写されており、現代の研究者をうならせるレベルで彼女が意図したとおりにその学術的な価値は高い。

    そうして可能な限りフェアに描写された明治日本をながめて思うのは、たかだか130年くらいでは当時の日本人の気持ちが分からなくなるほどには私たち日本人の気質というものは大きく変わるものではないということである。そして既に失われてしまった日本の風景とともにそこで暮らす日本人の様子が彼女の目を通してではなくまるで自分で見てきたようにありありと目の前に広がっていくように感じるのだ。

  • 『ふしぎの国のバード』元ネタ。バード一筋20年の研究者が訳した。第一部(横浜〜新潟)、第二部(新潟〜青森)読了。
    バードが書いた部分は率直な紀行文として非常に興味深いが、さすがにマンガの方は味付けされていて、文章の方は単調だ。同じような繰り返しが見られる。本書の半分は訳文で、半分は注釈。さらに訳者による解説文もたくさん付いてくる。原著者の書籍の訳書というより、訳者の研究論文である。昔、コンピュータ関係の書籍の翻訳者に岩谷宏と言う人がいたが、そんな雰囲気だ。

  • 英国女性の精神と肉体の強靭さには敬意を表する。

  • 明治の始めのイギリス人女性から見ても日本は既に礼儀正しく、治安もよかったのね。妹への書簡の形をとった本書は、やや上から目線に感じるものの、文化や習慣(特に衣食住と生活行動)の違いを良悪あわせて的確に描写したように感じた。

  • 当時の英国人女性の眼で見たニッポン。

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