ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね

著者 :
  • 平凡社
3.48
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本棚登録 : 1039
感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582832129

作品紹介・あらすじ

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」はヘルタースケルターの著者としても有名な岡崎京子さんの作品です。
漫画家として知られている岡崎京子さんの文芸作品です。残酷な中にも何か切ないものを感じさせるような岡崎京子さん独特の世界観が表現されている作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 漫画は何冊が読んだことがあったが、短編集があるんだと手にとった一冊。

    時間軸の狂うような、心の中を覗かれたような、関わってしまったら堕ちていくしかないような世界観。
    眼球を抉る「・・・とまぁ、そんなとこ。」が一番好み。
    詩集のような言葉選びも素敵なセンスの塊でした。

  • 伝説の漫画家、岡崎京子さんの物語集。
    感性のかたまりのような物語ばかりで、とても言葉では説明出来そうもないけれど、岡崎さんの漫画を読んだことがある人ならば、きっと漫画も同じ風にして描いていたのだろう、と想像出来ると思う。
    生々しくグロテスクな部分があっても、不思議と透明できらきらしてる。
    と、レビューも抽象的になってしまう。

    事故に遭い、漫画を描けなくなってしまってから、もう20年。
    たまに昔の漫画を読み返す度に、新しい作品を読めない淋しさをひしひしと感じる。

  • 過剰なまでに自分を傷つけたり,愛し合って傷つけ合ったり,他愛ない会話を交わしてみたり,人を殺してみたり。ほんとうに,いつでもぼくたちはそうやってなんだか全てを忘れてしまうのかな。それとも忘れないために怪我をするのかな。でも痛みも癒えちゃう。ちょうど,泣きわめいてごわごわした絨毯で転がって作ってしまった膝のすりむきと右手人差し指の横の擦過傷的な火傷が痛くなってきたころ。この本のむき出しの柔らかな皮膚を恐る恐る,時に無謀にいじくるような文章で,忘れないと生きていけない自分の中の誰かが,傷の下から蘇るといいな。

  • 漫画家、岡崎京子さんの小説集。
    短いけれど、ひとつひとつが岡崎ワールド!
    短すぎて物足りないような気持ちにさせられた。

  • かなりヘビーな短編集。

    文章だけでも彼女らしい魅力が満載。
    一時期この人の漫画を読みあさってた姉の本棚から、勝手に抜き取っていた日々を思い出す。
    結構な交通事故に遭った最中に書かれていたものも影響しているのか、内容は富に過激。
    ラストの数行で「うっ」となる話が多く、
    『一分間(あやちゃんに)』 は如実。
    さらーっと読めるだけに、「あれ?!」と思って読み返したら壮絶だったりして
    二度見ならぬ二度読みでギョッとする。

    好きな人は好きだと。

  • いつ読み始めたとも、いつ読み終わったとも言えぬ曖昧な状態になる一冊。ひとつ書き記しておきたいことは、正常な状態で読むべき本だということ。

  • ああ、やっぱり。

    あなたは描いても、書いても『岡崎京子』なんですね。

    …ということが、痛いくらいわかる作品。

    素晴らしく大好きです。

    文字にしてみて、更に世界が広がりましたね。

    岡崎ワールド。

  • 自分の中で東京って街のイメージは幼い頃から今までずっと変わってなくて、そのイメージを作ってくれたのが岡崎京子だった

    東京ってのは、なんか、ジメジメしてて、薄暗くて、でも賢くて、教養のある、若者たちの街なんだと

  • 事故前の作品集。

    事故に遭っていなかったら、もしかしたら、漫画になっていたかもしれない魅力的な物語がある。

    タイトルといい、最終話の終わり方といい、悲しいムードを持つ。

    岡崎京子さん、またいつの日か戻ってきてほしい。

  • ひとつ目のミント水のくだりは好き

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著者プロフィール

著者経歴 80〜'90年代を代表する女性マンガ家。既存の「少女マンガ」ではない、リアルなセックス描写80〜'90年代を代表する女性マンガ家。既存の「少女マンガ」ではない、リアルなセックス描写と巧みなセリフ回しで、愛や暴力、トレンド&カルチャーが描かれたマンガを生み出してきた先駆的存在。『ヘルタースケルター』で2003年文化メディア庁マンガ部門優秀賞、'04年手塚治虫文化賞・マンガ大賞受賞。主な作品に『pink』『ジオラマボーイ☆パノラマガール』『リバーズ・エッジ』『エンド・オブ・ザ・ワールド』など。


「2015年 『恋とはどういうものかしら?新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡崎京子の作品

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