卵一個ぶんのお祝い。 (東京日記)

著者 :
  • 平凡社
3.63
  • (81)
  • (139)
  • (202)
  • (16)
  • (4)
本棚登録 : 897
感想 : 164
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582832822

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 川上弘美さんの本当日記。
    食べものがたくさんでてくる。食べものがあまりにもおいしそうだったからある日の夕飯が同じものになりました。

  • 心が縒れてしまったときに読む。
    傷ついたという程でもなく、疲れたということばでは追いつかないとき。

    慰めもせず、笑い飛ばしもせず、滔々と流れる日々に、寄り添われもせず、元気付けられもせず、ただ読む。

    それが、とても気持ちいいので、ときどきわざと心を縒れさせることも、ある。

    (このシリーズ、出ると小躍りします。)

  • 東京近辺でだけ売っている雑誌
    「東京人」に連載している日記の
    2001年5月号~2004年4月号ぶんを
    まとめた、東京日記第1号です

    現在も続いていて、
    ネットで少し読むことは出来るのですが
    最初から読みたいなと思って
    図書館から借りてきました

    いやぁ、川上さんの発想が・・・
    ぷっと吹出すこと何回も
    素直に、正直に、楽しくて
    うん、いいんだいいんだと変に納得したりして
    すっかりこのシリーズのファンとなりました

  • 五分の四くらいはほんとうの日記。
    妙なことが起こるのではなく、妙なことを起こしているように見える。突っ込みどころ満載の日記だった。

  • 川上弘美さんの日記。
    ほんとうにこんな日常を過ごしているの?と言いたくなるようなおもしろい日々。
    小説とおんなじ空気が漂っていて、なんだかとてもほっこり。
    素敵な人だなあ、と思う。

  • 好き。世界をあじわうように、なめなめ読んだ。
    この日記を川上さんのような背の大きい人が書いてるってのが、なんかまたいい。

  • 言葉は少ないのに、自然と情景が流れていくような、ずっと読んでいたくなる文章。フラットで等身大で、まるで友人の日記を読ませてもらっているかのような感覚になる。(こんな文章の上手な友人はそうそういないだろうけど。)
    本の一節にこんなシーンがある。部屋の鴨居にTシャツをかけたハンガーを3つ吊るし、その下を通る。何気ない誰もが見たことのあるなんの変哲もない日常を、著者の目には、『3人が揺れて笑っている』ように見えている。誰もが見ている世界を、ほんの少しの語句と感性の差で薄くきらきらしたフィルターがかかったような世界に変えてしまう、そんな魅力がここには詰まっている。

  • 夢心地のふわふわした中、
    少しだけ鼻がつんとしたり
    微かに寂しくなったり。
    なんか好きで、川上さんワールドを
    たゆたいたくなる。

  • 自然で不自然で、色んなものを、みて、居る と思いました。良かったです。きみょう。


  • もくじに並ぶ言葉が愉快で、どんな内容かと想像してから読む。

    パジャマの上に服を着て出かけて、知り合いにあわないかどきどきしたり、
    お風呂でスイカの種を飛ばしたり、
    世界征服できる可能性を占ってもらう友達がでてきたり。

    「るきさん」や「架空OL日記」が大好きなのでたまらなかった。


    毎年3月がよいな。
    「また、来年ね」と手を振ってくれる美容師さん。
    黒い傘が桃色になる雨の日。
    「桜が咲いてますよ」という電話。

    春は初夏に、カロライナ・ジャスミンの香りに移っていく。

    にがうりをくる日もくる日も食べ
    「夏はいつまで続くのだろう。」
    というが季節はいつのまにか変わり、また次の年の桜が咲く。

    「あら、よくってよ。」が流行した明治二十四年は遠くなっていく。


    「一度に一つのことしか考えられない質なのだ。」


    なんにも起こらない日常。しかひ主人公はまぎれもなく川上さん自身である。

    自分は最近、推しとか世間の人のことばかり気にしているな。
    推しの頑張りを応援して頑張ってる気になってるかもなと思う。

    別に頑張らなくていいし、愛し愛されとか、自己実現とか将来の展望とか、
    そういうのがこの世界観の前には白くぼやけていくよう。

    雨の日曜日にぴったりのしっとりした読後感でありました。

    ーーー

    ・「山の上ホテル」でソルティードッグを頼むのは村上春樹作品オマージュだろうか?
    ・3人で傘もささずに歩いてる〜の句がすごく刺さったので、加藤千恵歌集を読みたい

全164件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上弘美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×