おとなの味

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 111
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582833843

感想・レビュー・書評

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  • 泣ける味、待つ味、吸う味、消える味…新たな味覚を求めて東奔西走、記憶を手繰り寄せて忘れられない味に再会し、見慣れた食材もいつもと違う扱い方で別の味を開花させる。次々に味覚を切り開く至福の味わい帖。

    食卓のいつもの味から珍味まで、著者の食への好奇心と探究心が溢れんばかりに注ぎ込まれた、食べることが好きな人間にはたまらない一冊。
    登場する味覚とエピソードの数々もさることながら、綴られた言葉が美しい。巧みな日本語で繊細に描写された味は、脳で文字から味覚に変換されて舌に強く訴えかけてくる。読みながら「食べたい!」と何度身悶えしてしまったことか。いつもの如く図書館で借りた本ではあるが、これは購入して手元に置いておこうと思う。いつでも様々な味と美しい言葉に触れられるように。

    おとなになって良かったのは、酒肴を嗜めるようになったこと。10代の頃と比べて確実に味覚の幅が広がっている。これからも新しい味覚との出会いを重ねていくのだろう。そんな愉しみが増えていくのであれば、年をとるのも悪くないと思う。

  • 「おとなになってよかったことはなんですか」と聞かれたら、「鮎のおいしさを知ったこと」と応えるそうです(^-^) 平松洋子さんの「おとなの味」(2008.1)、味わい深いエッセイです! フードジャーナリスト、エッセイストの平松さん、面目躍如といったところでしょうか~。こんなにも「いろいろな味」があるとは、驚き桃の木山椒の木です(^-^) もうしわけない味、熟れた味、泣ける味、残る味、ひとりの味、春先の味、待つ味、憎らしい味、歳月の味、再会の味・・・etc 立ち呑みを好む人は自分をもてなすのがうまいとかw

  • 978-4-582-83384-3 315p 2008・1・10 初版1刷

  • 人生を、その瞬間瞬間を、自分の感情までも愉しむ。待ち遠しくて焦る気持ちまでも愉しめるのはさすが大人。
    語彙が豊富な文章から、著者の心も豊かななんだろうなと感じる。

    2014.06.21

  • 味にまつわるエッセイ集。外で食べる味もあり、家で作る味もあり
    。ゆっくり読んでいけば楽しめるエッセイ集なのかもしれないが、一気に読むには後半すこし飽きがでてきた。

  • 2011/05/01 うつお荘、泥鰌鍋。りょうし屋閉店は残念。

  • タイトル通り「大人の味」だからか、まだ半人前の私には十分理解できない部分もあった。
    平松さんのいう「えぐみ」がわかるようでわからない。
    まだまだ食の道は長いなとおもった。
    食べるとは欲の一つであるだけに、ちょっとへヴィな話につながるんだと気付いた。

  • 食べることへの愛のような、執着のような。
    グルメブックではないのに・・・とってもお腹のすく本です。

  • 2008/11/22-11/25
    天神

  • 特定商品名は出てこないけれど、昔、苦手だった食べ物が、大人になったら何故か美味しく食べられる様になった話など、ウンウンと頷きながら読み終えた。返却期限ギリギリだったけど、滑り込みセーフ!(^^;)

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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