ベストセラー炎上

著者 :
  • 平凡社
3.14
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本棚登録 : 94
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582835403

作品紹介・あらすじ

6氏のベストセラーを徹底批評。炎の向こうに現代日本の歪んだ素顔が浮かぶ。朝日ニュースターで放送中の異色対談番組「学問のすゝめ」の書評シリーズから厳選収録。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に苦手な著者も数名取り上げられていたので、どれもこれもよくたたっ斬ってくれたという感想である。何故こんな悪書が、当たり前の顏をしてベストセラーとなるのか、続編がいくつも世に出回るのか。佐高、西部の両者がこれらを見事に両断する。
    特にKに関しては、「背景に社会が見えない」、全くその通り。社会を語っているはずなのにその社会がない。この人はいつだって、何か別の世界の話をしている。だから、派遣切りや貧困の現状が一つも理解できていないし、誰と対談させたってのれんに腕押しになる。相手にするのは時間の無駄。
    売れればいい考えで出版したメディアなり、支持者なり、少しは考えたほうがいいよ。

  • 2016/12/02:読了
     普通

  •  西部は右寄りの評論家で佐高は左寄りの評論家で知られている。そんな相反する2人がベストセラーにかみつく今回の本。

    批判にさらされているベストセラー作家は以下の通り。勝間和代、村上春樹、内田樹、竹中平蔵、塩野七生と稲盛和夫だ。批判されて当然の人物もいるが意外な人物がやり玉に挙がっていたのでびっくりした。

     竹中平蔵は非難してしかるべき人物なのでさもありなんと思った。人材派遣で有名なパソナグループ取締役会長でありながら、日本経済再生本部の「産業競争力会議」メンバーで、民間議員を務めている。これだけにとどまらない点で様々な方面から批判を浴びている。蛍のように甘い水のありかを見つけるのが上手いようだ。

     サブタイトルが「妙な本が売れる変な日本」と言うだけあって、2人とも遠慮なくズバズバ切っている。

     勝間和代以外の自己啓発本に関してどう思っているのか知りたかったなあ。書店に行くと必ずあるのが「何とか流で成功」、「これだけは知っておきたい何とか」と言った類の本。続編で取り上げてもらえるといいなあ。

     いろいろな所から批判のメール、電話、手紙が編集部あてにやってきているだろう。信者が多い著者の含まれているからなあ。

  • 対談は相手を前に、生きた言葉で語られるので、分かり易い。「言葉が難しくて、掴んだ実感が持てないけど、述べられている内容は、きっと自分の知りたいテーマなんだよな」と感じてる著者の書籍を読むガイドブックとして使える。
    本書は生きた言葉で簡潔に(私にとって)良いテーマにズバっと答えてくれる。”人材とは何か”に対しては、東大を出たから、偏差値の高いから、なんかではなく、自分の経験を包括的に捉えて、なおかつ、その出来事の歴史的な由来と将来の見通しを大きく、長く捉えられる人のことだという。いい人材は軸がぶれないというが、人材は全体を大きく広く捉えるから、一貫性が生まれ、軸がぶれないのだと。そのような人材にはある種の誠実性が伴ってくるとも。
    ”ストラテジー”という言葉もよく使われるが、予期しない困難に遭遇してもそれを解決していく才能、これを戦略という。だから、本当の戦争を知らない(知ろうとしない)人があれこれ理屈を並べてもそれは戦略ではない。喜びを知らなければ悲しみも、悲しみを知らなければ喜びも、勇気を知らなければ細心の意味も、細心を知らなければ勇気の意味も分からないように、物事は、物凄く複雑で多種多様な二次元的なものの組み合わせによって動いている。そこにグーッと分け入るのが本当の”ストラテジー”だろう。・・・そうだと思います。

  • 結局、知りたかった内田樹の「街場のメディア論」批判の理由については、「街場の」という部分に違和感がある、という以上のことはわからずじまい。ほかの本については「いかにも」この二人に批判されそうなものが並んでいるだけに、唯一、内田書批判の詳細が知りたかった(そのためにわざわざ読んだ)のに、この内容はあまりにも肩透かしだ。特に佐高信はストライクゾーン狭すぎだよ。

  • こないだ図書館をひらひらと歩いていたら背表紙のデザインが目にとまったので借りてみた。

    『クリティーク(批判)とは他者を誹謗したり中傷したりすることではありません。批判とは、自己及び他者の表現を可能にしている想念、思念、観念そして概念といった様々な心のはたらきのクライテリオン(規準)を批評し、さらにそれらのはたらきが無効となるクリティカル・ライン(臨界線)がどこに引かれるかを判定することだと言えましょう。(あとがきより)』

    →批判的なものの見かた、ってのを正しく身につけると世の中をちゃんとわかるようになるんだろうな、と思ったけど難しいな、こりゃ。

  • 勝間和代さんや稲盛和夫さんの著書、というかある著書を一例にあげて著者自身を徹底的に批判しています。

    基本的に、単純化された物言い、尊大な態度などが気に入らないようで、そんなものがベストセラーになる日本を批判してます。確かに物事にはなんでも両面あったり、複雑だったりと思うのですが、一冊の本がそんなふうにどっちつかずならその本は売れないだろうなあ…とも思ってしまいます。

    ではなんで世間は、単純化されたものを求めるようになってしまったのかという議論はなかったです。

    この方々は物事の複雑さを理解できるすごい知能をお持ちなら、理解できない人々の低能さを嘆くかわりに、それらを理解できるよう導いてくれたらよいのになーと思いました。

  • 痛快に批判。

  • 少し前に朝日ニュースターでやっていた対談をまとめたもの。勝間和代とか村上春樹「1Q84」とか、ビジネスマンが好きな塩野七生とか稲盛和夫の本について、もうボロクソに言ってるのが最高! 

  • 勝間和代が嫌いなところは共感できる。私も大嫌い。
    村上春樹の1Q84についても、おとぎ話と称しているが、そのままじゃないか。あれがノンフィクションに見えるのか?お伽噺として最高ではないか。

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著者プロフィール

西部 邁(にしべ すすむ)
1939年3月15日 – 2018年1月21日
北海道生まれ。北海道札幌南高等学校卒業後、東京大学入学。60年安保闘争に参加し、新左翼運動を先導。しかし61年3月に左翼過激派と決別。東京大学大学院経済学研究科理論経済学専攻修士課程修了。

東京大学教養学部教授時代の1988年に中沢新一さんの助教授採用をめぐる採決(否決)に抗議して大学を辞職。以降評論活動を続ける。「朝まで生テレビ」に出演してお茶の間にも名を馳せた。
主な受賞歴として、1983年『経済倫理学序説』で吉野作造賞、1984年『生まじめな戯れ』でサントリー学芸賞、1992年第8回正論大賞、2010年『サンチョ・キホーテの旅』により芸術選奨文部科学大臣賞。
(2018年5月10日最終更新)

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