- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582835618
作品紹介・あらすじ
気鋭の劇作家が放つ小説。世界を前提から更新する意欲作。
感想・レビュー・書評
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難解な文章ではなく一気に読了。奇をてらった表現の羅列にすぎず読中面白さはあれど読後の感銘無し。緑のさるが暗示するものは。
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山下澄人氏は三冊目。
正直、今まで読んできた作品(『しんせかい』『ほしのこ』)はどちらもあまり好意的なレビューを書かなかったのだけれど、この人の作品は読後しばらくたってじわじわ効いてくるというか、「あれ?もしかしてすごいもの読んだ?」という感覚に後から捕らわれる感じだった。
今まで読んだのはどちらも物語性の強い作品で、この人の文体とは水と油というか、その跳躍力が生かされるのはもっと別の作品なんだろうと思って、他の作品も読むことにした。
『緑のさる』は一冊目の単行本なんだけど、もう方法論が完全に確立されているのが分かる。僕は基本的に「保坂派」と勝手に呼んでいる、時間とか人称とかがあっちゃこっちゃ行く作品は基本的に「嫌い」で、この人もその流儀に入っているのだけれど、なんだかこの人の作品が憎めないのはその文体故だろう。この人の文体はぱっと読むと下手くそと言えてしまうような文体で、持って回った表現とか、気取った言い回しとかが一切なく、ストレートにその中身をむき出しにしている。その気取らなさが、自分が惹かれる要因だと思う。
ただやはり個性が強いので連続して読むのには少し疲れてしまうから、また間を空けて他の作品も読んでいこうと思う。 -
『群像』『文學界』で鮮烈なデビューを果たした著者による初の単行本。彼女と友達に裏切られたフリーターの「わたし」は、海に行き不思議な出来事に遭遇する。小説の可能性を追求した意欲作。
[第34回野間文芸新人賞受賞] -
1966年兵庫県生まれ、富良野塾2期生。劇団FICTION主宰。
先日、「ぎっちょん」で芥川賞候補となった。
「緑のさる」は幻想か、不思議な体験をおもいつくままに記した作品だ。なぜそうなるかのか、その理由が述べられずに、淡々と物語は進む。 -
緑の猿というと望月諒子の「神の手」を思い出したが、これはほとんどなにも残らなかった。ちぐはぐと別れていく世界がどうしてもうちには理解できず、重複や重なりの文体が最後まで読みにくい。それが特徴という本もあるがそういう訳でもなく…中途半端な感じが拭えなかった。
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時間と場所が行き来して、短めなのにとてもインパクトがある小説。ストーリーを追う楽しみとは別の、読書の楽しみ方だった。
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じゆうだ、とにかくじゆう。
挟まれてた冊子を読んでなんとなく安心した。
「そうか…じゆうな本なんだ…」って。
普段、如何にイミとかミャクラクとかで安心しているかを実感。 -
私のつむじはどんなかんじで付いてるんだろう
外にいる私が、時間も方角も場所も飛び越えて
頭の中を私が自由に飛び回る、
超たのしかったー!