たすけて、おとうさん

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 48
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582836912

感想・レビュー・書評

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  • 面白い!短編集だけどひとつひとつ全く違う路線なので、本当にこの作家なのかと思ってしまうほど。

  • 現代版&大人版おとぎ話。ちょっと怖い。
    モデルになった本がある、とのことで、そちらも読みたくなる。

  • 2016.7.23市立図書館
    平凡社『こころ』に連載されていたのをなんとなく読んでいた。本にまとまったら改めて読みたいと思っていたので借りたけれど、なかなか読む時間がとれず、はじめの2編を読んでひとまず返却。

  • 世界各国の名作をもとに作られた12の物語。
    もともとの作品の内容を知っていても知らなくても楽しめるが、物語の内容によっては救いがたいような結末になりそうなものもある。
    しかし、幸いなことに想像の余地があり、なんとか登場人物たちを救うこともできそうだ。

    ショックが大きいのが『食べる?食べられる?』と『男の子じゃなくても』の二編。
    不気味で、忌々しい。
    これが、おとぎ話のような語り口でなかったら、逃げ道がなかったことだろう。
    どんな話かは、読んでからの「お楽しみ」。

    『老人と海』を下敷きにした『負けるようには創られていない』は勇気が出る話。
    黒く深く広い海は、畏れと尊敬の気持ちをもって描かれてきた。
    そしてそこに生きる生き物たちも。
    生き物対生き物、自然対人間。
    いや、もしかしたら、対抗しているのではないのかもしれない。
    負けるようには創られてはいない、という言葉には人間の方が強いのだ、ではなくてお互いがあることで成り立っている部分、人間が一方的に依存している部分があるということを言いたかったのではないか。

    『ブドリとネネム』
    立派であろうとしたブドリとネネム。
    大人が言う立派とはなんだろう?
    そしてその立派だと賞賛される行動や考えは、本当に自分自身が誇れることなのだろうか?
    そう信じていたものが、そうでない、ということはないのだろうか?
    私は、ブドリとネネムはそれぞれ立派だったと思うけれど、そうでない部分もきっとあった。
    大きな立派なことがあれば、小さな悪いことは見過ごされても構わないのか?
    それが立派、なのか?
    それとも、小さな立派があれば、大きな悪いことに立ち向かえなくてもいいのか?
    答えはない。
    だから彼らは悩んだ。
    しかし私はそこに価値を見る。
    悩むことができたから、私は彼らが立派だと思うのだ。

  • シュール、そして切ない。
    オノマトペの使い方が宮沢賢治っぽかった。

  • 様々な童話や古典・名作などにインスピレーションを受けた作品集。

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著者プロフィール

1958年生まれ、東京外大卒。「黄昏のストーム・シーディング」で三島由紀夫賞。「表層生活」で芥川賞。小説執筆の他に書評、美術評論、ワインエッセーなど幅広い分野で活躍。「本に訊け!」「男の読書術」「ワインという物語 聖書、神話、文学をワインでよむ」などの著作がある。東京経済大教授。





「2022年 『一冊に名著一〇〇冊がギュッと詰まった凄い本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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