- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582837407
感想・レビュー・書評
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イェイツの有名な詩に「湖の島イニスフリー」があるが、この本に入っているジョン.シャ-マンの短編のお終いに、シャ-マンがロンドンでの生活にキリをつけ、バラ-へ帰る船に乗る場面。
バラ-の通りを急いで歩きながら、シャ-マンはメアリー.カ-トンにどう語ればいいか考えていた。俺たちは結婚するかもしれない。扉を緑色に塗り、新しいわらで屋根を葺いた小さな家に住んで、生垣の陰に蜜蜂の巣箱を並べるかもしれない、というところ。大都会ロンドンへの嫌悪、バラ-への望郷の念を募らす読ませどころが,この他にもあり、有名なこの詩の成立を伺わせるという。
湖の島イニスフリー
さあ立って行こう、イニスフリーへ行こう
小さな小屋をあそこに立てよう、枝を編んで粘土で固めて
豆を植えよう、九うね植えよう、蜜蜂の巣箱も持とう
あそこで僕は一人暮らし、林の空き地は蜂の羽音
このことは本文中に、心が帰りたがる場所として著者より説明文がある。
じっくりとこの本を読んで行きたいと思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サーカスの動物たち、は詩集です。
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「ジョン・シャーマン」という小説と「サーカスの動物たち」の名詩選から構成される。編訳者の訳注や解説が充実しているのでイェイツの入門書に最適。
小説のほうは三十歳、無職のイケメンが金持ちの娘と結婚するため、田舎町バラーからロンドンへ行く話。わりと詩的な恋愛のお話。
人間にとって育った場所、思い出の場所というのは色あせないものかもしれない…