詩を書くってどんなこと?: こころの声を言葉にする (中学生の質問箱)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582837964

作品紹介・あらすじ

あなたの「ほんとう」を探す旅へ、いざなう一冊

詩を書くことは、特別なことではありません。「詩は、私たちの心のなかにあるものの結晶です。読むだけでなく、ぜひ詩を世に送り出し、世の暗がりを照らし出してください」。人生で誰もが遭遇する困難も、詩を書くことで乗り越えられるかもしれない。大震災と身近な人の死をきっかけに「詩と本当に出会い、人生が変わった」著者が、人にとって詩はなぜ必要か、「詩を書く」意味とプロセスを真摯に伝える、本書はまだ詩を書いていない詩人=みなさんとの真剣な対話です。

第1章 詩と出会う
第2章 詩情とは何か
第3章 詩を書く
第4章 詩を書く?
第5章 詩を読む
第6章 詩学とは何か
最終章 詩を贈る
◆これから詩を書こうとする人たちへブックリスト


*若松英輔(わかまつ えいすけ)
批評家・随筆家。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。1968年生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代──求道の文学」にて三田文学新人賞、2016年『叡知の詩学──小林秀雄と井筒俊彦』にて西脇順三郎学術賞、2018年『詩集 見えない涙』にて詩歌文学館賞、『小林秀雄 美しい花』にて角川財団学芸賞を受賞。著書に『井筒俊彦──叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『イエス伝』(中央公論新社)、『魂にふれる──大震災と、生きている死者』(トランスビュー)、『悲しみの秘義』(ナナロク社)ほか多数。

感想・レビュー・書評

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  • この本は、一昨日、所用で隣県に行って宿泊した際、宿泊先のホテルのすぐ近くの新しくできた書店で発見しました。
    私の居住地は一応、県庁所在地ですが、一番大きな書店でも、あまり本が置いてなくて、2、3年前までは隣県に、月に一度は書店巡りに行っていました。
    けど最近ネットや図書館利用ばかりで大きな実店舗に行くことがなく、あんまりたくさん本があるのを見て、嬉しくて、もう泣きそうでした。「えっあれもある、これもある!」というかんじでした。
    (都会に住んでいる方は当たり前でしょうけど)
    この本はネット書店で見かけたことはあるのですが、私は「詩を書きたい」とは思ったことはないので、実店舗で手に取ってみなければご縁がなかった本です。
    中学生向けの「詩の書き方」という風に表紙と帯に書かれています。でも、手に取って中をみると、書き方だけでなく、詩の読み方はすごく参考になったし、「自分で書けなくても、アンソロジーを作ってみたらどうか」というのは面白そうだと思いました。

    やっぱり本は時々は実店舗にみに行かないと、巡り合えないものがあるのだと実感しました。
    来月も用事があり行くので、その時は、大好きな丸善かジュンク堂に寄ろうと思っています。

  • ページ8 はじめに

    人生が旅であるなら人は誰も旅人
    旅はいつも未知なる小さな冒険
    旅路にあるとき人は誰であれ少し親切にされて良い
    心の足を引きずりながら歩く見知らぬ人とすれ違い
    大丈夫ですかと呼びかけるそんな時人は
    生涯で最も美しい言葉を口にする

  • 詩を書く人の気持ちとは一体どんなものなのだろうという疑問と、詩を書くこと自体に少し興味を持っていたので、この本を読みました。
    「詩を書くことは、絵や音楽のように特別な技術を必要としない」という文章を読み、
    詩を書くことへのハードルが少し下がりました。それだけでも、本作を読んで良かったと思います。
    自作するのは難しいですが、まずは 自分の好きな詩をみつけて、集めて「詩選集(アンソロジー)」を作ってみることから始めたいと思いました。

  • 『詩を書くってどんなこと?: こころの声を言葉にする (中学生の質問箱)』/若松英輔

    元々、読書をする中で、色々なジャンルの書籍を読んでいたが、どうしても、この「詩」の分野に踏み入れることができなかった。

    「詩」とは一体何なのか?何を持って「詩」というのか?という疑問がずっとあったから。だから、この詩はいいとか悪いという評価は勿論、その判断すらできなかった。興味はあるけど、触れたくない分野だったが、この書籍を通じて、その詩の一片を触れることはできた。

    そもそも、評価も判断もいらないものが「詩」であって、人間が本来持ち合わせている感情を素直に吐露することの大切さを教えてくれる。吐露する場所は表でも裏でも構わないのだ。声なき声を、文字に表現しようとすることが「詩」を書くことだから、自分の気持ちに素直になることが一番だと痛感した。

    この書籍は、とても感性に訴えるところが多々あるので、途中で迷子になってしまう可能性もあるが、常に内容を受け止めようとしなくていい。受け入れようとすればいいだけなのだ。

  • 中学生向けに書かれたシリーズの本ですが、大人が読んでも充分に楽しめます。詩の世界のことをこれだけわかりやすく書いた本は、他にないのではないでしょうか。誰でも詩人になれるという言葉に勇気づけられます。

  • 詩を書くってどんなこと?の答えが表紙に書いてある。
    著書の中でいちばん気になったことは、詩に出会うことは不可逆的であるという内容。
    詩に限らず知らないことを知るって本当に楽しいなと改めて思った。

  • 質問が少しくどい印象を受けた…中学生に向けた本だから仕方のないことなのか。
    しかしハイライトしたくなる箇所がいくつもあり、深まったような気はする。詩を音読する面白さを感じ、詩選集を誰かに贈りたくなった。

    詩は自分の子供のようなもので、だから「詠む」のではなく「産む」のに近い感覚がある。
    そしてそれは世間に出たとき、子供といえど1人の人格として扱われなければならない。
    だからこそ詩は無敵なのだな〜と思う、どんな読み方をされようとそのかたちは絶対に変わらないから。。
    表現者としての産みの苦しみ、みたいなものかなあ。

  • タイトルから察するに中学生向けなのだろうが、
    中学生ってこんな難解な内容を理解できるか?
    と30半ばの私は疑問に思う。
    読み終えても理解しきったとは言い難い。

    近頃急に、私の心が詩を求め始めた。
    その一方で、詩とは何なのだろうという昔からの問いに、向き合ってみようと思い、本書を書店で見つけて手に取った。
    詩とは何か。その問いに答えてくれようとしたとは思います。

  • 詩を贈ることのよさがわかった。
    昔にとある人に詩集を贈った時、とても喜んでいた理由がわかった気がした。
    詩をまた書きたいなと思えるような本でした

  • 中学生向けの本ですが、表現のヒントになればと読んでみました。しばらく孤独を楽しみたいと思います。
    そして東工大にさらに興味が沸いたのでした(笑)

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著者プロフィール

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。 慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。
近著に、『ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う』(亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。

「2023年 『詩集 ことばのきせき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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