夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話

  • 平凡社
3.46
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本棚登録 : 313
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582838183

作品紹介・あらすじ

人気の海外童話読本、待望の続刊!つい夜ふかししてしまう楽しいおとぎ話を、イギリス生まれの2匹の猫がわかりやすく案内。読み聞かせにはもちろん、大人が読んでも楽しい。第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • イギリスのおとぎ話の第二弾。
    「不思議なイギリスのおとぎ話」の続編で、昨年の11月20日発行。
    前作と同じく、フローラ・アニースティールという女性編者によるもので、こちらは圧倒的に男の子が主人公のお話ばかり。
    よくある英雄物(冒険の果てにアーサー王の円卓の騎士になった者も)。
    ちょっとヘタレな若者が周りから愛され助けられて生きていく話。
    母親から「からっぽ頭のくされふぬけ」呼ばわりされた男の子の冒険談。
    巨人や魔法使いの登場する話。
    「ハムレット」の元になった話。まるで「シンデレラ」のような話。
    不思議な運命が何度も訪れ、最後には幸福を手にする話が多い。
    文体が明るく軽快なので、「次はどうなる?」とワクワクしながら大変楽しく読めた。
    全17篇。

    「ジャック」という名前が登場する回数がとても多いのだが、それについては「チェシャ猫」と「チェッコ猫」の解説付き。
    庶民に多くて、王様や貴族には先ず見かけない名前らしい。
    イギリスのジャックは「ジェイコブ」の愛称で、元は旧約聖書の「ヤコブ」から来ている。
    抜け目がなくしたたかで、「ジャック」という名前が登場したら、たくましく生きる庶民の代名詞だと思うと良いらしい。

    大変勉強になったのが、「巨人」の定義。
    昔イギリスを治めていたのはフランス人の王様や貴族だったということだ。
    英語もロクに通じない領主に税金を絞りとられた庶民たちが、うっぷん晴らしのためにお話しの中で領主たちを「巨人」に仕立て上げてやっつけていたらしい。
    昔話あるあるのひとつだが、読む際の参考になる。
    これは何の象徴か、省かれた部分は何か、どんな歴史的背景があったのか。
    民衆の口伝だということは、必ずそこには人々の願望が隠れている。

    今回もアーサー・ラッカムさんのお写真付き。もちろん素敵な挿絵もね。
    それぞれのお話のふるさとの地図も付いている。
    ひとり読みもいいけど、朗読にも向く。おうちでお子たちに読んであげても喜ばれそう。

    では最後に、今回好きになったお話「金のかぎたばこ入れ」の冒頭部分を。
    『大むかしのとてもいい時代。
    ただし、わたしもあなたもまだおらず、今の世の中の人がひとりもいなかったころ、ある夫婦にジャックという息子がいて、この子がとてつもない本好きでした。。。。』

    • nejidonさん
      夜型さん、こんばんは(^^♪
      この本のレビューにコメントを下さって、本当に嬉しいです。
      受け止めて下さる方がひとりでもいらしたということ...
      夜型さん、こんばんは(^^♪
      この本のレビューにコメントを下さって、本当に嬉しいです。
      受け止めて下さる方がひとりでもいらしたということ、それが夜型さんだということで更に嬉しいです。
      そうなのです!易しい本ほど気づきがたくさんあって、何度も読んで味わえるのです!

      世界中の民話や昔話をほぼ読みつくした感はありますが、矢張りイギリスのお話に戻ってしまいます。それほどに面白い。
      異形のもの、上手く生きられない人、持たざる者、(まだまだありますが)どのような人生でも「それもアリ」と認めているのです。
      その懐の深さには、恐れ入ってしまいます。
      余計な描写が一切なく、起きたことだけしか書いていないので、なかなかそれが理解してもらえないのが残念なところではあります。

      コメントのラスト3行を、何度も読み返してしまいました。
      まさに、このところレビューした本を通して先人の世界に浸り対話をしていたところです。
      様々な捉え方と発見が生まれ、それを反芻し咀嚼して濾過して、やがて自分の生きる力になっていく。
      そんな本にもし出合えればもう他の本は要らないはずなのに(笑)それでも次なる本を開いてしまいます。
      終わりなき本の旅は、これからも続きそうです。夜型さん、ありがとうございました!
      2020/02/04
    • 夜型さん
      最後の一文をちょっと訂正します。苦笑。

      あなたのレビューが僕の活力に繋がってるんですよ。元気いっぱいのお返事もです。

      知識はより...
      最後の一文をちょっと訂正します。苦笑。

      あなたのレビューが僕の活力に繋がってるんですよ。元気いっぱいのお返事もです。

      知識はより良い人生にするためのワクチン、よいお話は日常を潤すビタミン、良書は心を豊かにしてくれてます。

      日常って、地味で退屈なものです。ハレとケとは言ったものですが、人って楽な方楽な方に進んでしまう。キラキラした快楽の方が愉しいんですよね、きっと。
      日々をつまらなくしないためにはゆとりが必要ですよね。

      最近では、時間とお金に余裕のない人が増えてきました。
      食べて寝る。youtube観るか、テレビをちょっと見てお酒飲む、なんて話ばかり聴きます。

      本を読むことは反社会的とは言い得て妙でしたね。
      僕はそれに付け加えるなら、横並びのロボットのようにならないために本を読むのかな、と思ってます。
      2020/02/04
    • nejidonさん
      夜型さん、再訪して下さってありがとうございます!
      そんな・・私の方こそです。
      こうしてコメントをいただくことが、どれほどエネルギーになっ...
      夜型さん、再訪して下さってありがとうございます!
      そんな・・私の方こそです。
      こうしてコメントをいただくことが、どれほどエネルギーになっていることやら。
      なかなか言葉にするのも難しいのですが、「あ、伝わってる・・!」と思うことが必ずあるのです。
      それって、なかなかすごいことだと思いません?
      (昨日は、恥ずかしいので読まなかったふりをしたワタクシを笑ってやってください)

      確かに、誰しもが易きに流れます。
      健康本も文章術も自己啓発本も読まないのは、その努力を継続できない自分を熟知しているからかもしれません。
      だからと言って、「食べて寝る。Youtubeを観るか、テレビをちょっと観てお酒飲む」では、
      あまりにも工夫がない。そもそもすぐ飽きてしまいます。

      夏の夕方は夕涼みを兼ねて、庭のデッキチェアで読書するのが習慣ですが、それを
      見てゆくひとの感想が様々で面白いですよ。
      読書するの?と言って、眼に微かに警戒の色を浮かべる人の多いこと。
      本当に、反社会的とは言い得て妙ですね。

      横並びのロボットにならないため、それも確かにその通りです。
      私は何だろうな・・毎日何か発見して驚きたいのかもしれません。
      良い本は、その宝庫です。
      そして今日もとても良い読書をすることが出来ました!それはまた後ほど。
      夜型さん、ありがとうございました。
      2020/02/05
  • 某書店で買うとポストカードがオマケでつくと聞いて、悩んでいるうちに、
    時間が経っちゃった。。。

    夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話 - 平凡社
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b480812.html

  • 昨日(2020/7/8) 読了の『夜ふけに読みたい不思議なイギリスのおとぎ話』に続き
    フローラ・アニー・スティールという女性の編者の本からいくつかを選んでまとめた
    たくましく生きていく若い娘や、ちょっとヘタレな若者が愛され力だけで(苦笑)周囲に助けられる話しが多い

    不思議な より こっちの方が物語として読み易く好き
    楽しかった

    チイチイねずみとチュウチュウねずみ
    嫌われ者の大蛇
    金のかぎたばこ入れ
    ぼろら娘
    楽しき国イングランドの聖ジョージ
    影も形もない王子
    モリー・ウピーと二面の巨人☆
    三人のおバカさん
    巨人退治のジャック☆
    旦那のなかの旦那さま
    ディック・ウィッティンと猫
    ジャックの運試し
     ブレーメンの音楽隊っぽいお話し
    姉さんと妹
     花咲かじいさんとかこぶとりじいさんっぽい
    のらくらジャック
    怪物赤いエティン
    魚と指輪
     シェイクスピア「ハムレット」の元になったお話し
    世の果ての泉

    ☆残酷シーンのあるお話し

    運試しに出る時に、母親が、旅に持たせるケーキを
    半分母親に残し母親の祝福をもらって出ていくか、
    ケーキを独り占めするかわりに、母親に呪われるか
    選べと…
    呪うの…
    金のかぎたばこ、怪物赤いエティン

  • 楽しき国イングランドの聖ジョージが
    ひどかった…
    今時のせる?

  • 国によってお伽話ってこんなに違うんだなぁっとびっくり。
    主人公の敵は、巨人か魔法使いというのが、イギリスっぽくて楽しかった。
    綺麗な美しい男女しか幸せになれない世界観があんまり好きじゃない。

  • おとぎ話たち。
    声に出して読みやすい訳になっていて、読みやすいです。
    「魚と指輪」が好きかな。

  • 《大むかしのとてもいい時代、ただしわたしもあなたもまだおらず、今の世の中の人がひとりもいなかったころ、ある夫婦にジャックという息子がいて、この子がとてつもない本好きでした。》

    《アーサー王とグィネヴィア王妃がコーンウォールを治めていたころ、国境近くの農家にジャックというひとり息子がいました。》

    《むかしむかしジャックという男の子がいて、ある朝、運試しの旅に出かけました。》

    スティールの再話、ラッカムの挿絵により100年前に出版されたイギリスのおとぎ話を新たに編集、翻訳

    2巻の本書(2019年11月刊)は男の子、1巻の『不思議なイギリスのおとぎ話』(2019年3月刊)には女の子がメインのお話が収録されている

    「つい夜ふかしして夢中で読んでしまう」シリーズで、むかしむかしのイギリスにタイムスリップ

  • 人気のイギリス民話集、待望の続刊!!フローラ・アニー・スティール再話のイギリス民話を定評のある二人の翻訳者が新たに編集・翻訳。(e-honより)

  • 夜ふけに読みたいイギリスの昔話シリーズ第二段。挿絵はアーサー・ラッカム。挿絵がたくさんというわけではないが、話に合った挿絵で◎

  • 夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話
    著作者:吉澤康子
    平凡社
    イギリスで人気の民話集
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

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著者プロフィール

津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。子どもから大人までの読み物の翻訳に携わる。『夜ふけに読みたい不思議なイギリスのおとぎ話』『夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話』(以上、共訳、平凡社)、E.ウェイン『コードネーム・ヴェリティ』『ローズ・アンダーファイア』(創元推理文庫)など、著訳書多数。

「2020年 『夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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