星の子どもとりんごの木

  • 平凡社
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本棚登録 : 13
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582838541

作品紹介・あらすじ

希望を失った世界にもう一度、光をもたらすことができるのは星の子だった。オイリュトミーの第一人者が紡ぐ命の物語を、ブラジル在住の画家が描く。生命力・躍動感に溢れた絵本。

感想・レビュー・書評

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  • この絵本の絵を描いているのは、私の大学からの友人で、ブラジル在住の画家、花房葉子さんです。
    今回のこの絵本は出版されるだいぶ前からSNS上で製作過程を拝見していて、私も非常に楽しみにしていました。
    まだできたての、ほやほやの絵本です。

    文章を書かれているのはシュタイナー教育の専門家でオイリュミストで、世界中でご活躍されている、はたりえこさんで、葉子さんの、憧れの方だそうです。


    以下、お二人の巻末エッセイより

    この絵本『星の子どもとりんごの木』は冬の季節に、ノルウェーの学校で子どもたちに語られたお話だそうです。
    同じようなお話のいくつかのパターンがあるのを、はたりえこさんが、よりシンプルな形に書き直したものだそうです。
    ずっとしまってあったこのお話を、2020年の春、緊急事態宣言の出た不安の時に取り出し、人に語られたところ、聞いた人の気持ちが明るくなるのが感じられたそうです。

    一方葉子さんは、人間が活動を停止したことで、ブラジルの海岸には、クジラやウミガメがたくさん回遊し、都市部にヒョウやナマケモノが現れたという報道を見て、ああ、私たちにはまだ回復できる力がある、すべてのいのちと共に生きていく道が必ずある、という気持ちを新たにしたそうです。

    以上、お二人のエッセイより。

    そして、この絵本はどういうお話なのかということを最後に少しだけ。

    ひとりで地球にやってきた星の子どもが朽ちかけたりんごの木と交流してよみがえらせるというシンプルなストーリーです。
    再生というキーワードが浮かびました。
    今の地球に最も必要なことではないかと思いました。

    最後に「りんごを縦ではなく横に切ると、まんなかに白い花につつまれたかがやく星がみえるのはなぜか」という、物語的ロマンスも語られ、ちょっと宗教学的でもあるお話です。



    大人の方や、少し大きいお子さんも考えながら読んで学べる楽しめる絵本だと思います。
    表紙の絵はサーモンピンクに上品な茶色でレイアウトされています。


    コロナ禍のクリスマスに、ゆっくり文章の意味と優しいタッチの色鉛筆画を、ご家族で楽しまれてはいかがでしょうか。
    まだ、誰も持っていない絵本ですから、お友だちへの素敵なプレゼントにもなると思います。

    小さなお子様にも読めるように漢字にはよみがな付きで、物語全文の英語訳、ポルトガル語訳も付いています。

    追記後から、葉子さんに、お聞きしたのですが、12月25日は、星の子の誕生日だと葉子さんは、とらえているそうです。
    貴重な、作者自身からのご意見。もし、そうだとすればもう、これは何のお話しかわかりますね。
    やはり、クリスマスにぴったりのお話でした。

  • Book オイリュトミーはたりえ Rieko Hata
    https://hatarieko.com/book/

    星の子どもとりんごの木 - 平凡社
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b547333.html

    • まことさん
      猫丸さん
      大事なことを言い忘れていました。
      葉子ちゃんからも「どうもありがとうございます」という伝言があったのを書き忘れました。
      暦物...
      猫丸さん
      大事なことを言い忘れていました。
      葉子ちゃんからも「どうもありがとうございます」という伝言があったのを書き忘れました。
      暦物語のお知らせもありがとうございます!
      訳が違うとお話しってかなり違うものなんですかね~?
      「ジェニー」は手元にありますが、まだ読んでいません。今「トマシーナ」に夢中です。
      2021/01/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      まことさん
      訳者が違うと、やっぱり印象が変わります。
      一概には言えませんが、新しい訳の方が読み易くなっているコトが多いかな?

      花房さんの係...
      まことさん
      訳者が違うと、やっぱり印象が変わります。
      一概には言えませんが、新しい訳の方が読み易くなっているコトが多いかな?

      花房さんの係られている本が多くの方の目に触れますように、、、
      2021/01/24
    • まことさん
      猫丸さん
      ありがとうございます!
      猫丸さん
      ありがとうございます!
      2021/01/24
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著者プロフィール

オイリュトミスト。早稲田大学第一文学部を卒業後、ミュンヘンオイリュトミー学校に学び、1986年ディプロムを取得。87年より全国各地でオイリュトミーの草分けとしてはたらく。教育運動とも深くかかわり、アジアで最初のシュタイナー学校である東京シュタイナーシューレと、学校法人にいたる30年を共にする。アジア・ヨーロッパにも活動の場を広げ、様々な楽器・言葉と動きとの共鳴による舞台を創作している。現在国際ヴァルドルフ教育フォーラムメンバー。主な著作に『シュタイナー教育とオイリュトミー』(学陽書房)、『オイリュトミーが育むこころとからだ―動きの教育学』(水声社)ほか。訳書に『魂のこよみ』(R・シュタイナー、イザラ書房)、オルファース絵本シリーズ『森のおひめさま』『ねっこぼっこ』などがある。

「2019年 『美の朝焼けを通って』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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