鎌倉武士の実像: 合戦と暮しのおきて (平凡社選書 108)

著者 :
  • 平凡社
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 11
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582841084

作品紹介・あらすじ

平将門の乱から源平の争乱、モンゴル襲来まで、うち続く戦乱を通して、自立的なイエの支配者としての武士が、なにゆえ鎌倉幕府へ結集したのか、中世武士とはなにかを問う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1987年刊行。著者は東京大学文学部教授。

     鎌倉時代(というよりも、平安末期から鎌倉中期)の武士階級の成立過程とその政権掌握過程を軸に、その他トリビア的な小論が幾つか挿入される論文集。

     鎌倉政権成立過程はそれほど新規ではないが、その前史、すなわち地方における在地勢力が、中央権力(院や摂関家はもとより、巨大社寺を含む)の力を借りつつ、換骨奪胎し、地方における国府の権力と権威をじわじわ侵食していく様につき、三浦氏などを例に引きつつ展開する論はなかなか。

     また「吾妻鏡」等の史料が、鎌倉後期には僅少(ここは個人的トリビア)。にもかかわらず、霜月騒動や農村の変容、「蒙古襲来絵詞」に言及するあたりは、著者のチャレンジングな姿勢が垣間見れていい感じだ。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1931-2001年。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。専門は日本中世史。主な著書に『鎌倉幕府』,『日本中世国家史の研究』,『鎌倉武士の実像』,『中世のかたち』,『石井進著作集』全10巻,『石井進の世界』全6巻がある。

「2019年 『中世の罪と罰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石井進の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×