儒教ルサンチマンの宗教 (平凡社新書 7)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582850079

感想・レビュー・書評

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  • ある種衝撃の1冊ともいえる本。
    なぜならば…
    儒教の存在を否定しているとも
    取れる本だから。

    ある人が最近、この宗教に
    関しての本を出しているけれども
    なんとなくその答えが見えてくる感じ。
    うん、結局は嘘の厚化粧だから
    王族云々をしても
    それはやっぱり嘘の上塗り。

    確かに切れ者だったかもしれないけれども
    所詮匹夫。
    上塗りしたって、いつかはばれるものね。
    復讐がかなう時期はよかったけどね…

  • <目次>

    第1章  孔子という男
    第2章  受命なき聖人
    第3章  まやかしの孔子王朝
    第4章  神秘化される孔子
    第5章  孔子、ついに王になる
    第6章  儒教神学の完成
    終章   ルサンチマンの宗教

    <内容>
    儒教というのは、私にとって不思議でわかりにくい思想だった。この本は難しく、中国史をよく知らないのでてこずったのだが、孔子はウソつきで臆病で見栄っ張りで、ということはわかった。そして優秀な弟子や儒家の人々がなぜか孔子を持ち上げ、王についには皇帝にしようと奔走し、元の時代に王になった。それを著者は「ルサンチマン(復讐)」と呼んでいる。わかったことは、儒教というのは、孔子よりもその弟子たちが一所懸命作り上げた、虚構の宗教(なのかな?)だということ。最後まで分からなかったのは、そんな孔子になぜ弟子たちは付いていったのか?


    逗子市立図書館

  • 孔子はペテン師、儒教は都合のいい主張を行き当たりばったりに繰り広げるでたらめ宗教、とにべもなく断言するのには驚きます。
    儒教に関して読む初めての本がこれでいいのか少々悩むところではありますが(笑)。
    これを読んでいる最中に、「論語がブーム」とかいう新聞の記事を見て苦笑してしまいましたよ。

    おもしろいんだけど分かりにくいのは、結局儒教は国家の中枢に食い込んでいくわけですけど何がどうしてそこまでに至ることができたのか、という点。
    そもそもどうして弟子がそんなに付いているのかも謎です。この本によると論語には色々と孔子の欲にまみれた浅ましい言動が書かれているらしく、そこを弟子に見咎められたりもしているようなのに。カリスマではあったということか?

    孔子を貶めることに情熱を燃やす作者の強弁、と取れなくもないので、その部分に説得力があるとなおおもしろいのになぁ、と思います。

著者プロフィール

1946年, 仙台市生まれ. 東北大学名誉教授. 中国哲学専攻. 『黄老道の成立と展開』(創文社, 1992), 『孔子神話』(岩波書店, 97), 『孫子』(講談社学術文庫, 98), 『儒教 ルサンチマンの宗教』(平凡社新書, 99), 『古代中国の言語哲学』(岩波書店, 2003), 『戦国楚簡研究』(台湾・萬巻樓, 2004), 『諸子百家』(講談社学術文庫, 2004), 『古代中国の文明観──儒家・墨家・道家の論争』(岩波新書, 2005), 『図解雑学 諸子百家』(ナツメ社, 2007), 『古代中国の宇宙論』(岩波書店, 2008), 『上博楚簡與先秦思想』(台湾・萬巻樓, 2008)ほか.

「2016年 『『甲陽軍鑑』の悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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