生きるのがつらい。―「一億総うつ時代」の心理学 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 112
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582852981

感想・レビュー・書評

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  • 本書で提示した考えの多くは、先のロジャースやユージン・ジェンドリンが開発し、アン・ワイザー・コーネルが発展させたフォーカシングというアプローチ、特にそのクリアリング・ア・スペース(心の空間づくり)という技法や、それを基盤として増井武士先生が考案された方法などに多くを負いながら、私なりに考えたり付け足したり工夫を加えたりしたものであることを断っておきたいと思います。(はじめに)

  • さとりの本と似てて、良かったよ、意外に。

  • ロフト行き

  • タイトルは、生きるのがつらい、とあたかも死にたくなる状態の人間の赤裸々話かと感じますが、実際は、自分を前向きにしてくれる分析本、とても暖かな本です。

    辛いと感じている心と、どう向き合うか。
    うつ状態とどう付き合うか。

    読んで、少し気が楽になった部分もありました。


    筆者である諸富先生の、別本にも興味が湧きました。

  • 古本市で。


    最近こういう本を手にすることが多くなっているが、それは今まで目をそむけて、あるいは一緒になって泣き喚いた自分の中のどうしようもない部分に対して、どうしたら適度にうまくやっていけるだろう?と目を向け始めたということなのだと思う。
    8年前の本だが、非常に役に立つ「自分の心との距離の取り方」がたくさん入っている。普通のときはある程度自分をコントロール下におけるものの、弱ってしまうと途端に巻き込まれてしまう自分は、ひとまずこれを参考にして、自分の舵の取り方を考えてみようと思う。

    つらい、という感情は、生々しくあらあらしいものでひどく恐ろしい怪物のように感じるひともいるかもしれないけれど、むしろそれは夕暮れの陰のようにひっそりと、しかししっかりと自分の傍に寄り添っているものであって、けして凶暴なものではない。ただ、「どこまでいってもこの辛さ、生きにくさは、完全には他人に理解してもらうことはできないし、取り除いてもらうこともできないのだ」という断絶感を与えられるだけだ。

    この本で繰り返し説いていたのは、「自分のなかにカウンセラーをつくる」「弱音を吐きあえる関係をつくる」ということ。
    「つらい自分」は「醜い自分」「弱い自分」であり、「よりむき出しで情けない自分」の姿でもある。これをあたまから拒否せずに、「そこにいるね。また来たのかい」と、良い悪い好き嫌いはともかくとして、『認識する』ことが大事なようだ。ひたすら自分の中のあらゆる感情を認識することが、自己肯定につながるとのこと。

    弱音をはきあえる、というのは、ひどく難しい。拒まれたらこわいから、勇気がいる。
    でも、「わたしはいまとてもしんどいから、少し話してもいい?」と自分から「~してほしい」とお願いすることで、「気づいてもらえない」「わかってもらえない」という感情のフラストレーションを起こさなくて済む。
    それに、つらい、しんどい、と訴えて、すぐに「マイナスな感情を与えようとするなんてキミはうっとうしいやつだ」なんていってくるやつがいたら、そんなやつははじめから、自分にそれほど近しい感情を持ってなかったのだって考えればいい。

    あれこれと書きつけたが、覚書である。
    自分にはまだ完ぺきには使いこなせないスキルも多い。
    うつにまきこまれやすいのはもう会得してしまった性質ゆえに、仕方ない。自分とうまくつきあって、世の中のたのしいことを少しでも発見できるように努めていこう。

  • 高度経済成長時代のように絶対的な価値を皆が共有していた時代は去り、個人が自分の価値観を決めていかなくてはならない今という時代はほんとにシンドイなと思う。選択肢がありすぎて迷ったあげくとりあえず選んだ価値観で頑張ってみるものの報われないことが多いのだ。

    だから最初から諦めてツライことは回避する習慣ができて悩む力がどんどん低下する、そして悩む力がないから"何か"イライラし突然キレて、その結果多くの理解しがたい事件が起こる。

    毎回きちんと自分に向きあい悩めば同じ苦しみ不安が降りかかっても対処できるというのは当たり前のことかもしれないが、当たり前のことが通用しないほど諦め感が蔓延しているのか、ある世代から世代へ伝えるべきことが伝わっていないのか。なんなんだろうか。

    自分自身に関しては悩みどころを勘違いして空回りすることが多い。でもそれをきちんと教えてくれる人はいるし、悩むべきときには一緒に悩んでくれる人がいる。だから私もうざいと思われながらも人の悩みには敏感でいたい。

  • 初心者向け。

  • [ 内容 ]
    この国の年間自殺者はもう何年も三万人を超えている。
    誰もが自分は「軽うつ」ではないかと疑いはじめている。
    この時代には確かに、私たちの生きる意欲を奪う何かがある。
    生きるのがつらい。
    もう、前向きになんか生きられない。
    そんな閉塞感が漂う世の中で、自分の苦しみにうまく対処し、身近な人と支えあいながら生きていくには、どうすればいいのか。
    反ポジティブシンキングの思想で語る、「一億総うつ時代」の心の処方箋。

    [ 目次 ]
    第1章 みんなつらさを抱えて生きている
    第2章 つらさをつらさとして受けとめる
    第3章 弱音を吐くのも生きる技術
    第4章 ありのままの“今の自分”を受け入れる
    第5章 身近な人がつらいとき
    第6章 「助けあい、弱音を吐きあう関係づくり」の大切さ

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • やたらとプラス思考をがなり立てる自己啓発本の著者や、懊悩にどっぷりと浸る五木寛之氏や姜尚中氏のような方々(好きだけどね)とは異なる位置づけの「お悩み対策本」。
    プラスとマイナスの中間的な立場ではなく、とにかく一度立ち止まって、ありのままに悩みを眺めよう、評価をくだすのはやめよう…という提言。そして、うじうじして悩みを吐き出し、弱音を吐けばいいではないか、とも。
    悩みの緩和には、無理に自分を鼓舞するより数段効果あり。

  • 読みやすい。よくまとまっている。
    香山さんばかり読むのも偏りがあるが、あんまりスタイルの合わない著者の本を読んでもさらにふさぎこんでしまうような、ナイーブなマターですが、私はこの著者に拒否反応は全くなかった。
    やはりいろんな本を読んで勉強することは、悪いことじゃないですね。

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著者プロフィール

明治大学教授

「2018年 『孤独の達人 自己を深める心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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