- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582853322
感想・レビュー・書評
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これまで読んだ会津ものにも多くの女性たちが登場したけれど、その女性たちに絞った一冊。
最後まで戦う者、敵に辱められるぐらいならと「死」を選ぶ者。敗戦後もたくましく生ききった者。本当に壮絶としか言いようがないです。
著者の星亮一さんはどうしても思い入れが強いのか、特定の人物に対して否定的な見方が強いので、その部分が少し気になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会津行く前から帰ってきてまでに読んだ本。
女たちも壮絶な戦いや生活を強いられ、それをひとりひとりがひとりひとりの考えにおいて乗り越えたのだなーと知った。
あと、新たに知ったこと。
会津藩全体的に困窮を極めており、武士以下の身分の者たちは幕政に不満が溜まっていたこと。それゆえに戦後、失墜した藩主をみくびり一揆をおこしたこと。
会津武士道てのは所詮武士の間だけの話で、百姓たちにしてみれば、生きるか死ぬかの問題と日々隣り合わせだったから、また、税も非常にとられていたから、藩に対してのイメージはあまり良くなかったこと。
会津武士道だけに焦点をあてると、滅びの美学というか、美しいイメージがあるけど、その裏にはうまくいかなかった社会経済が隠れているということ。
もっともっと幕末の会津藩について知らなければいけないと思った。
また、明治維新後、生き抜いた人々にも会津に足を運んで以来、興味が湧いてきたので、そういう人たちに焦点をあてた本も読んでみたい。 -
星先生は会津好きすぎだと思います
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--06/9/3 (Sunday) 90/100mixi
先祖が会津出身だったりする友人達。
どこか芯の強いところを感じることがあるのだが、
これは何なんだろうか。
このぼんやりとした疑問がこの本を買わせました。
『女たちの会津戦争』 星亮一、平凡社新書
文章は読ませるというほどのものではないのだけれど、
戊辰戦争の局地戦である会津戦争に焦点をあて、
その戦火の中で武士階級の女性達がどのように行動したか、
その事実がしっかりつ浮き彫りになっています。
官軍が会津若松に迫ったとき、
戦場に出て行った夫や息子に替わって
家の切り盛りをしたのは、
妻や母などの女性達でした。
城に入って献身的に働く人、
武士として潔い一家自決を図る人、
郊外に非難する人。
戦時下の人間ドラマとしても考えさせられます。
当初の疑問に答えが得られるわけではありませんが、
ある種の納得を感じたのも確かですね。