大人のための「ローマの休日」講義: オードリーはなぜベスパに乗るのか (平凡社新書 388)
- 平凡社 (2007年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582853889
作品紹介・あらすじ
ベスパでローマの街中を疾走する姿。「真実の口」に手を入れ、慌てふためく素振り。スペイン階段でアイスクリームを口にするシーン-。これほど豊かなイメージを喚起する映画が他にあるだろうか?『ローマの休日』を足がかりに、オードリーが放出する魅力を多面的に考察する。イメージと身体をめぐる「憧れの映像詩学」の試み。
感想・レビュー・書評
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殆ど未読で返却
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優しい語り口調で、さらっと読める作品論。
「講義」と銘打っているからか、途中であちらこちらへ脱線もする。
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『ローマの休日』の魅力が
オードリーの魅力に大きく因っているという見解には異論なし。
そして、そのオードリーの魅力は「身体性」にある、
という意見が印象に残った。
「身体性」という言葉で表されているのは、一つには、
静止画・無声映画からトーキー映画に移行していく時代にあって、
外見だけでなく、しぐさの一つ一つまでが記録される映画俳優が
与える印象には、動きのイメージが伴っているということ。
もう一つには、三つの身体――
女優として駆け出したばかりのオードリーの身体、
モンロー、グレース・ケリーと並ぶスターとしてのオードリーの身体、
そしてアン王女としての身体が、渾然一体となって私たちの目に映るということ。
さらっと読んでいるので、多少の曲解が含まれているかもしれませんが。
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シナリオがシンメトリーの構造になっているのは、
何となく引っかかっていたけれど改めて図式化↓されるとなるほど納得。
ニュース映画
◆宮殿(窮屈さ)
◆◆ジョーの部屋(出会い)
◆◆◆ローマでの冒険
◆◆ジョーの部屋(別れ)
◆宮殿(覚悟と決意)
記者会見
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【気になる作品】
[ステラ・ダラス]
[裏窓]
『ザ・フィフティーズ』
アメリカの1950年代のあらゆる側面を描き出した本 -
[ 内容 ]
ベスパでローマの街中を疾走する姿。
「真実の口」に手を入れ、慌てふためく素振り。
スペイン階段でアイスクリームを口にするシーン―。
これほど豊かなイメージを喚起する映画が他にあるだろうか?
『ローマの休日』を足がかりに、オードリーが放出する魅力を多面的に考察する。
イメージと身体をめぐる「憧れの映像詩学」の試み。
[ 目次 ]
はじめに―「憧れ」の映像詩学の試み
第1章 舞い降りてきた『ローマの休日』
第2章 作品のかたち
第3章 「妖精」と呼ばれたスター
第4章 足先のレッスン
第5章 フォトグラフィック、シネマティック
第6章 スタイルの身体、そして身体の戸惑い
第7章 オードリーの三つの身体
終章 陽の光、そして瞳のディアレクティケ
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
「ローマの休日」というのが、なぜ長い間愛され続けているのか、と言うことを様々な……映画史的な側面、映画と演劇、オードリーというキャラクター……視点から見ていった一冊、らしい。どうもぴんとこなかった。
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かなり学術的なアプローチ。覚悟して読むべし。
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「ローマの休日」は確かにチャーミングな映画です。ローマに行ったら、ぜひ映画に登場する名所におでかけください。