金田一京助と日本語の近代 (平凡社新書 432)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582854329

作品紹介・あらすじ

わが国の代表的な国語学者・言語学者であり、文化勲章受章者という像が支配的な金田一京助。だが実は、敗戦による自己反省なきままに温存された国語学の宿痾を一身に体現する人物でもある。同郷の石川啄木にたいする無償の援助をはじめ、美談に彩られたそのイノセントな人物像の陰には、日本語を考える際に看過できない問題が存在する。金田一京助の内在的論理を実証的に追いながら、近代日本語成立に潜む力学を浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 女性言葉についても触れられていて満足。
    2016.03.25

  • 戦前から戦後にかけて「日本語の近代化」に関与した金田一京助。「なんとなく偉いと思われている金田一京助だが、どこがどのように偉いのか」を当時の史料に当たりながら丹念に解き明かしていく。とはいうものの、その「丹念」が「執拗」になってしまっている。引用が過剰で、それら引用の合間に自身の意見をぽつぽつと述べるスタイルには、「結局、何が言いたいの?」という印象ばかりが残る。労作と見受けられるだけに残念だった。

  • [ 内容 ]
    わが国の代表的な国語学者・言語学者であり、文化勲章受章者という像が支配的な金田一京助。
    だが実は、敗戦による自己反省なきままに温存された国語学の宿痾を一身に体現する人物でもある。
    同郷の石川啄木にたいする無償の援助をはじめ、美談に彩られたそのイノセントな人物像の陰には、日本語を考える際に看過できない問題が存在する。
    金田一京助の内在的論理を実証的に追いながら、近代日本語成立に潜む力学を浮き彫りにする。

    [ 目次 ]
    第1章 問題のありか-「イノセント」であること
    第2章 アイヌ語との出会い-日本帝国大学言語学の射程
    第3章 「言語」論とその展開-戦前・戦中の議論を軸に
    第4章 歴史認識・社会論?敗戦直後の議論を軸に
    第5章 あらたな国語を求めて(一)現代かなづかいをめぐって
    第6章 あらたな国語を求めて(二)標準語論と敬語論をめぐって

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著者プロフィール

一橋大学大学院言語社会研究科准教授。近代日本言語史専攻。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。
著作に、『漢字廃止の思想史』(平凡社、2016年)、『「国語」の近代史――帝国日本と国語学者たち』(中央公論新社、2006年)などがある。

「2018年 『大槻文彦『言海』 辞書と日本の近代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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