ノモンハン事件: 機密文書「検閲月報」が明かす虚実 (平凡社新書 483)
- 平凡社 (2009年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582854831
作品紹介・あらすじ
ノモンハンの虚実入りまじった事件像は、どのようにして輪郭が作られたか-。当時の新聞報道、郵便検閲の実態、作戦当事者の手記、回想記などを検証し、七〇年前の事件が今に問いかける意味を考える。発掘された関東憲兵隊の検閲資料から、あぶり出される事件の真相。
感想・レビュー・書評
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以前より「ノモンハン事件」については知りたかった。あまりにも様々な結果情報が交錯していて、結局どうだったんだ?という話である。
本書は事件そのものから、戦後の情報操作が仕組まれていく過程を1次資料を吟味しながら解き明かしていく。そして、「その後」にまで言及してある点において、新書ながら幅の広い考察となっている。
戦った双方の死傷者数は甚大だが、わけても帝国陸軍の装備・作戦・兵站・情報の各面で劣っていた状況がわかり、あまつさえ総括なき状態が、その後の戦訓として残らなかった点に暗澹たる気分にさせてくれる。肉弾至上主義の前進攻撃至上主義!トップの無責任ぶりが悲惨な状態を産み出す典型ですね。ジューコフ将軍にかなうはずもない。
歴史的にはその後のソ連の極東リスク排除に大きな意味を持った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
ノモンハンの虚実入りまじった事件像は、どのようにして輪郭が作られたか―。
当時の新聞報道、郵便検閲の実態、作戦当事者の手記、回想記などを検証し、七〇年前の事件が今に問いかける意味を考える。
発掘された関東憲兵隊の検閲資料から、あぶり出される事件の真相。
[ 目次 ]
序章 最果ての地ノモンハン
第1章 国境紛争の歴史
第2章 ノモンハン事件戦史
第3章 検閲から見るノモンハン事件
第4章 一人歩きしていく事件の虚像
終章 事件があらためて問いかけるもの
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
岩波新書の「ノモンハン戦争」よりもこちらの方が、ノモンハン事件に絞って記述されているぶん、事件そのものがどういうものだったのかということはわかりやすいです。それだけでなく、全体的に文章もすーっと頭に入ってくる感じです。