新書518俵屋宗達 (平凡社新書 518)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582855180

作品紹介・あらすじ

稀にみる天才性で、日本美術史にその名を残す近世の画家。一般に琳派の祖と称されるが、実はその位置づけは、後年"奉られた"ものにすぎない。近代日本美術研究の立場から、残された作品群を分析、琳派成立の歴史的経緯を踏まえつつ、まったく新しい宗達像を浮かびあがらせる快著。

感想・レビュー・書評

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  • とにかく謎だらけですが、大胆でクリエイティブで天才肌の巨人に意欲的に迫っています。規模・内容の充実したRIMPA展を思い出しつつ、改めて図録を眺めました。日本の美術史上、大きな高みを築いた光悦・宗達は、もっと深く知られるべきですね。そして、日本人が好む系譜〜装飾やデザインを追求する流れ〜を琳派だけに落とし込まず、スパンを現代まで広げ、骨太に考察した芸術評論にもっと出会いたいですね。

  • 近代日本美術研究の立場から、琳派成立の歴史的経緯を追いつつ、宗達芸術のエッセンス、琳派画家との相違、海外の画家との類似について鋭く指摘。まったく新しい宗達像を提示する。図版多数掲載。 稀にみる天才性で、日本美術史にその名を残す近世の画家。
    一般に琳派の祖と称されるが、
    実はその位置づけは、後年“奉られた”ものにすぎない。
    いったい宗達とは何者なのか、あるいは琳派とは――。
    近代日本美術研究の立場から、残された作品群を分析、
    琳派成立の歴史的経緯を踏まえつつ、
    まったく新しい宗達像を浮かびあがらせる。

  • 最近、芸術系の本を読みは始めた。新書なので、学術書程読みにくくなく、分かりやすい。とても興味深かった。宗達は、所謂琳派の一人とらえられているが、昔の教科書には確かにそう書いてあった記憶がある。作者は、宗達は尾形光琳には影響を与えたものの、特別な存在としてとらえている。宗達と前衛芸術、マチスとの共通性などは非常に興味深い。

  • 宗達を、琳派の始祖としてではなく、一人の芸術家として掘り下げている。躍動感、デザイン性、写実。どの要素も素晴らしい。

  • 『RIMPA』も行けなかったしなあ、なんて思い出しながらなんとなく手に取って、最初の章あたりはだらだらと読んでいたが次第に謎の画家宗達にすっかり惚れ込んでしまった(いやもちろん風神雷神はよく知っていたんだけど)。まだ見た事のない絵も白黒の新書の荒い画面から飛び出して来るようで、宗達の絵の生み出すのびやかな空間を味わいたくてうずうずする。惚れ込む研究者が多いのもまったくもって納得である。彼は孤高で、ほんとうの意味において特別なんだということがよくわかった。

  • 俵屋宗達については何も知らなかったのであるが、非常にわかりやすく説明してあった。掲載されている作品がカラーであれば、さらによく理解できたと思う。

  • 美術
    歴史

  • 体系だって日本美術について知れる良書です!

  • 牽強付会というか強引な論理構成で読むのが辛い。
    心象をいくら積み重ねても論考にならない。
    俵屋宗達が特出した画家であり、また尾形光琳もそうであったといこうことは良くわかった。

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著者プロフィール

古田 亮:東京藝術大学大学美術館教授、同大学美術学部 近現代美術史・大学史研究センター長

「2022年 『新訳 東洋の理想 岡倉天心の美術思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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