全学連と全共闘 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 143
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582855524

作品紹介・あらすじ

ほんの四〇年ほど前まで、日本には、革命運動に身を投じる若者が大勢いた。どれだけの若者がそれを今、すんなり納得できるだろう。どうして、学生運動は起こったのか-。遅れてきた世代の著者が探る、六〇年安保から東大闘争への軌跡。希望と怒りに彩られた、もう一つの学生運動史。

感想・レビュー・書評

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  • 活動家でもなく、同時代人でもない、というのがむしろ内容を面白くしていた気がする。
    全学連、全共闘の時代がよくわかる。

  • 2015.07―読了

  • 時系列かつ物語テイストでまとめられているので、学生運動の大まかな事件を整理して理解することができた。ただし、それぞれの主張な事件の解釈にあたっては、慎重に判断したい。

  • 安倍政権下での安保法制改正に対して、反対デモに参加した元活動家やその周辺のお年寄りの気持ちを知りたくて手に取りました。
    追い求めた理念の果てに様々な事件を起こしてきた彼らは、自身の誤りを認めていません。
    掲げる理想は高く自信に満ちたものでした。しかし、戦前戦中の自身の体験を戦後に美化した者たちと、どこが違うのでしょう。思想は真逆に見えても、思考方法は同一のようです。

  • 著者が全学連・全共闘関係者をインタビューした情報を交え,日本の戦後学生運動の推移を紐解いた一冊.60年代~70年代にあって混迷を極めた国内情勢の一端を垣間見ることが出来る.

  • 日本の60-70年代を彩った学生運動(全共闘・全学連)を描いた作品。
    彼らの多くは政治闘争ではなく、生活闘争だったのだ。

  • 安保前夜から安田講堂事件辺りまでを中心に、
    学生運動を当時の関係者の話を交えながら追っていく。

    ぼんやりと時系列的な流れはある程度理解できたのだが、
    この時期の学生運動の正体がやはりよくわからなかった。
    結局革命が起こればユートピアの実現に繋がるという
    前提で動いていたのだろうか。
    彼らの行動からはデモ以降の具体的なビジョンは見えなかった。
    革命を起こすことについてもどこまで真剣だったのか良く分からない。
    これだけ読むと手段が目的化しているようにしか捉えられなかった。

    最後当時の人があれはあれで良かったんだ、
    ということを言っていたけれど、全く共感できず。
    それも結局は私がその時代に生きていないから仕方ないのかね。

    本自体は分かりやすく、
    基本的な概要をある程度網羅できたと感じた。

  • そうやってまとめ読みすると、自己満足のために多大な迷惑をかけてなお肯定的に思い出に浸ってるように見える。

  • ●:引用

    ●日本復興の希望とともに始まった新左翼運動は、やがて怒りへと変質し、ついには狂気へと墜ちこんで終末を迎えた。それはほとんど何の成果も残すことができなかった悲しい物語である。そしてそれが物語であるならば、物語のように書かれなければならない。私はそう考えた。
    ●自分たちがその一翼をなした新左翼運動を、そして戦後学生運動を、彼ら自身が総括することは決してできないのだと私は悟った。(略)しかし彼らが自らの青春を思うとき、そこに甦るのは狂気に落ちこんでしまった運動の陰惨な末路ではなく、正義感に燃えた自らの熱い思いであり、怒りの拳を天空に突き上げた若き日の思い出なのだ。(略)誰もがそれをわかっている。プロレタリア革命などこの国には決して実現しないことを。今も、そしてあの頃もそうだったのだ。しかしそれでも彼らは歌い続ける。かつてそれは輝かしい希望だった。希望は怒りとなり、最後には狂気となった。それから半世紀たった今日、それは一時代の象徴となり、ノスタルジーの対象となった。彼らはもう変わることができない。彼らを、そして彼らの過去を責めることは誰にもできない。

    出版物、インタビューを当事者の視点から再構成した主観的な物語。当事者以外が主観的な立場で著した本というのは面白いと思う。前書きにあるように物語(ストーリー)である。

  • 1950年代から70年代くらいまでの学生運動の歴史がわかりやすく解説されている.実際に革命を信じて国会議事堂周辺を埋め尽くす人々の光景は今ではとても考えられない.

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。筑波大学卒業。IT業界でテクニカル・ライター、コピー・ライター、広告・宣伝、インターネット・マーケティングなどに従事した後、ノンフィクション・ライターとして幅広い分野で活動中。著書に『全学連と全共闘』(平凡社新書)、『スコット・ジョプリン──真実のラグタイム』(春秋社)などがある。

「2015年 『イルカ漁は残酷か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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